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2006年02月26日
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カテゴリ:ショップリサーチ
午後4時前、食料品の買い出しがてらイトーヨーカ堂大森店へ。

実はこのお店は、私の自宅からおよそ5キロくらいの、まあまあ近所にある。私が昔住んでいた岡山の片田舎だと、毎週この大型店に通いづめないと生活は成り立たない、という感じかもしれない。

しかし、東京23区内ならば、食料品一つとっても、商店街さんあり、駅ビルの地下あり、マルエツさんや東急ストアさん、もっと小規模なSM(スーパーマーケット)など、買える場所は溢れている。

それだけ競合が厳しい中、数年前にオープンしたばかりの大森のIYさんは、売場面積の大きさと食料品の品揃えの奥行きの深さで支持を受け、どうやらIYさんの都内のドル箱店舗の一つに仲間入りしているようである。

知人の話だと、ジモティの間でも、「大森のヨーカ堂は、(食料品は)高いけど品揃えはいいね」という評判らしい。ごくたまに私も夕刻に買い物に行ったりしているが、食料品売り場にはいつ行ってもお客様はかなり入っている。

しかし、正直に告白すると、私は3階建てのこのお店の1階以外に、足を踏み入れたことはなかった(^^;; 今日はヨーカ堂さんの新PB(プライベート・ブランド)「pbi(ペーベーイー)」を見るのが目的だから、初めて2階に上がらなければならない。ちょっと緊張気味に、まずは店内全体を、客層を観察しながらブラブラと回遊し始める。

単なるお客目線ではない目で改めてお店を見て、まず気付いたのは、革靴売り場に、人っ子1人いないこと!20分くらいずっと観察していたのだが、壁面のスニーカー売り場にはそれなりにお客様が出入りしているのに、誰も寄り付こうともしていない。

これには正直、びっくりしましたね。確かに私自身、量販店さんの靴売り場では絶対に靴は買わない人なのだが・・・。

改めて店内のお客様の履いているものを観察してみると、30~40代は、9割がスニーカー。50代以上はコンフォートシューズだ。今日は雨の日だから、余計にそうなのかもしれないが・・・。

先のとんがったパンプスは、果たしてこの方々のライフスタイルにとって必要なものなのか?また、50代以上になると、人間足が悪くなってくるので、コンフィート系の靴に対しても、値段も重要だが、「機能性が良い」「履きやすい」ということの方がより重要になってきたりする。

今の売り場の品揃えは、果たしてお客様のニーズに的確に応えているものなのか、のっけからショッキングな現実を見てしまったようで、非常に考えさせられましたよ。

気を取り直し2階へ向かう。どうやらこのお店には、子供服の「pbi」は置かれておらず、レディスとメンズのみのようだ。

商品のあらましは、アイワイさん系列の芝パーク出版さんから出ている雑誌『SAITA(サイタ)』の綴じ込みにも出ているし、イトーヨーカ堂さんのHPで通販もやっておられるからこちらをご覧頂けばおわかり頂ける通り、トラッドベース、レディスに関してはフレンチトラッドの可愛らしさと上品さを加味したデザインとなっている。

ちょうど、「トゥモローランド」がブームになる以前の、「ニューヨーカー」とか「J-Press」などの旧世代型トラッドブランドが一世を風靡した時代に青春を過ごした40代後半から50代前半には、ちょっと懐かしさを感じさせるMDかもしれない。小花柄のブラウスを50代中頃と思しき女性が握り締めてじっと見つめていたが、綺麗な色目、可愛らしい服が好きな人にとっては年齢を問わずツボをくすぐる要素が大いに入っていると思った。

だが、後述するように、この商品をこの世代の方々が買おうとする場合、サイズの問題がネックになってくる。現状のサイズ展開から見ると、このブランドは、30代から40代前半の女性で、休日になると自由が丘辺りをカップルでお散歩しているような、雑貨好き、清潔感のあるファッション好きの女性がメイン・ターゲットになっているように思う。

商品のサイズ展開だが、ボトムスはウエスト61から3センチピッチで73センチまである。これに対し、トップスはバストサイズでMが79~87センチ、Lが86~94センチ、LLが93~101センチ。但し、LLサイズの身長は154~162センチが対象で、見るからに縦方向のグレーディングが少ない、横幅中心に拡大しているような格好になっている。

私のように身長が169センチだと、「ちょっと丈が足りない」というような感じがするし、トップスのアームホールも肩幅も小さめだ。50代と思しき女性2人連れが、商品を手に取って、「いいけど小さいわ~」と溜め息をついておられたが、特にトップスはサイズがネックになって買えない、というケースが相当出てくるように思う。

最近の20代の子はバストが小さめな人が多いが、40代、50代には、腹回りだけでなく、胸や腕も太くなっている人は多いですからね。

また、ボトムスだが、試しにウエスト70センチのクロップドパンツ(1,990円)とカーゴパンツ(3,990円)を試着してみたところ、パンツのウエストが前者は私の場合おへその下約5センチ、後者は10センチも下の位置に来る程で、両方共かなりのローライズなデザインであった。普通の下着だと、完全に見えてしまう。このデザインは、恐らく、年代によっては受け入れられない層はかなり多いでしょうね。それから、カーゴは私の身長だと、もしヒールの高い靴を履くなら丈は短いかも、これがギリギリの許容範囲か、という感じであった。

このブランドの強みは、カラーコントロールが美しくなされていることである。ボトムスは白、紺、カーキ、ベージュなどベーシックカラーのみで展開されているが、10色展開の綿100%のクルーネック、Vネック、丸首のTシャツ(半袖、長袖)とキャミソールなど、価格の割には素材も上質でデザインもベーシックであわせやすく非常にお得感がある。

