今日は一月一日、元日。
年があけました。新年おめでとうございます。
お正月をテーマにした浮世絵は、沢山たくさんある。思いつくまま、題材をピックアップすると、きりがないほど沢山、取り上げられている。
お正月の街や戸外の風景としては、いろいろあるが、まずは「
門松」と言える。
◆『江戸図屏風』(筆者不詳)/六曲一双
明暦の大火以前の江戸の町を描いたものとしては、
歴博が収蔵する有名な『
江戸図屏風』がある。この屏風の「
左隻」には、
芝・日比谷の通り町の街並みに、お正月の歳時ものとして、松と竹の飾りの「門松」が描かれている。
また、その通りで
羽根突きをしている女の子や、
三河万歳の様子が描かれている。
なお、
江戸博には、複製ながら6階(常設展示室)の日本橋を渡った先に『江戸図屏風』が展示されている。
・羽根突きで飛んでいる羽根も描いてある
◆「
宮川長春」の『
万才図』では、注連飾り(しめかざり)を飾った門松の前で、万歳師(太夫(たゆう)と才蔵(さいぞう))の二人と、それを見ている親子連れらを描いてる。
◆「
磯田湖龍斎」の『
羽根突き図』では、注連縄を飾った門松の前で、孔雀の羽根模様の振袖を着た未婚の女性と、小袖の女性が羽根つきを楽しんでおり、赤い色の着物を着た子供が羽根を指差して、はしゃいでいる場面が描かれている。
◆「
鳥居清長」の絵本『
彩色美津朝』(さいしきみつのあさ)には、本屋の店頭風景に門松や凧揚げの様子が描いてある。
◆「清長」の『
駿河町越後屋正月風景図』(
東洋文庫)では、駿河町の越後屋の店頭に置かれた大きな門松と通りを行く人々、そして富士山を描いている。
◆「清長」が描いた
五節句(節供)の揃物『
子宝五節遊 正月』でも、門松、羽子板と手鞠の子供たち、そして遠景に凧が揚がっている様子を描いている。
◆「
初代豊国」が描く『
相生色万歳』(あいおいいろまんざい)は、大きな門松の前で、太夫と才蔵の2人が万歳を演じている。なお、この絵は、太夫を女性に、才蔵を若衆に「見立」ている。
◆「広重」が晩年に描いた有名な揃物の『名所江戸百景』では、『
名所江戸百景・霞かせき』で、霞が関から東京湾を望み、両側の上屋敷(黒田家と浅野家)の門松と、空に揚がる凧を描いている。なお、凧に「魚」(版元魚栄)の文字を描き入れている。
また、『
名所江戸百景・山下町日比谷外さくら田』では、門松、羽子板と空中の羽根、そして空に揚げる凧の正月風景を描いている。