カテゴリ:読書
「西の魔女が死んだ」(梨木香歩)は、いろんな人が推薦していた本。
何で前から気にはなっていた。 そして今日やっと詠むことができた。 これを今読むことは意味があったと思う。 なぜなら、最近記事で「学校に行かないこと」について書いていたから。 いじめと自殺が止まらない 産経新聞は自殺を理解していない 本の内容からすると脱線するかもしれないが、「学校に行かないこと」が選択肢になっていたら。 どれだけの生徒が自殺しないですんだだろう。 だからこそ言いたい。 「学校に行かない選択」は何も悪いことではない。 だが現実は厳しい。 コンクリートに囲まれた場所では自然を感じることなどできない。 アスファルトばかりでは土のありがたさがわからない。 この本で出てくる主人公のように祖母の家にいられる子どもは少ないだろう。 早い話が現代では生徒の逃げ場がなくなってきている。 だから生徒は孤立する。 今、いじめなどで学校へ行くことが苦痛に感じている生徒がいたら。 私はこの本にある祖母の言葉を送りたい。 「自分が楽に生きられる場所を求めたからといって、後ろめたく思う必要はありませんよ。サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中では咲かない。シロクマがハワイより北極で生きるほうを選んだからといって、誰がシロクマを責めますか」 「西の魔女」と聞けば、フランク・ボームの小説、そして映画になった「オズの魔法使い」を思い出す。 この本ももちろん影響を受けているだろう。 映画では主役のドロシーをジュディ・ガーランドが演じていた。 当時17才の彼女は輝いていた。 彼女が歌う主題歌の「オーバー・ザ・レインボー」はアカデミー賞を獲得した。 「オズの魔法使い」に出てくる西の魔女は多くの人から恐れられていた。 この本に出てくる西の魔女は主人公まいの記憶にずっと残るだろう。 死んでも何かが残る。それが読者を安心させる。 「人の死」ということでは「夏の庭」(湯本香樹美)に通じるものがある。 「夏の庭」についてはすでに以前記事にした。 「夏の庭」(湯本香樹美)を読む この二つを比較すると、私は「夏の庭」の方が好みだ。 「西の魔女が死んだ」は会話に硬さが見られて自然に感じられない部分がある。 会話ということならこれも以前記事にした「4teen」(石田衣良)はすぐれている。 *********************** 関連記事 『西の魔女が死んだ』 西の魔女が死んだ - 梨木香歩 西の魔女が死んだ/梨木香歩/小学館(王立天文台) 『西の魔女が死んだ』の植物 ↑この本に出てくる植物を写真で紹介。 こうした視点はとても大切だ。
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最終更新日
2006.11.07 18:37:21
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