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今から三年ほど前だから、バリ人の一般的な一ヶ月の収入が日本円で5,000円から8,000円が相場だった頃、なんとこのジゴロは一ヶ月に40万円は稼ぐというのだ・・・。 その金のむしり取り方は、次のようなものであった・・・。 『とにかく一晩でもベッドを共にしてしまえばこっちのものさ・・・』 とうそぶくが信じがたい・・・。 『そう簡単に行くの? ポイントはなに?』 『簡単だよ。徹底的に尽くす、徹底的に優しくする。これに限るね。日本の男にそんなのいないってみんな言うよ』 うぬ・・・・・・・・。 そういえば近頃は逆で、尽くされたい、優しくされたい・・・という男が多いような気がする。その渇望がコロリとさせてしまうのか・・・。 『夜の相手を欲しがっている女は判るんだ。それに、一晩でも相手をすれば間違いなく一万円くれるしね。滞在中は毎晩だから、それだけでも大きいよ』 といえども、年に2、3回しか来ないであろう。それで月に40万円の収入になるとは思えない。その疑問をぶつけると、 『肝心なのは、この男は心底私を愛していると信じ込ませることだよ。そうすれば、仮に一年に2回ぐらいしか来れなくても、頼めば送金してくれるし、来る時はお土産を沢山持ってきてくれるんだ』 平均一人の女性が一ヶ月に3万円から5万円送金してくれるという。 なるほど・・・。そんな女性が8人もいれば、確かに月収40万円になる。 送金をねだる理由を訊くと、日本語学校に行く、バイクで事故った、家族の誰かが病気で入院した、死んだ・・・というのが多いそうだ。これは、インドネシアの女性が外国の男に金をせびるときも多い口実。 そして、来る時にお土産に頼むものは、服やスニーカーはもちろんのこと、デジカメ、8ミリビデオ、携帯電話などなど。しかも、その大半を受け取ったらすぐに売り飛ばすので、これも現金収入として大きいという。 ジゴロ達は、日本女性に金をねだりながら、どこまで貢いでくれるかを見極めるという。本人の貯金が少なくなっても親から引っ張り出せると判断するや、次の作戦に出るというのだ。 それは・・・ 『こっちで一緒に商売やろうよ・・・とか、結婚して、こっちで一緒に住むために家を建てようよ・・・って持ちかけるのさ』 『それこそ難しいんじゃないの?』 『なんで? そういう女性は、いつかはバリで暮らせればいいなあ・・・って夢見ているんだもの、そこをくすぐるんだ』 『君は、そうしないの?』 『手持ちの女の数が減ってきたら厳選して、そうするよ』 そう言い切ったジゴロは今頃どうしているんだろう・・・。 とにかくそうしてこっちにジゴロと住んでしまった日本の女性は結構いる。 本人は、ジゴロにしてやられたと未だに気づかずにいるのもいれば、悲惨なことになってしまった女性もいる。そして、食べられずに、ジゴロと一緒になって、日本の観光客を騙したり、コミッションを取りまくって生活の足しにしているのもいる・・・。 今までバリを訪れる日本女性の実態を伝えたが、次回からはバリにやって来る男の実態に触れよう。そうしないと不公平になるから・・・。 またしても北欧女性がレイプされるという事件が起きた。 夜中に泥酔して、バイクタクシーに乗ってホテルに帰る際に、路地に連れ込まれてレイプされたというのだが、そのバイクタクシーというのは、確か黄色かなにかのチョッキを着ていて、バイクの後に乗せて目的地に連れて行くという仕事だが、これはバイクタクシーに限らず、道端でタクシーほ待っていると、かなりの数のバイクや車が『トランスポート?』と声を掛けてくる。小遣い稼ぎだ。 夜中に、そんなバイクタクシーに酔って乗る方が間違いだ。 多くの場合、なんらかの被害に遭う女性というのは、本人に問題がある場合が多い・・・。
