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カテゴリ:ニュース
99年に起きた光市母子殺害事件。
社宅で当時18歳の少年が母子を殺害。 母親の遺体を強姦、財布を奪った事件だ。 裁判中(現在差し戻し審)の元少年に対して死刑が適用されるか否か。 凄惨な事件だけに判決が注目されている。 この裁判で、元少年の弁護団は20人以上。 その中で今枝仁弁護士がこの事件の弁護人を辞任すると発表した。 自らのブログによるものだ。 (私はこの発表について最初、他人による「なりすまし」かと疑った。 しかし以下に紹介する文章を読んで弁護士本人であると信じることにした) 今枝弁護士は辞任の理由を「方針が対立して決裂した」としている。 さらに、今枝弁護士はこの事件で被告人の身元引受人となる予定だという。 重大報告 弁護人を辞任することになりました。 最後に光市事件弁護団へエールを送り、退きます 注目すべきは以下の記述。 >最高裁弁論欠席とその後の説明が、結果的に遺族を混乱させ社会感情を悪化する等の悪影響を及ぼしたことにつき、素直に反省(できれば謝罪が望ましいが、そこまでは求めすぎでしょうか)の態度を示してほしい。 >法医学の成果ばかりに目を奪われず(それも重要だが)、その他の論点、特に「戸別訪問は強姦の計画によるものでなかった」「一般情状」により力を注ぐことを再検討してほしい。 >「被告人の言い分ではなく、弁護団が言わせている」という疑いを、根拠を示して払拭することが重要。 (「弁護士・未熟な人間・今枝仁・・・光市事件と刑事弁護の理解のために」より引用) 上記の主張を読む限り。 この弁護士の主張は私を含めた一般人の考えに近い。 特に最高裁弁論欠席や法廷での荒唐無稽としか思えない主張。 これらは今でも多くの人に理解されていない。 そればかりか弁護団に対して反感を持っている人が多い。 最高裁弁論欠席については私も以下の記事でも書いた。 光市母子殺害事件、最高裁弁護人欠席で弁論開かれず 「ドラえもん」など荒唐無稽な主張についてはこの記事を書いた。 光市母子殺害差し戻し審 この弁護士の意見は「弁護士も一人の人間に過ぎない」との証明か。 それとも「残った弁護団は一般人と考えに乖離がある」のか。 この裁判で判決が死刑になろうとなるまいが。 上記で紹介した今枝弁護士の疑問に弁護団は答えるべきではないか。 私自身もこの問題について考えを整理したい。 時間はかかるとは思うが。 追記 15日のブログ記事で、今枝弁護士は元少年の弁護人辞任を撤回した。 詳しくは以下の記事に書いてある。 弁護人は辞任しません 早まった公表でご迷惑かけました(お詫び) 被告人から「辞めないで」と言われたそうだ。 逆に主任弁護人と弁護団長から「辞めてもらいたい」と言われている今枝弁護士。 弁護団の内紛がこれほどはっきりと出ることは珍しい。 辞任を発表してから1日でそれを翻す。 本当に人騒がせで迷惑だ。 *********************** 関連記事 橋下ブログを読んだ懲戒請求者の皆さんへ ↑この裁判では、元少年の弁護団に懲戒請求が出されている。 この請求を「呼びかけた」のが橋下弁護士。 なお、この記事を書いているのが元検事で現在弁護士。 上記ブログでは光市母子殺害事件と懲戒について多くの意見が寄せられている。 緊急!!今枝弁護士より求釈明書を受領した方へ(1) ↑懲戒請求をテレビ番組で「呼びかけた」橋下徹弁護士の記事。 すぐ上のブログ記事と合わせて読んでほしい。 懲戒請求って罪になるの?(橋下弁護士のブログを読んで思ったこと) ↑懲戒請求について記事にしている。 寄せられたコメントも興味深い。 以下の記事では光市事件弁護団辞任の件について書いている。 今枝弁護士の決断 ≪光市母子殺害事件弁護団≫今枝仁弁護士が 弁護人を辞任、元少年の身元引受人に 弁護団からの離脱 今枝弁護士の『委員会』出演は条件付きで賛成です ↑今回弁護人を辞任した今枝弁護士。 彼が「たかじんのそこまで言って委員会」に出演するかどうかの記事。 (結局、今枝仁弁護士は出演しないことになった) そんな話があったとは知らなかった。考察が興味深い。 各リンクや関連エントリーも参考になる。 時間をかけて読んでみたい。 今枝弁護士への極私的指摘 ↑すぐ上の記事と同様、今枝弁護士「たかじんのそこまで言って委員会」出演の記事。 この方は出演すべきでないとの主張。 現実にその通りになった。 私は今枝弁護士の、以下の記述に注目した。 >いわば「敵地」で闘うからこそ意味があると思うのですが、甘いでしょうか。 (◆イマジンのそこまで言っていいんかい 話せばわかる?問答無用?より引用) ↑どういった形にしろ、多くの人に今回の裁判について説明する。 これは今回の事件に限らず、すごく大切なこと。 今枝弁護士の姿勢は評価できる。 何しろ裁判と司法制度は私を含め多くの人に理解されない。 理解しにくいものだからだ。 「土下座弁護」からの脱却~今枝弁護士の声明 ↑もし、上記のように刑事弁護が今枝弁護士が危惧する状態なら。 これは危険なことだ。 そして司法改革の名の下に裁判員制度が始まったら。 裁判はどのようになるのか。 これは裁判員として裁判に参加するであろう日本国民全員の問題だ。 だが悲しいことに正論は多くの人に理解されるとは限らない。 私のような一般人が裁判について考えるのと同時に、法曹界も啓蒙活動してほしい。 光市事件懲戒請求扇動問題 弁護団広報ページ ↑この事件に関する懲戒問題(裁判)の損害賠償請求関連のページ。 「光市事件の経過」などリンクも参考になる。
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最終更新日
2007.10.18 12:35:54
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