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るってんしゃん

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2007.03.10
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カテゴリ:映画
一夜十分、監督十組の映画「ユメ十夜」の感想第二弾!詳しく、しかしネタバレ度は微妙に低く(単に観ないと意味が分からない記述が多い)、だけど歯に衣着せぬ感想です。どうぞ。

★しばらく時間が経った後の感想★

第一夜
原作で一番好きな夜だったからなぁ。実相寺監督の遺作になっちゃったから誰もあまり悪く言えないだろうけど、あれは原作ファンの期待を裏切ったよ。確かにその映像美にはうっとりしてたんだけどね、脚立とかも監督の個性として受け入れられたけどね、ペルソナあたりから急降下かなぁ。キョンキョンは「艶」じゃなくて怖いだけになってるし。よく考えれば、あのセクハラとかもいらんやろ。「旦那さん男だもん」とかいらんやろ。俗っぽいものを全て排除してこそ究極の美、それが第一夜でしょ。あれ?監督じゃなくて脚本家の責任のような気がしてきたぞ・・・久世光彦かぁ、遺作になっちゃったから誰もあまり悪くいえないだろうけど。監督も脚本家も逝ってしまった第一夜、呪われてるかも・・・!?
 
第二夜
なんでモノクロ音声無しにしたんだろう?最初は「ほほう、こんな手法できたか」と微笑ましく思ったけど、だんだん「映像(口パク)→台詞字幕」という画面切り替えの繰り返しがテンポ悪く思えて・・・原作の知識と読唇術により、結局「何を言ったか予想→答え合わせ」の繰り返しになってしまったし。後半もいらなかったね。そこは原作どおりにして欲しかった。「それでいいのだ」ってお前、バカボンか!いや、バカボンのパパか!市川崑監督、それで本当によろしかったのですか?撮影2日って手を抜いてらっしゃいませんか?犬神家のリメイクに力入れすぎたんじゃあ御座いませんか?でも、役者は良かったね。うじきつよしさんの焦燥感漂う演技も、中村梅之助さんの不気味さも。

第三夜
一番本格的だったかも。たとえこの先、何度『夢十夜』がリメイクで映画化されても、これは“第三夜の最高傑作”と言われ続けるだろう思う。第三夜は原作自体にすごい力があるけど、それに品良く映画としての魅せる脚色をしてたよね。あ、清水崇監督って『呪怨』撮った人か。どうりで子供が怖いわけだ・・・あの地蔵も怖かったな~。でも、女の子が山でどう遊んだら地蔵の首が取れるんだ!?あ、堀部圭亮の漱石がすごく良かった!堀部さん、私の中ではバラエティの(ドーバー海峡横断したり「人気者でいこう!」で覆面を付けてる)イメージが強かったんだけど、地に足の着いた演技・存在感で素晴らしかったよ。香椎由宇(19)も、30代の役らしく貫禄のある美しさを放っていて良かったなぁ。

第四夜
そのまま「世にも奇妙な物語」に使えるんじゃないか?と思う完成度。映画館よりも案外テレビ映えするんじゃないかと思う。たぶん、一番万人に受け入れられる夜だろう。ザ・ノスタルジーで、ミステリアスながら心地良い雰囲気。山本耕史の漱石はちょっとヘタレ気味(笑)だが、「だって、蛇になるとこ見たいんだもん」という女の子の台詞が切なくて良い。ただ、子役の漱石に女の子が「漱石~!」と呼んでいるのを聞くと「漱石ってペンネームだから子供時代に漱石って呼ばれるのは変だよな・・・」と思ってしまった。まあ、だからと言って回想シーンだけ「金之助~!」と呼ぶのも変だけど。バスに突如現れたおばちゃん達、駅員の鳴り続ける鋏の音も良かったが、そんな演出もやはり世に奇モっぽい。

第五夜
なんていうか、余計なものがいっぱいあったね。そのせいで深いテーマがチープになってしまった。夫婦の実状とか、人間の深層心理とか、織り交ぜたかったんだろうなぁ。心意気は良かったんだけどなぁ。でも、あの天探女は・・・アニメの世界でやってくれ。天探女のフォルムとか血がプシャーッ!とか、怖いというよりただ気持ち悪いだけやん。私はなぜか「恐怖のキョーちゃん」を思い出してしまったよ。市川実日子と大倉孝二は確かになかなか良い演技はしてたけど・・・あれは脚本した豊島圭輔監督が良くないね。夢十夜にチープはやっぱり似付かわしくない。原作通り、天探女が鶏の真似をするところで終わっておけば、まだ良い意味の余韻を残すことができたと思うんだけどねぇ。

第六夜
観る前から松尾スズキ監督・阿部サダヲ出演ってだけで贔屓してた(笑)んだけど、やっぱり面白かった!まず言葉が全部2ちゃん語。しかも電車男時代のちょっと古いやつ。英語字幕があるのがまた可笑しくて「あぼ~ん」って「ecstasy」なんだ!?なんて発見も。奇をてらうという目的はもちろんあっただろうけど、たぶん記号的にそういう言語を使ったんじゃないかなぁ。特殊だが普遍的、斬新なのにしょぼい?みたいな。表面上は笑いに徹しているのに、実は「自分の身の丈にあったことをするのが良い」というメッセージがちゃんと込められているところがさすが。オチも最高!ただ、TOZAWAさんのアニメーションダンス、長くない?もっとサダヲさんが彫るところ観たかったんですけどぉ~。