『漁師』がLegianの14Roses Hotelの脇にあった頃のことである。 昼夜となくLegian通りの漁師の付近にはジゴロが文字通りゴロゴロしていた。そして、通りを日本女性の観光客が通りかかるや、手当たり次第に片言の日本語で声を掛ける。 『かのじょーッ、かわいいねーっ!』 『美人、どこ行くの?』 『踊りに行こうか?』 『ねぇねぇ、どこ泊まってんのー?』 などと、なんとも稚拙なアプローチだが、片言でも日本語であるのがほっとするのか、毅然と無視して通り過ぎるのに比べて、反射的に微笑みを返し、ついていってしまう日本の女性の多さを苦々しく見送ったものである。 というのも、たとえ後でなにが起ころうとも、自分の責任であり、個人の自由だからだ。それに、引っ掛かってしまったという自覚よりも、日本の女性たちの方が、それを待っていたのかも知れない。 どのみち、小言ジジイが目くじらを立てて説教する場面ではない。 と、当時は思っていた。が、余計なお節介でも、もしひと言注意しておけば、今回のような悲惨な事態を少しでも防げるかも知れない・・・。 そんな反省から、今回バリに住んでいる者として、実感として知っている事柄をあれこれ書くことにしたのだ・・・。 さて、そんなジゴロのうち、毎日夕方になると『漁師』の前で獲物を狙っている小柄で甘い顔をしたハンサムなジゴロがいて、このジゴロは暇を見つけては、小型の手帳のようなものをひろげ、難しい顔をしていた。 『見る?』 とジゴロが差し出した手帳は、月間のスケジュール帳で、線を引かれたスケジュールはびっしりで、その線の下には日本女性の名としか思えない名前がアルファベットで書き込まれていた。 『忙しそうだね・・・』 『まあね、今月は彼女が三人来るんで、かち合わないようにするが大変なんだよ』 ジゴロは顔をしかめたが、得意げが如実。 『彼女、三人いるんだ?』 『3人じゃないよ、8人だよ』 うむ・・・・・・。 『その女性達は、自分以外にも同じような女性がいるのを知っているの?』 『知っているわけないじゃない。恋人は自分だけだと思っているよ』 『うまいんだね・・・』 『仕事だもんね』 8人の日本女性を操り、いったい一ヶ月どのくらい稼ぐのか。興味があったので訊いてみて仰天した・・・。 今から三年ほど前だから、バリ人の一般的な一ヶ月の収入が日本円で5,000円から8,000円が相場なのに、なんとこのジゴロは一ヶ月に40万円は稼ぐというのだ・・・。 その金のむしり取り方は、次のようなものであった・・・。
いかにもそう思われても仕方がない日本女性ならまだしも、ごくごく普通の女性なら問題はないだろう・・・と思うであろうが、そんなことはない。 『漁師』はスミニヤック通りに面しているので、通りを多くの観光客が行き交うが、 『見て見て! すっごい美人の日本の女!』 と呟くことが多いが、見ると、本当に普通の日本の女性である。メイクも濃くないし、ファッションもバリの外国人の観光客より地味である。そして、特に綺麗だとは思わない・・・。 『そうかなあ・・・』 『そうだよ! 美人だよ!』 インドネシアの男がそう思うのは明快である。 ここ常夏の国では、色が白いのがなによりも美人なのだ。 色さえ白ければ、もう絶賛的美人。 だから色の白い日本女性はインドネシアの男にとって憧れの的。なんとしてでも近づきたい存在なのである。 だから同じ日本人の僕に、 『ねえねえ、仲を取り持ってよ』 と懇願するのは独身男ばかりか、妻帯者も同じこと。断わると恨めしそうに引き下がるが、問題は積極的に話しかける男だ。 『ねえ、どこ行くの?』『どこに泊まっているの?』 と近づく。