土曜の午後、そして日・月曜日が休みのわたしは
土曜日の午前中にさえ休みが取れれば三連休。昨日、12月25日土曜日はクリスマスでした。
イタリアだけの祝日ならば出勤になるところですが、
この日はさすがに大抵の国の旅行会社が休みになりますから
事務メンバーは全員無条件で休みとなります。
ボーナスが出たし(何度も言いますが日本に比べたら雀の涙)、
来週帰る日本への往復チケットはマイレージ
(日本航空のポイントを貯め、そのポイントで航空券を獲得)で
申し込んだため、今回はロハ(諸税約4000円のみ)。
多少懐具合に余裕のある12月ですから、
思い切ってこの三連休にバルセロナへ飛びました。
近いのに行ったことがなくて、行ってみたい国、都市を
友人2人と協議して決めたのです。
急遽数日前からこの旅行のための綿密な(!?)打ち合わせが
ローマ(わたし)⇔ロッテルダム(友人S)⇔東京(先輩K)
という形で行われていました。
ハッタリを張らせたら右に出る者なし、
経営コンサルタントであるKさんは
成田からロッテルダムに入り、そこで
最近、自身のHP上の日記(ブログ)作りに凝りまくっている
在蘭サックス奏者Sと合流、
24日夜にバルセロナ入りをしているはずです。
ローマからバルセロナへのチケットは
直前に取ったアリタリア航空で約200ユーロ
でした(早いうちに取っていればもっと安かったのです)。
予定より少々早く1時間半で到着。
寝る間も本を読む間もなく、あっという間に着いてしまいました。
朝11時バルセロナ着。
「絶対迎えに来てね」と言っておいたのに
予想通り到着ゲートに彼らの姿はなし。
あとで聞いた話によれば、空港まで行くのが面倒で
迎えに来る気があまりなかったとか。
この人たちのこういうところには悪気のカケラもなくて
怒る気も失せます。
電話を入れると、あと30分待てとのことでした。
空港内をブラブラしましたが、
クリスマスのため店はどこも閉まっています。
市内までのバスがあるのをチェックし、早速
おいしいと友人から聞いていたスペイン産生ハムの
サンドイッチを食べることにしました。
生ハムはイタリアのものよりも素朴な味で
とてもおいしかったです。
食べているとようやくKさんとSが到着、
2人ともに2~3ヶ月前に会っているので、
感動の再会!ということはまったくありませんでした。
ところでスペイン人との会話ですが、
スペイン語とイタリア語は
ともにラテン語から派生したものですからよく似ており、
店員時代にスペイン語をかじったわたしは
あまり不便を感じずに生きていけそうでした。
さて、バスで市内に向かうことにします。
バルセロナは小さい街で、移動は楽チン。
空港から市内中心地までも、バスで30分弱ととても近いのです。
空港⇔市内の片道バス料金は3.45ユーロ。
バスの終点で街の中心地カタルーニャ広場から
地下鉄に乗ります。
小さい割にバルセロナには地下鉄がたくさん走っており、
分かりやすくてとても便利。
東京のように多すぎず、ローマのように少なすぎず、
ちょうどいい上、自動券売機が信用でき、
画面に親切な説明があって、
お釣りはちゃんと出てきます。
市内北部にある四ツ星ホテルAlimara(アリマラ)は、
以前わたしの同僚が宿泊して「良かった」と
薦めてくれたところです。
数日前に電話で予約しておきました。なんとスペイン語で。
といってもだいぶ不安だったので、あとで
英語が堪能なSに電話確認をしてもらいました。
結局取れてはいたんですけどね。
最寄り駅MUNDETは終点近くではあったものの
ホテルは駅のすぐそばにありました。
市内の中心地カタルーニャ広場までは一本で行けるし、
大して時間もかからなくて(約10分)、
本当にここを選んでよかったです。
オリンピックに際してつくられたのではないでしょうか。
新しくて綺麗で、客室数も多い近代的な建物です。
バスやトイレも広くて快適で問題なし!