第七夜
アニメ・・・まあ、映像的には第一夜に次ぐ美しさだったかな。その点では評価できるね。他の夜が全て実写の中でよくチャレンジしてくれた、とは思う。確かに実写でやることになったらスタントとかCGとか使わないといけないだろうから、アニメーションにした方が手っ取り早かったのかもね。でも・・・なんで全編英語なの?確かに漱石は英語が堪能だけどさ、さすがに英語で喋る夢は見たこと・・・あるか?可能性は否定できないか?うーむ。でも、やっぱり終盤は余計だったよね、って私、同じようなこと何度も言ってるなぁ・・・原作で二番目に好きな作品だったからさ、やっぱりそこは無限の後悔と恐怖と孤独に包まれるダークなラストじゃなきゃ駄目だよなぁ、と思ったわけですよ。

第八夜
わけわからん!んが、しかし!後に引く!たぶん世間で一番物議を醸し出している夜だろう。観た直後は「?」が頭に浮かんだまま第九夜に突入してしまったが、映画を観終わって2時間後ぐらいから第八夜のことばかりを考えるようになってしまった。冒頭の子供たち「え~チクワで!?」って、ツッコむところそこじゃないだろ!あの巨大生物は何なんだよ!母さん「カワイイのは最初だけ」って、どう見ても最初からカワイクないから!藤岡弘、二段ベッドて!上段て!チャウチャウの残像て!肉まんの肉全部落ちてるて!目見開いて「ごちそうさま」て!ほかほかのご飯て!グーチョキパーて!運慶、もう第六夜でやったからぁ~!・・・と後々キます。注意が必要です。一番“夢”らしかったのかもね。

第九夜
正攻法で来たか!?と思った。けれど、ちょっとピンと来ない。2回目の扉の向こうは、違うなぁ・・・漱石から離れすぎたなぁ・・・女の監督だということが悪い方向へ行ってしまった気がする。1回目のニッ!は好きなんだけど。ピエール瀧は、私の中ではココミラのミラクルさんなんだけど、役者の顔は立派だね。子役もなかなか良かったよ。でもラストの解釈でいくと、あれは意味の無いお百度参りだったってこと?原作の切なく悲しいお話がホラーに!?うーん、映画なりの脚色ってことかぁ。アイディアとしては悪くないよね・・・だけど、そうなるとこれも世に奇モっぽいことになるか?まあ何はともあれ、緒川たまきのお百度参り姿は極上に綺麗だね。これだけは誰も否定できまい。

第十夜
松山ケンイチが・・・色っぽい!原作では至極善良な好男子の庄太郎が腹黒の色男に!これからは庄太郎様と呼ばせて頂きます!(笑)美醜を正でカウントする庄太郎様(もう呼んでる)、即席墓の上にブタ型蚊取り線香を置く庄太郎様、豚丼食べ過ぎて腹出しの庄太郎様、「もうしませ~ん!」とアクロバティックな土下座する庄太郎様、「ないないない、そんなシチュエーション・・・あった!」と笑顔で吹っ飛んでいく庄太郎様、「サンキューげんな~い!」と浮かんでいる庄太郎様、そしてパナマ帽を狙っている健さん(板尾創路)(笑)最高でした!てか、安田大サーカスのHIRO多すぎ(笑)原作にはない平賀源内(石坂浩二)も良いね。まさかステッキにあんな仕掛けがあるとは漱石も驚きでしょう。

<総合>  
良かったと思う夜の順番:六・十・三・八・四・九・二・一・七・五

デス・ノートのLには目もくれなかった私ですが、今や庄太郎様の虜です(笑)だけど、作品的には第六夜の方が上だね。やっぱり、メッセージ性がね。大人計画だしね(それは関係ないか)。で、最下位はチープな第五夜だと。でもね、これは私のつけた順位であって、みんなはまた全然違ってくると思う。監督も出演者も全く違う十分の作品を十本連続で観るわけだからね。でも「ユメ十夜」は、観た人全員に必ずお気に入りの一夜が見つかる映画だと思う。だから、たとえ途中でつまらないと思う一夜に出会っても、十分間我慢して残りの夢を観てあげてねv

あと、原作を読んでから映画を観るか、映画を観てから原作を読むかはあなたの自由。どっちでも楽しめると思う。でも、順番はどうでもいいけど、原作は必ず一度読んでみてね。知る人ぞ知る「夢十夜」、漱石のバイブルとも言える「夢十夜」、何夜が好き?と同志で盛り上がれる「夢十夜」は必読の書です☆そして映画「ユメ十夜」に興味を持たれた方は、昨日の日記のリンクタグからどうぞいってらっしゃい♪
では、今宵も良い夢を。






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Last updated  2007.03.10 19:42:31
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