きのうのことだ。
うちのツバメ、ひとりっこのチビ助。
天使になっちゃったんだ。
まだとても飛べる状況ではなかったのに、
飛んでしまったのだ。
１度は、誤って巣から落ちたのだと思った。
だが、２度目。
これは、落ちたのではなく自分の意思で飛ぼうとしたのだと思った。
無事だったのは奇跡に近い。
羽が生え揃っていないが、恐らくはばたき、
空気の抵抗で、コンクリートの地面に叩きつけられることは
避けられたのだろう。
３度目のとき。
保護しようかとも思った。
それでも、親鳥は電線にいるし、
地面に置き去りにしても、到底飛べる状態ではなく、
猫に襲われるか、車にひかれるかどちらかだったろう。
保護したとしても、エサも食べてくれなければ
生きていかれないし、また無事親鳥のもとに帰せることができるか。
親鳥は受け入れてくれるのか、とか。
ツバメは秋になったら、渡らなきゃいけないし…。
一方で、巣に戻せばまた飛ぼうとするだろう。
巣に戻すということを選択したが、
わたしの行為は正しかったのだろうか。
結局、５度目で、仰向けに倒れていた。
まだ息があったがダメだろうと思われた。
巣に戻したが、もう２度と顔を出すことはなかった。
もしも、きのう無事だったとしても
恐らくきょう、同じことを試みただろう。
飛べそうな状況であっても物怖じするツバメっ子の方が、断然多い。
チビ助は、ひとりぼっちで寂しかったんだと思う。
親や他のツバメが飛んでいる様子を見て、
自分も飛ぼうと思ったんだろう。
【飛べないのに飛んだチビ助、天使になる】
◆７月３日 朝６時半
父に起こされた。
「ツバメが落ちてるぞ！」
「えぇ！？ 死んじゃったぁ！？」
父が連れてきたチビ助を抱っこすると、
しっかりと指先につかまる。
ケガはないようだ。
脚立を使って巣に戻した。
その直後の写真。
飛べる状態になっているとは思えないが、
翼もしっかりしてきて、とにかく鳥みたいに
羽ばたき、コンクリートに激突ということは避けられたのだと思う。
よく、無事だった。
九死に一生ものだと、このときは思ったんだ。
◆その後、合計４回
だが、９時までに、合計４回、落ちた。
ということは、落ちたのではなく自分の意思で飛ぼうとした！？
この写真は、４度目のとき撮影。
「あと１週間くらいはここにいなきゃダメなの！
チビ助、なにしてるの！」
「ぴい！」
「ぴい、じゃないの！」
どう見ても飛べそうにない羽。
まだちびっこ。
ツバメといわれなければ、何のひなかもわからない。
落ちて怪我をして命を落とすということもある。
落ちた瞬間、猫や車にということもある。
４度目の墜落（自主飛行？）には、
電線に居た親も気づいたらしく、
様子を見るように飛んできた。
「ココにいるよ。ココ！ キミのひな！」
 日本語通じたかな？
脚立を使って４度目。
２度は父がいたが、その後２回はわたしが巣に戻した。
まさか、ひなをとったとか誤解しないよな…。
飛べるようになっての巣立ち。
第一歩は勇気が入るらしい。
でも、羽がそろっていると、やっぱり飛べるのだ。
羽がそろわなくても、飛んでしまったチビ助。
飛び降りることは、可能？
１度ならずも４度で、降りられることを理解してしまったように思う。
あと１週間待てば、飛べたのではないかと思う。
ひなは、１日で結構成長する。
ひとりっこチビ助。
兄弟がいると、親が入れ代わりエサを運ぶし、
ひとりではないし…。
１羽で巣にじっとしているということは、
孤独なことだと思う。
鳥の声に反応し、つい羽ばたいてみた。
そんな心境はわかる気がする。
鳥の複数羽飼育の理由の１つもそこにあるのかもしれない。
◆１１時頃
チビ助のこと、目が離せなかったが、用があったので、
３０分ほど出かけた。
戻ると、チビ助は仰向けに倒れていた。
まだ息はあった。
でも、もうダメだろうとわかった。
ちょうど父が帰ってきて、再び、巣へ。
たとえ亡骸であったとしても、親鳥に見せなきゃ。
そう思ったのだ。
チビ助はもう２度と顔を見せることはなかった。
◆そしてきょう、７月４日お昼頃
きのうも、今朝も、お昼も、
チビ助のパパ＆ママツバメは電線に来ていた。
来年、またおいでよ！
でも、今度は１羽だけでなく３羽くらいいるといいね。
|
