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テーマ:ミステリはお好き?(1400)
カテゴリ:読書感想
A氏:20章でラングドンが教室で黄金比を教えるところで、まだ、ちょっと、気になる点があるんで確認したいんだよ。 私:なんだい? A氏:PIとPHIの問題なんだよ。 訳書ではPIは私立探偵としてあるが、どういう推理で君が、これは私立探偵でなく円周率のパイだ、という意味に到達したのか、その思考プロセスをもっと知りたいと思ってね。 私:最初、PIが訳書にあるように私立探偵ならprivateのPと探偵のinvestigatorのIをとったのではないかと思ったね。 A氏:でも、私立探偵というとprivate detectiveではないの? そうなるとPIでなくPDだろう。 私:そうだね。 チャンドラーの有名なマーロウ私立探偵は、「大いなる眠り」で初登場だが、自分のことをprivate detectiveと言っているね。 だから、PIは別の意味があるかもしれないという疑問を感じたんだね。 A氏:そうすると何の略だったんだね。 私:到達した結論は、これはギリシャ語πパイの英語表現で大文字だけれど何かの略でないのだね。 だから、ピー・アイと言わないわけだ。 同様に、PHIも何かの略でなくギリシャ文字φの英語表現だね。 A氏:どうして君はそれが分かったの? 私:俺がダヴィンチコードを読んだときは、日本語訳を速読で筋だけ読んだのだが、君はきちんと一行一行、論理的に納得するまで読んで、疑問点を聞いてくれたので気がついたんだよ。 特に、「後方の席にいる脚の長い数学専門の学生が手をあげた。『PHI。黄金比です。』」というところで、原書を見たら、He pronounced it fee.があり、日本語訳ではこれを訳していないことに気がついたんだね。 特に、このイタリックスになっているfeeというのはナンだろうと推理したわけだ A氏:その数学専攻の学生はPHIをフィーと言っているわけだね。 私:そこでPIはどうも、直感的にprivate investigatorの略と違うという強い疑問をもったんだね。 ウィキペディアでPIをひいたらパイが出てきた。 PHIもウィキペディアに出てきた。 PHIは、英語読みでファイだが、ギリシャ読みはフィーだとある。 He pronounced it fee.の「fee;フィー」の謎が解けた。 日本語では訳していないHe pronounced it fee.の文は「数学専門の学生は英語読みでなく、ギリシャ語読みでPHIを発音した」という意味なんだね。 ファイが黄金比なら、パイは円周率としてペアになることは明らかだ。 つながった。 どんどん、疑問が解ける。 だから、ここの訳は意訳すると「黄金比:PHIはHがあるおかげで一般学生が知っている円周率PIよりいかす数字」となるわけだ。 A氏:日本訳は「黄金比はHがあるおかげで、PIよりずっと切れ者だってね!」だね。 まだ、PI=私立探偵につながっている訳だね。 私:俺はギリシャ語など知らないがこの程度なら推理できるよ。 A氏:なるほど。 「尋ねよ、さらば見出さん。門を叩け、さらば開かれん」。 新訳聖書「マタイによる福音書」より。 私:そうじゃないよ。 疑問を感じたらあいまいにするなだよ。 教科書に墨を塗った世代の本能だよ。 だまされないためにもね。 そして、知的な追求心をもって、あくまで追求することが頭の老化防止にもなるかもね。 できたら広く、深くね。 天下国家と関係ない、ダヴィンチコードのミステリーとも関係のない、つまらんミステリーの解明かもしれんがね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.10.20 06:41:53
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