ホテルに荷物を置いて、
観光のルートを決定するための会議をし、
ガウディの作ったグエル公園を目指すことにしました。
地下鉄VALLCARCA駅を出ると案内板があり、
それをたどっていくと住宅街の間を通る急な坂道に
エスカレーターが設置されています。
それに乗って坂の途中まで運ばれてくると、
右手に素敵な喫茶店があるのを発見しました。
スペインに上陸して初の休息ですから
様子を見つつおそるおそるドアを開けます。
コーヒーだけを飲むつもりだったのですが、
お腹が空いていたこともあり、ショーケースにあった
サンドイッチもついつい注文してしまいました。
店のオバちゃんと南米系の兄ちゃんもとても感じがよく
雰囲気は明るくて、おすすめです。
グエル公園に行くのでしたら立ち寄るのをおすすめします。
さて公園内の敷地らしきところまで到着すると、
かなり坂を上ってきたので
視界にバルセロナの町と海が広がってきました。
残念ながら曇だったのですが、
それでもサグラダ・ファミリアなどの建造物がはっきり見えます。
グエル公園といえば
ガウディのモザイク作品で有名。
トカゲの噴水、広場を包囲するベンチ…。
ガイドブックで散々見てきたのになかなか出会えません。
「トカゲどこ?」
とにかくトカゲを目指してひたすら歩きました。
ようやくトカゲがいそうなところにたどり着くと、
そこに至る階段で「グリコ・チヨコレイト・パイナツプル」
(じゃんけんをしてチョキとパーで勝つとそれぞれ6歩、
グーで勝つと3歩、進むことができる遊び)
を誰からともなく始めてしまいました。
そこで思いがけずイタリア人カップルと交流。
こっちが分からないだろうと思ったのでしょう、
「コイツら、中国じゃんけん(morra cinese=モッラ・チネーゼ)
やってるよ。」と言ったのを受けて、
「日本人だけどネ」とイタリア語で東洋人の娘が。
この2人、不意打ちにびびってました。
ようやくトカゲ発見!
モザイクのベンチと天井のモザイク、トカゲの噴水!
長らく見たかったガウディのモザイクに会えましたが
あいにくの雨で、ちょっとテンションは低くなってしまいました。
わたしはトカゲに会えただけで十分です。
おみやげ屋を数件覗いて、タクシーを拾いました。
わたしたちが入ってきたのは公園の裏門で
トカゲがいたのは正門でしたが、
裏門が地下鉄VALLCARCA駅から徒歩ですぐだったのに対し、
正門から最寄りの駅LESSEPSまではかなりの距離なので、
雨が本降りになったこともあってタクシーに乗ったのです。
なんとタクシー初乗り運賃は約200円でした。
そこから地下鉄に乗って繁華街と思われるあたりの
LICEU駅にて下車しました。
地上に上がるとダンキン・ドーナツの看板が見えたので
思わず入ってしまい、そこで喫茶がてら再び
観光ルートを検討する会議を開きました。
大学時代、アルバイトをしていたダンキン・ドーナツは
日本ではもう潰れてしまいました。
ローマにもわたしが来た頃にはあったのに、
いつの間にかなくなってしまいました。
イタリアでは、イタリア人の保守的な食事傾向により
ファーストフード産業というのはまったく稼げません。
マクドナルドはもちろんあるけれど、
もう一つ有名なのがSPIZZICO(スピッツィコ)で、
これはイタリアならでは、ピザのファーストフードなのです。
バルセロナではケンタッキーやスターバック・カフェも
何軒か見かけました。
イタリアとスペイン。隣同士の国でも
こんなに顕著な食文化の違いがあるんです。
温かいコーヒーで体を温め、会議の結果
夕飯をとるレストランに目星を付けました。
ダンキンの並びにあるそのレストランは
ガイドブックに載っているような
観光客向けのもののようでしたが
雨と疲労であまり動けなかったということもあり、
入ってみることにしました。
タパスという魚介類を中心としたおつまみを何皿かと、
いか墨のリゾットを注文しました。
これがなかなかおいしかったんです。
こうしてバルセロナ一日目の夜は更けていきました。