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NOVELS ROOM

第二章

あれれ…




確かお前は…




ボクがゴミにして




捨てたはずだよ…




Dust 第二章



「…ッハ!」

僕は、とても嫌な夢を見た…すごく恐ろしく、僕が最も見たくない夢…

「…ハァ…はぁ…ハァ…」

昨日よりも体が震えた…そして、あのことが僕の頭に浮かんだ…

--------

「ハァ…ハァ…はぁ…はぁ…」
「おやおや、どうやらお疲れの様だね…」

白い龍と黒い龍が互いに戦っている…

「僕は…僕は…まだやれる…!!」
「無理しない方が、いいと思うけど?」
「余計な…お世話だ…!」
「あ~ぁ…無理しちゃって…いいよ…ゴミにして捨ててやるよ…!」

二匹の龍が突進する…

『ブレイジングクロー!!』


-ガキィィン…


「…………」
「…………」
「……ぅ…がはぁっ…」
「…ふ…やっぱりね……さてと、敗者はゴミにして捨ててこなくちゃね…燃えるゴミでも、燃えないゴミでもな~んでもない場所に…」

傷付いた白い龍に黒い龍が迫る…

「いやだ…ゴミに…されたくない…」
「何をほざくと思ったら……消えな…」


-ザシュッ!


「うわあぁあぁぁ!!」

--------

「あぁぁあぁあぁ!!」
「うわぁっ!ど、どうしたんだホワイト!?」
「ユ、ユウスケ…」

僕の叫ぶ声で起きたユウスケはすごく驚いてた…当たり前か…

「朝っぱらから一体どうしたっていうんだよ…」
「コワイ…ユメ…ミタ…」
「何だよ…そんな事かよ…」
「ユウスケ…ワカッテナイ…ドレダケコワカッタカ…ミセテアゲル…」

僕は、さっき見たやつをユウスケの頭に転送した…
どうやら…転送は成功したようだ…
見終わったユウスケが僕を見つめた…

「お前…だからゴミ置き場に倒れてたのか…」

僕はコクりと頷いた…

「きっと…僕がいることがわかって、探し回っているはずだ…」

何故か話した言葉がまともな言葉になっていた…

「あれ?何だよ…普通に話せるようになってるじゃん…」
「あ…ホントだ…」

ホントに今気付いた…

「あ!そうだ!」
「どうしたの、ユウスケ?」
「そこだけ片言かよ…まぁ、そんなんはどうでもいい…」
「だから何なのさ…?」
「学校行ってくるのさ!」
「ガッコウ?何それ?」
「説明しにくいから、帰ってからな!」

そう言って、ユウスケは部屋を出ていこうとした……が…

「そうそう、これ付けときな」

僕に付けてくれたのは、僕の形をした小さな首飾りだった…

「これは…?」
「昨日寝ようとしたけどなかなか寝れなくてさ…ついでだから作っておいたんだ…センサーつきだから何かあったら反応するから…すぐにホワイトのとこきてやるよ」
「ホント!?」
「でも、たいした事なかったら行かないからな!それと、外にはあんまり出るなよ!」
「わかったぁ!」

ユウスケは行ってくると言って部屋を出た…

一人になるとどうも暇で仕方ない…それにちょっと淋しい…ユウスケがいたから、淋しくはなかったけど…いざとなると、淋しい…
外に出ようかなぁ…でも、出ちゃいけないっていったし…そもそも散歩しようにも道わかんないし…
はぁ…暇だなぁ…

ぼーっとすること15分ぐらい…僕は何かを感じた…
あいつだ…あいつがここに来る…秒数にすると後10秒…

9…8…7…6…5…4…3…2…1……来た…!

「あれれ?こんなところにいたのか…ホワイドラゴンくん…」
「ブラック…ドラゴン…」

そう、あいつとはブラックドラゴンの事だ…
どうしよう…また僕をゴミにする気だ……そんなのいやだ…もう、あんな思いはしたくない…!!

