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2006.12.09
カテゴリ：社会問題
最近、ＣＢＳの６０ミニッツ（６０ Minutes）を観る機会があった。
この番組は社会問題などを鋭く取り上げたドキュメンタリー。 日本ではＴＢＳで夜中に放送している。 ＴＢＳでのタイトルは「ＣＢＳドキュメント」。 司会はピーター・バラカンと吉川美代子が担当している。 今回２００５年に放送されたものを幾つかまとめて観た。 最近ではこうしたソフトも好きな時に観られるシステムになっている。 サービスによって料金に差はあるが、とても便利だ。 この記事で書くのは元殺人犯が弁護士になった話。 タイトルは「是か非か！？元殺人犯が弁護士に」。 どこかで聞いた話だと思ったら、日本でも同様の話があった。 しかも以下のように「心にナイフをしのばせて」（奥野修司）という本になっている。
私はまだ読んでいないが、近い将来この本を読むつもりでいる。 日本では、禁固以上の刑に処せられた者は弁護士資格がない。 先に紹介した本で出てくる弁護士は、殺人を犯したのが高校１年の時。 なので弁護士資格が取れたのだろう。 アメリカの話では麻薬のディーラーだった男ジェームズ・ハムが殺人犯となった。 しかも殺したのは二人。１９７４年のことだ。 厳罰化の進む現在の日本なら死刑になってもおかしくない。 彼は反省した。 そして長い刑務所生活の後弁護士の道へ進むことに。 ロースクールへ通うことになった。 彼の通う州立大学では元殺人犯ということで議論があったそうだ。 その根拠は州立大学だと税金で補助されることだという。 つまり元殺人犯には恩恵が必要ないとの判断だ。 そのため、同じ州立大学でハムが講師に任命されそうになった時、問題は再燃した。 大学側からは契約の破棄を通告されたという。 ハムの弁護士資格も「待った」がかけられた。 この州の検事総長は彼の弁護士資格について与えるべきではないと主張していた。 元殺人犯ということで彼には弁護士になる資格はないのか？ それとも更生のチャンスを与えるべきか。 人によって意見は違うだろう。 日本ではやはり弁護士資格を与えるべきではないという意見が強いかもしれない。 最近の凄惨な事件、そして被害者とその家族の感情を考えるとこの意見も理解できる。 しかし私は思う。 ヴィクトル・ユーゴーが書いた「レ・ミゼラブル」。 ユーゴーの知らないところでミュージカルにもなった。 全世界で多くの人に感動を与えている。 主人公のジャンバルジャン。 彼はパンを盗んで長い間投獄された。 バルジャンはその後司教と出会って正しい道へと進むようになった。 確かに悪人を世にのさばらせてはいけない。 しかし殺人犯であったとしてもチャンスは与えるべきではないか？ ジェームズ・ハムに必要なものは何か？ それはジャベール警部の厳しさではない。 司教の寛容さだと思う。 どうしてジャベールはセーヌ川に身を投げて自殺したか？ 私はそれを考える。 アメリカの場合、殺人による弁護士資格剥奪が規定されていないのなら。 ハムの弁護士登録を認めるべきだと思う。 法治国家としてこの件でも対応してもらいたい。 いくつかまとめてこの番組を見たが、この問題でひとつの記事とした。 別のテーマについてはまた別の記事にしようと思う。 *********************** 関連記事 さかきばら事件は以前にもあった？ 殺人犯が弁護士になる、反省なしに？ 法律の専門家になりたくて・・・ ↑この件で詳しい記事を書いていて参考になる。
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最終更新日
2006.12.17 16:42:48
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