もし泊まっているホテルの名でも言おうものなら、夜討ち朝駆けでホテルの前に押しかけ、出てくるまで辛抱強く待つ。運良く出逢おうものなら、親切丁寧にエスコートを買って出る。 これが手なのだ。 つまり、バリ島で、日本語で人懐こく話しかけてくる男が要注意人物なのだ。 日本語が片言できるということは、日頃からそうして日本の女性に近づいているなと用心しなければならないし、片言の英語をあやつる男は、外国の女を食い物にしている可能性が大きい。 日本語学校や英語の学校で学び、身につけた連中は、高給取りとして職を持ち、街で通りがかりの女性にみだりに声など掛けないのが普通だ。 そして、巧みに近づき夜を共にした普通の男でも、一晩一万円せしめたと仲間に自慢する。 つまり、日本女性のイメージは、美人、すぐついて来る、寝ればお金をくれる、金持ち・・・・と思われいることを承知して掛からないと危ない。 どうもバリ島でちやほやされて、もてていると錯覚した日本の女性のかなりの割合が、いとも簡単にインドネシアの男についていく傾向がある。 そんないい思いをした男の行き着く先は、ジゴロだ。 『漁師』がレギャン通りにあった頃、『漁師』の前には、いつも数人のジゴロがたむろしていて閉口したものであるが、その頃顔なじみになったジゴロから、驚くことを聞いた・・・。 次回は、ジゴロの実態である・・・。
『あの女はいくらぐらい・・・?』 と漁師でオーストラリアの男が訊いたふたり連れの日本女性は、その手の女性と思われても無理はない点がいくつかあった。 年の頃は二十代後半か三十代前半であろう。 ひとりは、一方の肩がだらしなく露出するようなルーズな黒のTシャツに白のフレアのミニスカート。もうひとりは、白のタンクトップに白のミニスカート。 まあ、服装は、さして問題はない。 問題はメイクだった。 こんな暑い所で、そこまでメイクすると皮膚呼吸もできず辛かろうと思えるほどの濃いメイクだった。顔はべったりとファンデーションにアイシャドウ、付けまつ毛で、これでもかというほど・・・。 日本ではお洒落で流行のメイクかもしれないが、ここバリ島では、こうしたメイクの女性は、そのたぐいの女と思われるのが普通だ。 ジャワの女性でも、白人の女性でも、こうしたメイクで客を探しに夜の街に繰り出すのは、多かれ少なかれ、こうしたメイクである。 しかもサンダルは、ヒールが10センチ以上はありそうで細い。 その手の女と思われるのを知ってか知らずか・・・・。 それでも一応こう答えた。 『悪いけれど、普通の女だと思うよ』 『そんな訳ないだろ!』 その後、オーストラリアの男は、ふたりの日本女性に、熱い視線を送り続けた。 その気がなければ、そんなもの無視すればいいだけのことだが、なんとしっかり視線を受け止めて微笑み返したものだから、男は早速女性たちのテーブルに移動。 11時を過ぎた頃、ふたりの日本女性は、ふたりのオーストラリアの男と揃って出て行き、二台のバイクの後に乗って、消えていった・・・。 飲みに行ったのか、踊りに行ったのか、それともホテルに直行したのかは知る由もないが、見知らぬ男のバイクの後に乗っていくだけでも、かなりの危険をはらんでいる。 後日、そのオーストラリアの男が漁師に現れ、首尾よくいったよ、しかも一万円もくれたよ・・・・とのこと。 これは見るからに、その手の女と思われても仕方がない例かもしれないが、ちょくちょく見かける光景である。 しかし、もっと危ないのが、一見まったく普通の日本女性の観光客なのだ。 外国人もローカルも、多くの男たちが、狙いを定めてものにしようとする日本の見た目普通の女性たちとは・・・・。
