カテゴリ:スーフィズム
これは、今でもトルコ・コンヤにある、 メブレヴィーミュージアムの中庭で行われている、 セマーゼン(旋回舞踊)の写真です。 ちょっと、というか、この写真はかなり古いものですが…。 今日は本場トルコの旋回舞踊について。 わたしもインド・プーナにある、とても広いブッダグローブ (訳すと仏陀の掌?!かな?)というオープンスペースで ワーリングメディテーションというのをします。 プーナでは形式にとらわれることなく、 自由に音楽にあわせて旋回をすることが出来ます。 世界中探しても、こんなに自由に、好きな形で旋回が出来るところって、おそらくプーナだけなんじゃないかな?" (((≧∀≦)ノ゛ 女性も男性も、仏教徒もジャイナ教徒も関係なく、 一緒に旋回することが出来ます。 もちろんカリフォルニアにある、メブレヴィー支部でも 女性が旋回舞踊を習うことは出来ますが、 たぶん規則にそって行われていると思われます。 コンヤにあるセマーゼンの練習場では、とても厳しい規則 (ルール?)があります。 まず始めに Discipline であることが試されます。 Discipline とは訓練・規律と訳せますが、弟子(Diciple)とよく似た言葉であるように、弟子入りするぐらいの覚悟が必要です。 まず始めに、スーフィズムの伝統にあるように、 門前を叩いたその後は、一年間、3畳ほどしかない程の 狭い部屋にただ黙って座り、 それが許されると、キッチンで3年間まかないのために 働くことができます。 それが許されて初めて修業に入ることを許されるんだとか。 そんな長い時間、トルコに滞在できない外国人は、 特別の紹介と熱意の程によっては、旋回の修業をさせてもらえることがあります。 最短3ヶ月だと聞きました。 たまたま時を同じくして、イスラエルの青年が、私の友人のやっているゲストハウスに滞在していました。 彼はもうすでに、私よりは1ヶ月先に滞在していた旅人で、心理学を専攻している大学生でした。 スーフィズムについては、ほとんど無知でしたが、 そこですでにいろいろなことを学んだようでした。 ある日の夜、旋回舞踊を見た帰り、彼は何を思ったか突然 「帰国を延長してセマーを習いたい。」と言い出しました。 私の友人の計らいで、セマーゼンをトルコの若い修業僧たちに教えているという、セマーゼンのシャイフに彼を紹介し、 無事、そのスクールに特別参加の許可を得ることが出来ました。 半年やらなければだめだと言われたようですが、大学生なので、なんとか3ヶ月間でと頼み込んだようです。 でも、あくる日からの彼の真剣な様子は尋常ではありませんでした。 修業場では一切言葉は発することは出来ません。 マスターとお弟子さんたちは目だけで意思の疎通を図ります。 最初の数日はトルコ語のわからない彼は、通訳をつけていましたが、そのうち通訳を外し沈黙のなかでだけの訓練になったようです。 初めて修業の門をくぐったものは、まず四角い板の真ん中に、鉄の丸い釘の刺さったものを使います。 昔はほんとに釘を足の親指ではさんだといいますが、 最近のは少し球状で滑らかなものになり、親指を当てるだけになりましたが・・・。 その板の上で、”両手は胸の前で組み、右足を直角にまげ、バランスを崩すことなく5分間立つだけ”、という訓練をします。 少しの身動きも許されません。 それが出来て初めて次の訓練が許されます。 これが、本当になかなか難しい。 足の太ももがぶるぶる震えます。 筋肉トレーニングと瞑想の初歩ですね。 5分間が大変ながーく感じます。 次のステップは足の位置です。 回転する足の裏を地面につけたまま、けして浮かせてはいけません。 これはほんとに私には出来ませんでした。 回転しようとすると、どうしても軸足がつま先立ちになってしまうからです。 そして親指の位置は真ん中の釘からずれてもいけません。 彼はそんな厳しい訓練の中、毎朝6時と夕方6時の2回、 1時間の個人練習をしていました。 そうしてから毎日夜7:30からのマスターのところでの修業に行くのです。 旋回舞踊は、基本的には時計と反対周りに廻り、 右掌を上に、左掌を下に向けます。 大地に根ざし天を仰ぎます。 頭には丈の長い帽子をかぶりますが、これは墓石を象徴し、前開きの白いジャケットは、いつでも扉は開いている、 ということを象徴としています。 旋回すると丸く広がる大きなスカートは、盛られた墓土なんだそう。 エゴの完全なる消滅を表しているのですね。 たいてい11人の弟子が旋回し、一人の黒いローブをまとったシャイフ、とその下のシャイフの2人が、旋回している弟子達の周りをゆっくり歩きます。 これも11個の太陽系の惑星を象徴し、 黒服の2人が、それを微妙にコントロールをする様を象徴しているとか。 そして、突然シャイフが、まっすぐにゆっくりと進行しながら、旋回を始めます。 黒服の胸ジャケットの辺りを手でつかみ、開け放した姿勢で、廻り始めます。 この象徴は、”マスターのハートはいつでもあなた達のために開かれている”、というメッセージだそうです。 その説明を聞いたとき、なんか、ほんとにジ~ンとしましたね。あぁ、そうなんだ、マスターのハートはいつでもそこで私達の為に開かれていたのね。と改めて思うのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Mar 1, 2005 12:14:02 AM
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