私も早速丸首TシャツのLLサイズを1枚購入したのだが、何といっても消費税込み1,000円ですからね。ユニクロさんよりはちょっと薄手で細身なシルエットなのがお洒落だ。

しかし、どうせならば、こういう定番的なアイテムに限っては、色数は今の倍くらいに思い切って増やしても良かったのではないか(当然、バック在庫の量は黒や白を多く、色物は少なく、という風にすれば良いのだから)。それと、サイズも、もっと小柄な人、大柄な人にも合うよう、タテヨコ方向にグレーディングして3×3の9サイズ展開くらいにするとか。

今日、30分以上「pbi」の売り場周りをうろうろして気付いたのだが、現状ではヨーカ堂さんが狙っておられるようなこじゃれた30代の客層は売り場には来ていないということ。同じフロアの「コムサ・イズム」にはまだそういうお客様もいるのだけれど。「何かないかなぁ」という風情で売り場を見ているのは、40代半ば以上のミセスと、もう少し若い客層では、ちょっと太めな人(何着か73センチのパンツを持ってフィッティングルームに入っておられたが)・・・。

要するに、「ファッション難民」というと言葉は悪いかもしれないが、ファッション業界が見捨てているような客層なのだ。そして、そういう客層にとっては、現状のMDではまずサイズがネックになって、購入は事実上不可能になってしまう。

30分間の間に、売れていたのは2人のお客様に1点ずつ。カーゴパンツと、グレーのジャージのブルゾンである。両方とも可愛らしさよりスポーティーなデザインで、万人に受けそうなアイテムだった。

どうやらまだまだ、立ち上がったばかりで認知度が足りず、なかなか本来の客層を呼び込めていない、という状況ではないかと見たのだが・・・。

しかし、他の量販店さんと違い、イトーヨーカ堂さんならこのMDでも勝機はあるのではないか、と私は思っている。それは、セブン&アイホールディングスさんは、店舗のドミナント化をこれまでも意識して進めてきたからだ。

セブン&アイさんのHP上にアップされている2005年のカンパニープロファイルによると、イトーヨーカ堂の店舗数は全国で180店舗。しかし、空白県が同社の場合、かなり多い。

店舗は東日本、特に首都圏に集中しており、東京都33店、神奈川県29店、埼玉県23店、千葉21店である。この4都県だけで、全体の約6割の店舗数になるのだ。

だから、首都圏近郊、都市型のライフスタイルを若い頃には体験していたか、もしくは横目で見ながら憧れ感を持っているような客層をターゲットとすることは十二分に可能だと私は思う。

但し、難しいだろうな、と思うのは、アリオタイプの郊外の大型店は別として、食料品を買うために頻繁にIYさんに通っておられるのは、やはり5キロ商圏以内の人だと思うので・・・。

いくらお洒落であっても、例えば、「幼稚園の送り迎えの時、お隣さんが全く同じものを着ていた」りしたらイヤだなぁ、ということがある筈なんですよね、衣料品の場合。

今の「pbi」さんは、どちらかというと、かつての岐阜アパレルさんの売り場なんかより型数を絞り込んだ、「少品種大量型」のMDに近づいているように思うのだが、地味系田舎系トラッドとでも言うべきユニクロさんの服に比べると、デザインにひとクセあるだけ憶えられやすいのがタマにキズだ。

その辺が、「コムサ・イズム」にしても、「ローリーズ・ファーム」にしてもうまいんですよね。コムサの白・黒のカットソーのデザインバリエーションはものすごくて、色と素材は絞り込んでいるけれど、デザインの部分では選ぶ楽しみをきちんと残している。

それから、今の30代で、特に既に結婚している層は、綺麗目なプレッピースタイルよりも、重ね着が好きな人の方が多数派だろう。だから、大型のSCさんで、テナントゾーンにワールドさんの「ハッシュアッシュ」とか、「ライト・オン」さん辺りが入っていると、そちらにどうしてもお客様は流れてしまうと思うのだ。

しかし、これまでの量販店さんのMDが、一体どういうターゲットに向けてどういう商品を売ろうとしているのか、それすらはっきりと見えない状態だったのに比べると、まずはMDの鋭角化、客層の絞り込みがきちっと出来ているだけ評価できるように思う。「多くの部分はもうテナントさんに任せた、うちはこの部分だけをしっかりとる」という方針は明確にしたのであろうから。

問題は、絞り込んで狙っている「都市型のライフスタイルに憧れ感を持っている30代~40代前半」の客層に、まずは2階の売り場に上がってもらい、商品を手にとってもらうことだろう。そういう販促活動を、当分の間、ありとあらゆる場面で(特に、店頭、1階店内でのプロモーションも非常に重要だと思うが)地道に展開すること。

それと、店内の社員さん、パートさん達の率直な意見を聞いてみること。いつも思うのだが、IYさんの社員さん、パートさんは非常に優秀ですよ。そしてファッション業界ズレしておらず、堅実な生活者である。

もし、この方々から見て、今の「pbi」のMDは、「おしゃれすぎる。色も白が多すぎて汚れやすそうだし、目立ちすぎるから駄目だ」という反応が多いのなら、今のような一昔前の百貨店ブランドの匂いのするMDをもっとベタな方向に振る必要が出てくるだろうし。

しかし、CDまで発売されたり、「pbi」専用のキャリーバッグまで作られるなど、藤巻幸夫さんのチームらしいこだわりは、少なからず消費者の心を動かしているに違いないと私は思う。ブランドは始まったばかり。今後の推移を見守りたいと思います。

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最終更新日  2006年02月26日 23時09分53秒
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