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2006年05月17日 楽天プロフィール Add to Google XML

 (株)ワールド、ジャージ素材メーカー・寺尾(株)を子会社に
[ ニュース解説ー川中(アパレル・卸) ]    

今夜は最初は、今日付けの繊研新聞さんの1面に出ていた大正紡績さんが有機栽培綿の輸入量を倍増したニュースについて書こうと思っていたのだが・・・。

ネット上で、間違いなく明日付けの繊維ファッション関連の新聞ダネになるニュース・リリースを発見してしまったので、そちらをいち早くご紹介していこう。

それがコレ。大手アパレルメーカー、(株)ワールドが、大阪のジャージ素材メーカー、寺尾(株)を子会社にする、というニュースだ。

上場廃止の際に(株)ワールドの寺井社長が語っておられた、より良い商品作りのための生産系強化、崩壊が進む国内生産の基盤を自社内に確保しておこうという戦略の一環だろう。ニュースリリースに掲載されている寺尾(株)の売上高はわずか1、2億円。財務体質が非常に強い(株)ワールドにとってはさしたる負担ではない。

以前ある知人と、苦境に立つ日本の国内工場さんを商社さんがヒトとお金を出して何とかできないものか、ということを雑談めいて話したことがある。その知人の回答は、「生産性が低く、しかも地方都市(はっきり言うと田舎)にある工場の経営は非常に難しいもので、都会で生活してきた商社出身の人間には現場に入って泥を被る仕事になる建て直しの作業は難しいのではないか」というものだった。

確かに、給与水準も高く、こう言っては非常に申し訳ないがエリート意識の強い商社マンに泥臭い仕事は難しいかも、という指摘には一理あるような気もする。そんなこと言うと、そうではないんだ、儲かりそうにないことに商社は手は出さないだけなんだ、そういう泥臭い仕事は、日本ではなく海外で必死になってやってます、という反論が反ってくるのだろうけどね。

では、アパレルはどうか。

実は、アパレルの仕事は、見かけは華やかそうに見えるが、泥臭い、という部分では工場さんにかなり近いものがあるのではないか、というのが、さくらが日々業界の皆様と接している実感である。いわゆる関西弁でいうところの、「ガッコ頭が良い」=学校の勉強が出来れば勝てる業界ではないのだ。

それと、今でこそ一部の企業さんは海外に出始めたが、そもそもはどちらともドメスティック志向の業界である。アパレルさんも工場さんも、商社さんみたいに、「外へ外へ」という企業DNAはそもそもあまり持ち合わせてはいない。

「商」と「工」との違いはあれ、汗にまみれて懸命に働いてきた者同士、腹をくくって取り組めば、意外や意外、非常に相性が良いかも、という気がしてならないのである。

ただし、ですよ。先程、「学校の勉強は関係ない」、なんて皆様からお叱りを買うかもしれないような非常に乱暴なことを書いてしまったが、ヤマカン勝負、ドンブリ感情の大雑把な経営が在庫のヤマを作りやがて倒産、となるのは、アパレルも製造メーカーも同じことである。

アパレルビジネスのリスクを軽減するための仕組みを作り、仮説ー実践ー検証を繰り返しその精度を上げることが必要だ。

ワールドさんの場合、売れ残り、売り逃しを最小にすることを目的として、既に企画ー製造ー販売の一気通貫の仕組み(スパークス構想)を作り成功に導いている。

その過程で得たノウハウで、小売りで上がってくる利益で川上の赤字を全面的にカバーするというのではなく、工場自体の生産性も上げる自信もお持ちなのではないかと思う。

実際のところ、どこまで繊維の製造業の利益率を上げられるのか。企業秘密の根幹を成す部分だろうが、出来れば誰かに突っ込んで取材もしくは研究して頂きたいテーマである。

「ワールドの人気ブランドは売上高が大きいため、必然的に工場への発注量が多いことによる増収効果」&「同じ品番を繰り返し生産することによる増益効果」、「期近発注による仕掛在庫の減少による増益効果」と、「多品種小ロット、クイックレスポンスによる負担増(アパレルの場合、現在はもう多品種小ロットだからと言って単価はそんなには高くはならないので)」を按分すると、バランスはどの辺りで取れるようになってくるのか、非常に興味が沸くところだ。

それから、他産業の製造業と違って人時生産性の「人」の効率が上げにくい、という問題。これはまあ、寺尾さんの場合は縫製業ではないのでまだ良いとは思うが、それでも相当に知恵を絞って工夫する必要があるだろう。

翻ってみると、トヨタ自動車を筆頭に、日本の他産業の製造業は工場の生産性を漸次向上させ、付加価値の高さでコンペチターを突き放し高い国際競争力をキープしている。

昨年IFIビジネススクールさんのセミナーで、他産業出身の社長さんが毛織物の工場さんを立て直した事例が発表され(日興毛織さん)、大きな反響を呼んだが、同様なことが、それもアパレル本体ー川下の小売業との連動でよりダイナミックに展開されることを期待しております。

同社のスパークス構想に基づく工場買収、まだまだ続きそうですね。口にするのは悲しいが、「ウチを買ってくれませんか」って、申し出が殺到したりなんかして。

オマケ:今日のアパログのエントリはコチラ↓↓↓
「ドロップシッピングネタでFPNさんから賞を頂きました」

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最終更新日  2006年05月22日 00時22分04秒






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