日本女性殺害犯が捕まった・・・。 日本の報道を席巻したバリ島は危険だという印象を、異例とも思えるバリ島警察のスピード解決でぬぐい去ろうと懸命だった観がある。 そして、それは見事に功を奏したように見える・・・。 が、実はそうではない・・・。 バリ島には、いつ、こうした事件が再発してもおかしくない現状がある。 というとバリ島はやはり危険なのかと思うかもしれないが、それも違う。 バリ島は、どこの国のどことも同じほど危険な罠が潜んでいる。でも、その危険さを忘れてしまうほど素晴らしいリゾートアイランドである。美しい海があり、美しい自然があり、美しい花があり、伝統音楽があり、伝統舞踊があり、実にさまざまな伝統芸術や伝統工芸があり、美味しい味があり、そして笑顔に溢れた人情があり、つぶらなおさなごの瞳がある。 こうしたものが訪れる者の心をなごませ、魅了する。 まさに他には例を見ない地上の楽園たるゆえんと言えよう。 いきおい訪れる者の心をナチュラルにし、開放し、時には羽目をはずす。 バリには、そうした魔力があるように思える。 従って、そうしたバリで犯罪に巻き込まれるのは、ちよっとした心の隙を付け込まれるとしか思えない。 日本の観光客の男女が、一般的にバリでどう思われているか。それをちゃんと認識して身を守って欲しいと願う。 特に、日本の女性がこのバリでどう見られているか・・・である。 それを、順番に挙げてみたいと思う。 先ずは、日本女性がどう見られているか・・・である。 この事件の少し前のことである。 『漁師』で仕事をしている最中に、外国人の観光客に呼ばれた。さて、どんなクレームだろうとテーブルに行くと、オーストラリアからの四人組のひとりが、耳元で呟いた。 『あそこの日本の女は幾らぐらいだか教えて欲しい・・・』 そのテーブルを見ると、ふたりの日本の女性がお喋りしながら食事をしていた。が、どう見ても、春を売る女性には見えない。が、そう思われても仕方がない節がいくつもあった・・・。 その第一は・・・・・。
バリ島で日本人女性が殺害された事件は、いまだに犯人逮捕に至っていない。
バリでは、年に幾度もこうした事件があり、その後スマトラでの二度の強い地震もあった。 だが、今バリでは日本のテレビ、新聞などの報道関係者があちこちで顰蹙を買っているのだ。あまりにも相手の状況、国の状況などを無視した強引な取材に非難が沸きあがっている。 忙しい最中にやって来て聞き込みをしようとする。せめて相手のアポを取ってからにするべきであろう。報道だからといって無茶が許される道理はない。 確かにインドネシアの新聞の報道でも記事の内容に相違があるばかりではなく、誤りもある。更に、警察も日本のように正式な発表などないから、事件の真相も捜査状況もあいまいで、どうなっているのか、何が真相なのか判らず、日本の報道陣が焦っているのは判る。 でも、ここはインドネシアのバリ島である。日本で通常行っている取材方法のままでは、埒も明かないであろう。でも、強引なというか日本でのやり方をそのままここでやって嫌がられているのでは、片言の英語もインドネシア語も出来ずに、バリにやって来て、どこででも日本語でとおし、通じないと苛立ち、怒りを爆発させる日本人の観光客と変らない・・・。 それは他社よりいち早く情報をキャッチしたり、スクープを日本に送りたいという競争意識は判らないでもないが、あまりにもの傍若無人ぶりに逆に多くの在住の日本人は辟易としているという事実を日本の報道陣のお偉方達は知っているのだろうか・・・。 事件以後、多くの情報が自然に入ってくる。 報道とまったく違う情報もあれば、うわさ話、目撃情報もある。 それが真実なのかどうかは判らないが、僕もそのことをブログに書くのを止める事にした。 それに、日本での報道は、いかにバリ島が危ないところかという報道が目立つという。なら、なお更協力する積もりはない。
