843285 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

プロフィール

nomination1103

nomination1103

カテゴリ

2004年09月02日
XML
『JJ』(光文社、発行部数60.9万部)、『ViVi』(講談社、発行部数47万部)、『CanCam』(小学館、発行部数42万部)、『Ray』(主婦の友社、発行部数30万部)の4誌、いわゆる赤文字系と呼ばれるヤング向け女性誌の分野に先月23日、集英社が』『PINKY』(発行部数30万部)を創刊し参入した。同誌と「SLY」のダブルネームのウォレットバッグを付録に付け、厚みがライバル誌の2倍以上だったため、書店やコンビニで一際高く積み上げられているのを目にした方も多いと思う。

早速購入し一読した。

まずは、さすが集英社。創刊号にも関わらず、広告をそれなりにきっちりと集めているところが立派である。

読者の関心を引き付けるべく、巻頭特集には、「クリスチャン・ディオール」「ルイ・ヴィトン」の人気外資系ブランドを揃え、「ディオール」の時計100名、同誌と「マウジー」のコラボレーションデニム100名と太っ腹なプレゼント企画も用意している。

赤文字系雑誌は、大きくいって、「ファッション」「美容(コスメ、ヘア、ネイル、ダイエット)」「ライフスタイル(恋愛、SEX、就職、結婚等)」の3つのページで構成されていると思うが、中でも前2者のウエイトが非常に高く、小さい写真の枚数が多く解説が極めて細かいのが特徴である。海外のマスコミからも注目されているらしいが、こういった日本独特のカタログ的雑誌編集のテクニックに、どこまで新規参入した集英社が迫っているかに非常に興味があった。

主観的感想だが、ブランド揃え、コーディネート、写真技術については、さすがにファッション分野を得手とする集英社らしく、かなりの完成度ではないかと思った。ただ、まだまだくどさ、細かさが足りない(特に、背景の処理、例えばハートの中に商品を置いて何型も連続展開するとか、印刷レイアウトそのものが「カワイイ~」と言わせるようなものになっていない)。

商品そのものの情報は足りないのに、逆に、どういう読者ターゲットに向けているのか、という説明の方が多かったりするのだが、ちょっと理屈っぽいのではないか。感覚に訴える言葉がもっと欲しい。

美容記事の内容については、私の専門分野ではないが、海外セレブネタ一辺倒で、もう少し違う切り口が欲しい気がする。それと、ネイルの記事が少なすぎる。

実は、赤文字系雑誌のターゲットが誰なのかを知るのに最もわかりやすいのは、第3の、ライフスタイルに関する記事である。ここを見ると、各誌の狙いどころがかなり違っているのがわかる。一流企業への就職や幸せな結婚をしている先輩読者のルポを連載しているいわゆるお嬢様狙いの『JJ』、今月号では結婚とマネーの特集を組んでいるが、常に最も大衆的な『CanCam』、SEX特集に強い『Ray』、そして、セレブ&モデルブームの火付け役となり、現在赤文字系雑誌の中で一番勢いに乗っている『ViVi』は、浜崎あゆみやモデルの岩堀せり、佐田真由美の肉声と等身大の生き様を紹介し、読者の憧れと共感を呼んでいる。

これに対し、後々発の『PINKY』が取った戦略はというと、読者参加のページが次号からなのでまだその全貌は伺えないが、複数のモデルをフィーチャーして「PINKY MODELS」と命名し、そのライフスタイルを大々的に紹介するなど、ズバリ『ViVi』の読者層とかぶるのではないかと思う誌面づくりだった。

「恋の勝ち組」というキャッチコピーにしても、ファッションやコスメの特集でセレブネタばかりが取り上げられていることにしても、非常に『ViVi』を意識した内容ではなかろうか。

ただ、現時点での『PINKY』と『ViVi』を比較して決定的に違うと思うのは、『ViVi』は日本人セレブの浜崎あゆみを大ブレイクする前から起用していたが、PINKYにはまだ日本人のファッションアイコンが存在しないということ、ViViに登場する渋谷109系ブランドの比率の高さや、白黒のページに溢れる猥雑なエネルギー(いかがわしいネタ、可愛いだけではないイマドキの女の子の本音が溢れている!)、更には、せりやまゆみなど、ViViのモデルは、何の努力もなくすんなりとモデルのポジションを手に入れられる幸運、オシャレな生活、といったこととは対極の、泥臭い努力や、ある種の土着的な匂いを感じさせるモノ、コト、そして自分への関心をリアルに語っているが、『PINKY』はまだここまでのリアリズムには踏み込んでいないという点である。

美しいグラビアやコーディネートが想定する理想の女性像はどうしても形而上的なものになりやすい。女の子の人生のリアリズムとファッションを二律背反と考えるのか、過剰なまでの情報と感情の表現によって両者を統合させるのかが、モード誌と赤文字系雑誌の違いだと思うのだが、さて、集英社はどこまでこの壁を乗り越え、また、何を武器に既存4誌と差別化を図っていくのだろうか?





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2004年09月03日 00時00分34秒


キーワードサーチ

▼キーワード検索

お気に入りブログ

久米信行「縁尋奇妙… 当たらずと雖も遠からずさん
Club SDC日記 おざき しろうさん
ほりほり日記 ほりほり@堀田周郎さん

コメント新着

 両国さくら@ Re:閉鎖されるのですね(05/31) szenさん、 >お疲れ様でした。そして…
 両国さくら@ Re:お疲れ様でした。(05/31) nakaiさん、ご無沙汰しております。 >…
 両国さくら@ Re:お疲れ様でした(05/31) ☆grico☆さん、書き込み有難うございました…
 szen@ 閉鎖されるのですね お疲れ様でした。そして新しい場所でも頑…
 nakai@ お疲れ様でした。 この楽天のフォーマット、結構気に入って…

© Rakuten Group, Inc.