テーマ:サッカーあれこれ(19761)
カテゴリ:スポーツ
今日は、日本サッカー史に残る記念日。
フランスワールドカップ予選、第3代表決定戦日本対イランがあった日。 あれから10年。 日本が初めてワールドカップに出られるかどうか。 それがこの試合にかかっていた。 場所はジョホールバール(マレーシア)のラーキンスタジアム。 この予選、日本は苦戦した。 監督の更迭でフランス行きのチケットを賭けた戦いに挑んだ。 この試合もアジジの負傷(演技)、城の脳震盪、 延長戦でのゴールといろんなことがあった。 私はジョホールの現場にいた。 今でもあの試合のチケットを持っている。 それより前、11月1日に行われたソウルでの日韓戦。 日本はこの試合に勝ち、何とか首の皮一枚でつながっている状態だった。 この時点で日本より優位に立っていたUAE。 だがウズベキスタンとホームで引き分け。 まだ日本にも運が残っていた。 韓国にまだいた私はソウルでUAE対ウズベキスタンをテレビ観戦。 アナウンサーが試合終了直後、こう叫んでいた。 「アリガトウ!ウズベキスタン!サヨウナラ!UAE!」 すぐに私が宿泊している韓国式の旅館に電話がかかってきた。 韓国のサッカーファンからだった。 「チャンスを逃すな!一緒にフランスへ行こう!」 彼の拙い英語でも、意味は充分に伝わった。 日本には、まだ試合が残っていた。 カザフスタンとの国立での試合(11月8日)だ。 この試合でゴールを決めた中山。 ユニフォームの下にカズのユニフォームを着ているのが印象に残った。 この試合は5-1で圧勝。 日本がフランスへ行くためにはイランを倒さねばならない。 決戦の地、ジョホールは遠かった。 シンガポールに近いが、直行便は空席がなかった。 そのため、私はクアラルンプール経由でシンガポールに向かう。 空港の待合室で1泊した。 ここから車で国境を越え、ジョホールに着いた。 会場のラーキンスタジアムはこんな感じ。 ラーキンスタジアム 試合は前半40分中山のゴールで先制。 後半すぐにアジジ同点ゴールで1-1。 その後ダエイ逆転ゴールで1-2。 後半30分過ぎ、城のゴールで同点。 試合は延長戦へ。 ここで私は印象的な場面を見る。 選手たちが延長戦を前に円陣を組んでいた。 そこにはトレーナーやドクターもいた。 だが選手たちは誰かを呼んでいた。 代表に呼ばれていた女性栄養士だった。 彼女はピッチの外で「私も?」を自分を指差す。 選手たちは「そうだ!来い!」と彼女を呼ぶ。 円陣に向かって走って加わる彼女。 彼女もまた代表チームの一員だった。 実に感動的な場面だった。 帰国後、この試合の放送を観た。 NHKの山本浩アナ(今は解説委員)が円陣を見てこう言っていた。 「彼らは彼らではありません。彼らは私達そのものです」 彼らしい名台詞だった。 延長戦では途中投入の岡野がチャンスを外しまくっていた。 それでも試合終了の時は来た。 パスより効果的と判断した中田が自分でシュート。 それをはじくイランのキーパー。 こぼれ球をスライディングで押し込む岡野。 コーチから監督になった岡田が選手の所へ走る。 長い試合はこうして終わった。 試合後、黙々と走るイランの選手たちが印象的だった。 彼らにとってまだ戦いは終わっていない。 オーストラリアとのプレーオフが待っている。 (イランはこの後見事フランス行きを決めた。 ホームアンドアウェーで行われたこの大陸間プレーオフ。 第一戦はイランホームのテヘランで行われ1-1の引き分け。 第二戦はメルボルンでオーストラリアが2-0と途中までリード。 しかしイランも見事に2点を返して2-2で引き分け。 アウェイゴールの差でイランがワールドカップ出場となった。 これはメルボルンの悲劇と呼ばれた) その夜、遅くまでジョホールの屋台街は日本人で溢れていた。 私はホテルが選手と同じだった。 宿に帰るとカズがビールを持って現れた。 「今日はありがとう。これみんなで飲んでくれ」 私にはそのビールを飲む資格はなかった。 何故なら選手を信じ切れていなかったから。 「もう駄目だろう」と何度も思ったから。 イラン戦の途中、何度もオーストラリア行きを覚悟した。 次の日、友人をチャンギ空港(シンガポール)まで送った。 その時ちょうど日本代表の選手たちがやって来た。 集まった日本人は感極まって「ありがとう!」としか言えなかった。 北京オリンピックアジア最終予選のベトナム戦は17日。 そして21日にはサウジアラビア戦が待っている。 五輪日本代表は苦戦している。 カタールにアウェーで負けて現在2位。 反町は選手たちにジョホールのビデオを見せたらどうか。 北京五輪代表はまだ実力を出していない。 やれることをすべてやり尽くしたわけではない。 選手と反町はそのことをよく知っているはずだ。 すべての選手、すべてのスタッフによる総力戦はまだできる。 それをジョホールでのイラン戦で再認識してほしい。 私には先日のACL決勝、「ジョホールバルの歓喜」から10年の今日。 そして北京五輪予選がつながっているように思える。 いや、何が何でも繋げなければならない! 総力戦で北京行きだ五輪代表! *********************** 関連記事 五輪予選敵地ベトナム戦近づく
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最終更新日
2007.11.16 16:17:43
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