バリ島で日本女性が殺された・・・。
詳細は判らぬが、ホテルにいるところに警官と称する男がやって来て、ヘルメットをかぶらずにバイクに乗っていたから警察に連行すると連れ出されたという。 連行された二人の日本女性のうち、ひとりは自力で逃げ帰ったが、残る一人が暴行された挙句殺されたのがレギャンの草むらで発見されたのだ。 このニュースはバリ島を駆け巡ったばかりではなく、NHKのニュースでも何度もとりあげられている。 昨晩、『漁師』に来ていた観光客の日本人女性が、 『バリって怖いのねぇ・・・』 と、咎めるように白い目を剥いた。 30代前半とお見受けする二人連れの女性は、更に続けた。 『バリって、もっと安全な所だと思っていたのに・・・、ねぇ、違うの?』 『どうなのよ!』 どうなのよ、問われれば言うしかない。 『普通に安全で、普通に危険ですよ』 『なにそれ! バリ島って最後の楽園じゃないの!』 最後の楽園とは、ずいぶん時代がかった表現であるが、世界的なリゾートアイランドであることは間違いない。となれば、観光客を狙うやからがいるのは至極当然のこと。 『確かにバリは凄くいい所ですよ。でも、テロだってあるし、かっぱらいはいるし、泥棒、強盗もいるし、詐欺師もいる。事故死も多い。日本だって、いつなんどきどんな被害にあうかわからないじゃないですか、同じですよ』 『そうなんだァ・・・』 『怖いのは人間だけじゃない。エイズは蔓延しているし、鳥インフルエンザ、狂犬病、デング熱もある』 『ひぇーッ、そうなんだァ・・・』 大袈裟に驚くのを見て、つい調子に乗り、 『まだまだありますよ、サソリもいれば、コブラもいるし、噛まれたら死ぬという毒蛇もいる。なんていったって三十年ほど前まではバリには虎もいたし、インドネシアには、サイ、象もいますよ』 『厭なところねぇ・・・』 『いや、とてもいい所ですよ』 と力説しても、このお二人は納得しないご様子でした。 今回の事件は、警官と名乗って現れ、連行したという。 その犯人が警官の制服を着ていたのか私服だったのかは知らないが、普通バリでは警官は制服を着ている。 制服を着ていないのは、麻薬捜査の警官とテロ捜査の警官だ。まあ、それ意外もいるかもしれないが。特に麻薬捜査の警官は薄汚れた私服で夜な夜な街を歩いたり、自転車にのったり、バイクに乗って廻っている。 ヘルメット着用していなくて捕まるのは現行犯に限る。罰金を払えば済む。以前僕も捕まり、2万ルピア出したら、10万ルピア払えと言うから、警官の名前を聞き、警察手帳を見せろと言ったら、当然拒む。そこで、まともな罰金なら払うから一緒に警察署に行こうと提案したら、2万ルピアをむしりとり、早々に立ち去った。 バリでは、スピード違反、酔払い運転の取り締まりはないが、バイクならヘルメット着用、車ならシートベルトを締めていないと違反になる。 その弱味につけ込まれた犯罪といえるかもしれない。 警官を名乗っての犯行だけにバリの警察の威信にかけても犯人を捕まえることだと思います。 でも皆さん、いくら開放的になっても、 癒されて心がゆるんでも、普通に気をつけてください。 こんな事件があっても、バリはいい所です! 被害にあわれた方のご冥福をお祈りします。
昨晩の夜七時過ぎのことである。
