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映画「アラバマ物語」(1962)をNHK衛星放送で観た。
(この記事はネタばれあり) この映画に登場するフィンチ弁護士(グレゴリー・ペック)。 彼は2003年の「最も偉大な映画ヒーロー」の投票で1位となった。 007、スーパーマン、インディージョーンズではなく、何故彼なのか? それは、この映画を観た人だけが知っている。(※1) この映画で描かれているのは1932年のアラバマ州メイコム。 ここに暮らすフィンチ弁護士には2人の子どもがいた。 息子のジェムとその妹スカウトだ。 フィンチの奥さんはすでに亡くなっている。 スカウトは母親の思い出すらない。 映画はスカウトの目から見た世界を描いている。 ある日フィンチは判事から刑事事件の弁護を依頼される。 白人女性のレイプ事件で黒人のトムが容疑者。 フィンチは「黒人びいき」として住民から批判される。 娘のスカウトも学校でそのことを侮辱される。 だがフィンチはめげない。 「どうしてこの事件を引き受けたのか?」という娘からの質問。 フィンチはこう答える。 「誇りを保つため」 被害者の女性メイエラは、右目の近くを殴られていた。 法廷でフィンチはこの点を主張する。 容疑者のトムは過去の事故で左手が不自由になっていた。 そしてメイエラの父親ユーエルは左きき。 この事件で誰が疑わしいか。 それは明らかだった。 フィンチは法廷でこう言う。 「私は法廷が完璧であると思うような理想家ではない」 「法廷とは生きた真実だ」 フィンチの訴えにもかかわらず評決は有罪。 有罪となったトムにフィンチは控訴審で希望を持つように伝える。 だがトムは護送中に逃走して保安官代理に射殺される。 威嚇射撃が命中したという。 弁護士で説明することが得意な父親。 実は射撃の名人で黒人の弁護も引き受けるフィンチ。 「理想の父親像」がそこにはあった。 だが物語はこれで終わりではない。 死んだトムは救われないが、それだけが救いだ。(※2) 人種差別と法廷劇。 「よき父親」を描いた秀作だ。 (※1) この調査で2位はハリソンフォード演じるインディージョーンズ、 3位は「サブランカ」でハンフリー・バガートが演じたリック。 以下4位ジェームズ・ボンド、 5位「真昼の決闘」ゲーリー・クーパー演じるウィル・ケイン、 6位「羊たちの沈黙」クラリス、7位ロッキー、8位「エイリアン」リプリー、 9位「素晴らしき哉!人生」ジェームズ・スチュアート、 10位「アラビアのロレンス」 (※2) 母親不在の家族。 そして隣家への冒険は宮崎アニメ「となりのトトロ」に通じる。 宮崎はこの映画にヒントを得たのかもしれない。 *********************** 関連記事 アラバマ物語 グレゴリー・ペック アメリカ映画のヒーロー
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最終更新日
2008.03.06 01:05:34
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