「まったく…ボクがもう少し痛め付けてやれば、この家の人間に拾われることもなかったのに……それにしても、こんなゴミを拾うなんて、変わった人間だよ…」

ブラックはまだ僕をゴミ扱いしている…それほど僕はブラックにとって邪魔な存在のようだ…

ブラックは僕と同じ姿をしている…はっきりいって兄弟なのだ…
一緒に生まれたときは仲が良かったけど…いまじゃ完璧な赤の他人…

僕は、ブラックを見て震え出した…僕はブラックが恐いのだ…ゴミにされるのがいやだから…

「さぁ、こんどこそ、ゴミにしてあげるからね…」

ブラックが僕に迫って来た…

-ユウスケ…!-

僕は首飾りを握った…
でもダメだ…ユウスケを巻き込む訳には行かない!!
そう思い、体が震えながらも僕はブラックに攻撃を仕掛けた…

-------

「ん?ホワイト?」

何か感じる…でも、センサーが反応してないし…
でも、ホワイトは何かにあってるかもしれない…
そう思って俺は、席を立った…

「神堂…どうしたんだ?」

先生が気付く…

「ちょっと、思い出したことがあるんだ!だから行ってきます!」

俺は荷物をまとめて教室を出た…

「おい、まて神堂…!!……ったくこれだからこういう生徒は困るんだ…」

--------

「ほらほらどうしたぁ?さっきの勢いがまるでダメになってるじゃないか…」

ブラックは僕に片足を乗せて、僕を見下している…

「それだからすぐにゴミにされるんだよ!!」

そう言い、思い切り僕を蹴った…

「ぐぁっ……ゲホッ…ゲホッ…」
「まったく…ホワイトは変わらないねぇ…昔から臆病だったからねぇ…さぁ、最後の仕上だ…くらいな!!」

やられる!
僕はそう思った…

--------

俺は必死に走った…
家につき、すぐさま自分の部屋に行く…
階段を上がりドアを開けた…

「ホワイト!!」

そこにホワイトはいなかった…

「あいつ…外に出るなって言ったのに…でも、何かあってるんだ…まさか…」

俺は、部屋を出て外に出て、また必死に走った…
俺が向かった所は、俺がホワイトを見付けた場所…つまり、ゴミ置き場…

その場所は、もともと綺麗な原っぱだった。だけど、誰かが物を捨てたからこの原っぱはゴミ置き場になってしまったのだ…

俺がそこについたときに見たものは、傷付き倒れているホワイトの姿だった…

「ホワイト!!」

俺はホワイトの所に駆け寄った…

「ホワイト!どうしたんだよ!こんなにボロボロになって…!一体誰がこんな事を…!」
「それは、このボクさ…!」

と、声が聞こえた…すぐに俺はその方に向く…
すると、そこにはホワイトと同じ姿のやつがいた…体は黒かった…

「テメェがホワイトにこんな事を…!テメェ、何者だ!!」
「ボクはブラック…ブラックドラゴン…そいつはボクが直(じか)に痛め付けておいたよ…でも、折角最後の仕上げをしようとしたのに…邪魔するとはね…まずはあんたから消してやるよ!!」

ブラックと名乗るやつは黒いオーラを出し俺に向かって突進して来た…

--------

……あれ…ユウスケ…どうしてここに…?
…はっ!ブラックがユウスケに!!
ユウスケ!!!

僕は、ユウスケの前に出た…

--------

やられる!
正直そう思い目をつぶった…そしたら…


-ドガッ!


俺は、目を開いた…そこには、ホワイトが俺の盾になっていたのだ…

「ちっ…外したか…でも調度いい…ホワイトが人間の盾になったんだからねぇ…ゴミにする時間が省けたよ…」

俺はすぐにホワイトの傍に寄る…

「ホワイト、何やってんだよ!!そんな体で俺を守るだなんて…死んじまうだろ!!」
「ユ…ウ…ス…ケ……巻き込みたく……なかった……ダから…まもっタ…」
「馬鹿野郎!いいよそんなの!」

俺は、ホワイトを抱きしめ涙を流した…

「ユウ…ス…ケ…泣かなイで……」

あの時と同じ様に、ホワイトは俺の顔をなめた…
俺は、抱きしめ続けた…すると…ホワイトが輝きだし…ホワイトの傷が跡形もなく消えていた…
そして、ホワイトに変化が起きた…

ホワイトはさらに輝きだし、その輝きが消えたとき、ホワイトは人間の姿になっていた…
右手には剣を持ち、体は普段着…もちろんトレードマークの翼と尻尾があった…

「ほ、ホワイト?」
「何?…うわっ!僕、人間になってる!!何で何でぇ!?」

ホワイトはかなり驚いていた…まぁ、当たり前か…人間になってるんだもんな…

「ちっ…ああなってしまったらこっちが不利だ…一時退却させてもらうよ!!」

そう言ってブラックは空を飛び…どこかへいってしまった…
ブラックが飛んでいってしまった後…ホワイトはもとの姿に戻っていた…

「ユウスケ~♪」

ホワイトが俺に飛び付いてきた…

「ごめんね…心配かけて…」
「いいって、ホワイトが無事ならそれで!」

俺は満面の笑みで接した。
ホワイトもつられて笑顔になった…俺はホワイトの笑顔が一番癒される…何かあったときにホワイトの笑顔をみれば何もかも忘れることが出来るような気がするから…

「じゃ、うちに帰ろうか…」
「うん!」

ホワイトは俺の肩にのっかり、俺が落ちるなよといい、走って家に帰った…

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〇月□日 〇曜日 天気→晴れ

今日、俺は凄い物を見た。ホワイトが人間の姿になったんだ!何でかは知らないけど…俺の推測だときっと気持ちの問題でホワイトが人間の姿になるんだと思う。何か微妙な推測だなぁ…まぁ、いっか。それと、ホワイトと同じ姿をしたやつを見た。ブラックと自分で名乗ってた。そいつ、ホワイトより強いみたいだった。でも、俺にはホワイトとブラックの関係がよくわからない…ホワイトが見たものを見せてもらったけど…あれだけじゃ、どんな関係かよくわからない…まさかとは思うけど…兄弟なんじゃないかと思う…しかも双子の兄弟。ブラックが双子の兄でホワイトが双子の弟って感じかな…?まぁ、その事はホワイトに聞こうかな…? by裕介

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「何書いたの?」

ホワイトが顔をヒョコッと出して覗き込んだ…

「日記だよ!」
「ニッキ?」
「そう、毎日の出来事を書き留めておくのさ!」
「ふ~ん…僕も書く!」
「お前、字書けるのか?」
「かけない!」
「自信満々に言うなよ…」
「えへへ♪」

そして、俺は電気を消してホワイトと一緒に眠った…


THE END ~第三章に続く~



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