バチンという音と共に電気が消えた。 スミニャックの漁師だけでなく、あたり一帯が一瞬のうちに闇に包まれた。 とっさに空を見ると、星の輝きが際立ち、いつもは見えない満天の星が輝いていた。まるでニュッピの夜のように。 それで瞬時に察した。この停電は、かなり広範囲のものだ・・・・、これは電力不足による節電に違いない・・・と。 発電所のないバリ島では電力をジャワ島から送電して供給を受けているのだが、電力が足りなくコントロールのために停めたのだろうが、なにも夜の七時に停めなくてもいいではないか・・・なんの予告もなくブチッと電気が止められたら各家庭でも困るだろうし、レストランにとっては営業に支障をきたす。 そんな時のためにジェネレーターを備えているのだが、どうやらジェネレーターの調子が悪く、作動しない。 しかし、フロアーのスタッフも調理場の連中も寿司職人たちも慣れたもので、咄嗟に大量のロウソクを灯し、店内のテーブルの上に備え、厨房にも四人いる寿司職人の前にもロウソクを配置し、黙々と仕事を続けている。 客を見渡すが、客も慣れたもので細々としたロウソクの灯りで食事とお喋りを続けている。 いつものジャズもなく、ほろ酔い加減の客の喧騒もなく、どことなくひっそりしている・・・・。 行き交うバイクや車も真夜中のように途絶え、ひどく静かな時がゆっくりと流れる。時おり、消防車がサイレンと共に猛スピードでクタ方面に駆け抜ける。その数七台。この停電のなかで火事が発生したのであろう。 かなりの不便さはあるものの、おびただしいロウソクのも灯りの中でなんとか営業できているのを確認し、オープンスペースに置かれているテーブルにお茶を置き座っているうちに妙なことに気がついた。 不思議なことに、心が徐々に穏やかになっていくのだ・・・・。 これは何なんだろう・・・? まるで都会の喧騒を逃れ、山で焚き火をしながら共と静かなひと時を過ごすような心地良さに包まれる。 ひょっとしたら、そうしたひと時が人には必要なのかも知れない・・・。 11時過ぎに不意に電気が点いた。 でも、その時間から新たな客はほとんどなかった。 インフラの不備による問題もあるが、かと言って、いままでなかったバリに発電所が出来て、自然や環境が壊されるのも困る。 なにもかもが揃って便利なのより、この程度の方が逆にいいのかも知れない・・・・と感じた夜だった。
8月6日、広島の原爆の日の式典のニュースをNHKで観た。 観て愕然とした・・・。いや、それ以上に腹が立ってきた。 その腹立ちが一日経っても消えるどころか、より大きくなってきたので、その思いを場違いかもしれないが、ここにぶつける。 まず聞いたのは広島市の秋葉市長のコメントだった。 核兵器の廃絶を目指すオバマ大統領を支持し、共に実現していこうと呼びかけたのだ。 意志と心のこもった力強いコメントだった。 そして、麻生首相のコメントだが・・・・。 なんとも心のこもっていない使い古された言葉の羅列で、この人には、原爆被爆という内なる心の痛みを持っていないと実感した。確実に他人が書いた文面をそつなく読んだという感じであった・・・。 まあ、ここまでは、まだ仕方がないな、この首相では・・・と思ったが、問題なのは、記者会見での麻生首相の発言である。 核兵器の廃絶など、出来るわけはないといった否定的な発言に続いて、日本はアメリカの核の傘の下で北朝鮮からの脅威から守られている・・・といったような事を言った。 まるで核兵器の存在を認めているような発言だった。 本来なら秋葉市長よりいっそう核廃絶を訴えるべきなのが日本の国の責務であろう。なんとも世の流れが読めないというか、ここまでお馬鹿さんとは思わなかった・・・。 こんなお馬鹿さんが日本の首相であることが、恥ずかしい限りである。 いや、麻生首相だけではない。自民党も同じようなものだ。 被爆していなければ、心の内なる原爆として考えられないのか・・・。 このような印象を持ったのは僕だけでしょうか・・・・。 是非皆さんのお考えを聞きたいものです。
