カテゴリ:読書
久しぶりに宮部みゆきを読んだ。
「R.P.G.」だ。 (この記事はネタばれあり) 宮部は多くの作品を読んだが、訳あって「R.P.G.」は読まないでいた。 女子大生と中年サラリーマンが殺された。 警察は、二つの事件の関連を見つける。 しかし、容疑者逮捕にはつながらない。 被害者のサラリーマンには娘と妻がいた。 しかし、それ以外にネット上での「妻」、「娘」、「息子」が存在していた。 擬似家族だ。 警察は、この擬似家族3人を集めて尋問する。 隣の部屋にはマジックミラー越しに被害者の娘がそれを見ている。 捜査陣に「クロスファイア」の石津と、「模倣犯」の武上が登場する。 家族3人を尋問するのは武上。 ひとつ苦言を。 取調室で「息子」の稔に被害者家族である娘の名前を教える場面がある。 被害者の苗字はもちろん稔が知っている。 稔に娘の名前、しかも漢字まで教えてしまうのはリアリティーがない。 娘は姿を見られないようにマジックミラー越しにいる意味がない。 これは宮部の「ヒント」なのかもしれない。 だがあまりに初歩的なミスではないか? 正直、宮部作品としては内容が薄かった。 ネットという仮想現実が現実にあある。 これからは事件もネット絡みになることは想像できる。 ならば、もっと深く掘り下げることはできなかったのだろうか? また、この作品は「表現する」のではなかった。 読者に「説明する」作品だった。 宮部の作品は、「説明せずに表現する」ところが長所だったのに。 次に宮部作品を読むとしたら、「誰か」になるだろう。 「 R.P.G.」を読んだ後では、その日がいつになるかは不明だ。 バナーにクリック願います。 ***トラックバックはテーマに関係するもののみどうぞ。 その場合リンクは必要とはしません。 意見があればメッセージでどうぞ。 ただし荒らしと挨拶できない人はお断りです。 今のところメッセージは全て読んでいます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.01.22 15:27:58
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