12月になりました。師走です。12月は極月で、1年の締めくくりの月になる。
銀杏の黄葉の時期も過ぎつつあり、今年も酉の市も過て、間もなく二十四節気のひとつの
大雪 (たいせつ)になり、季節は冬の姿になり、そして、
冬至、大晦日に向かって時が流れて行く。
■歳の市
・年の暮、恒例の
歳の市では、しめ飾り、縁起物など正月用の飾物や、桶・籠などの雑貨類を売り、地域の特色ある市が多く開かれた。
・江戸では
浅草寺、
神田明神、
深川八幡などが有名であった。
◆「広重」:『
六十余州名所絵図 浅草市』/大判/錦絵/揃物
・六十余州名所絵図は、広重が諸国の名所を描いた絵図で、全69図のシリーズもの
・この揃物では江戸のみ、冬景色の『隅田川 雪の朝』と、歳の市の『江戸 浅草市』の2枚を描いている。
・この絵は、大勢の人々で賑わう浅草寺の
境内の歳の市の様子が描かれ、露天の出店で桶や籠、しめ飾りなどの店が並んでいる。
・浅草寺の歳の市は、今日でも、
羽子板市として行われている。
◆「広重」:『
東都名所 浅草金龍山年ノ市』/大判/錦絵/揃物
・雪の降る中を参詣する人々を描写した作品
・人々の傘と、出店の屋根が白一色で染まっている
◆「三代歌川広重」:『
東京名勝図会 金龍山歳の市』/大判/錦絵/揃物
・初代広重の『六十余州名所絵図 浅草市』を元に描いた作品
◆「歌麿」:『歳の市』/大判/錦絵/5枚続き
・歌麿の美人画で、年末の歳の市の風景が描かれている。
■「国芳」:『
浅草市のにぎあい』/大判/錦絵/3枚続き
*「広重」:『六十余州名所絵図 浅草市』 (部分)
・浅草寺、歳の市の雑踏風景を描いた作品