『ジジイが恋焦がれ、想うだけで切なく、胸を痛めている恋の相手には何処で逢うたんや?』 『カラオケ・・・』 インドネシアのカラオケはガラスの向こうの雛壇には若い娘が何十人、多ければ百人以上の娘が座っていて、その中から気に入った娘を指名し、個室に入る。2時間がワンセットになっていて、部屋代、女の子の指名料、飲み代を入れると、100万ルピアなど、あっという間に飛ぶ。更に、連れ出そうとすると、これが高くて、しかも決定権は女の子にあるから、拒否できる。そこで、いきおい見初めた娘をモノにしようとすれば、手練手管を駆使して、服だ、靴だ、携帯電話だ、デジタルカメラだとねだられる。 『ほな、悪いおなごの典型やないか・・・』 『次にタチの悪いのが半玄人の素人娘で、 夜な夜なクラブなどを廻り外国人引っ掛けてからだを任せて、 あれやこれやと金をむしり取る』 『次は?』 『マッサージのねえちゃん』 『次は?』 『苦学の大学生とか店で働くねえちゃん』 『で、まだあるんかい?』 『一番たちのいいのが置屋のねえちゃん』 実際、置屋の女の子というのは、あっさりからだを投げ出す。 しかも、売上の大半を置屋の主人に搾取され、 わずかな金を貯めては、親元に仕送りしていというのが大半だ。 『いさぎいいのォ・・・』 『いさぎもいいし、哀れでもある・・・』 『そいで、なにかね、マモさんは、そうしたおなごの中でも 一番たちの悪いカラオケのねえちゃんに恋をしたんかい?』 金魚鉢の向こうには、およそ7,80人の女の子が ひな壇に座っていたが、 その中でひと際目に留まった女の子がいた。 色白の目の大きな美少女だったが、ひどく寂しげだった。 訊いてみると、まだ入って二日目だという。 父親がやっていたアンティークの家具店が 火事で消失してしまい、八人兄弟の長女である彼女が、 家計を助けるためにバリに来て 収入のいいカラオケに入ったという。 嘘か真かは判らぬものの、 その話をするときの彼女は涙をぽろぽろ流し続けた。 それから三日ほど通い続けているうちに、 こんな娘も、三ヶ月もカラオケで働いていたら、 一丁前のしたたかな娘になっていくんだろうな・・・と思うと、 なんともいたたまれぬ気持ちになった。 『そいで囲うたんか?』 『とんでもない、国に帰した』 長距離バス代が35万ルピアに食事代を足して50万ルピアを渡し、翌日ボゴールへ帰した。 『当然、お持ち帰りしたんやろうな、帰す前に?』 『手も握っていないよ』 『アホ抜かすないや、この助平ジジイがそんなわけないやろ!』 なんと思われても構わない。実際手さえ触れていない。 『しかし、国に帰しただけなら食べていけないのやないか』 そう。だから、国でなにをしたら家族十人なんとか食べていけるのか聞いたら、日用雑貨や米や野菜を売るワルンをやればなんとか食べてける。毎月返金するので貸してもらえるかとと思うと言うので、 5ジュタすぐに送金した。 『5ジュタでワルンやれるんかいな?』 『今なら出来ないに違いないが、10年前は出来た』 『なんやて! 10年前のことなんかいな?』 『そう10年前。彼女が20歳でボクが53の時だった・・・』 『そいで金はちゃんと返したんかい?』 『送金したら、彼女の父親と母親から丁重なお礼の電話があり、開業してから一年で返済した』 『さよか・・・金返さんかも知れんと思わんかったんかいな?』 『そりゃ思ったよ。返さなければそれでもいいって思ったんだ』 『10年前というと今彼女は30でマモさんは64か・・・ そいで、いまも恋人なんかい?』 『そう・・・まるで中学生のような胸が痛くなるような 恋が続いている』 『すでに一緒に寝いてかいな?』 『いいや、いまだに手も握っていない』 『アホ臭ッ! そんな話誰が信じる思うるん!』 でも、本当なんだ。 その真相は・・・。 │<< 前のページへ │一覧 │ 一番上に戻る │ |
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