ローマに来て10年弱となりました。
こんなに長くいながら初めての経験です。
消防車を呼んだのは…。昨日の晩、同居人から家に入れなくなったと連絡があり、
職場の同僚、力持ちの2人を連れて家に帰りました。
しかしどうしてもこうしてもドアが開かないのです。
こちらの鍵は日本の玄関など比べ物にならないほど頑丈なのです。
ドアの裏に鉄の棒が何本か入っているのです。
それが鍵穴とうまくかみ合わないまま閉めてしまったために、
開かなくなってしまったのです。
大家に電話して承諾を得、
同僚カルロに消防署に電話(115です)してもらいました。
待ったのは10分ほどでしょうか、そんなに長くなかったかもしれません。
でも待っている時間がすごく長く感じられ、
あらゆる大き目の車がみんな消防車に見えました。
サイレンは鳴らしていなかったものの、
しばらくして、赤いあの消防車がアパートの前に到着しました。
そして消防車からは4人の消防員が颯爽と(?)降りてきます。
わたし興奮ぎみ。
彼らもエレベーターなし5階(日本でいう6階です)には、
少々たまげたようです。
1人は中年のおじさんでボスっぽくて、
あとの3人は若者でした。
何をするのかと思ったら
鍵(スペアを入れて3本あった)をのこぎりで縦に半分に切ります。
それでカチャカチャやって、
最後に完全な鍵でくるっと回したらドアは開きました。
結局開けたのはボスで、
あとの2人はのこぎりで鍵を切って、
もう1人はわたしに
「日本人か?どこの出身だ?大阪はいい所だなあ」と言っただけでした。
そしてボスは同居人38ちゃんの身分証明を一通り見て、
大家のこととか質問して帰っていきました。
ちょースリルでエキサイティングな経験でした。
わたしは消防士たちに「ありがとう」と言っただけでしたが、
38ちゃんは丁寧にもアパートの下までお見送りに行っていました。
そして消防車は署に戻っていくのでした。
たいへんお騒がせしました。
実は前に住んでいた家の大家がミラノで消防士をやっているのですが、
そんなことを思い出しました。
ウチのドアの鍵は土曜日に生まれ変わります。
明日はどちらの泥棒さんも、ウチに来ないで下さい。