カテゴリ:読書
海堂尊「ナイチンゲールの沈黙」を読んだ。
(この記事はネタばれあり) この作品は、「チーム・バチスタの栄光」の続編になる。 東城大学医学部でのバチスタスキャンダル後を描いている。 東城大学医学部付属病院小児科。 そこに二人の患者がいた。佐々木アツシと牧村瑞人。 彼らの病名は網膜にできる悪性腫瘍、網膜芽腫(レティノブラストーマ)。 この病気は遺伝子の異常が原因。幼い子どもがかかる。 二人への治療は眼球摘出しかない。 そうしなければ、腫瘍が肺などに転移してしまう。 しかし中学生の患者、牧村瑞人は手術を拒否。 父親も承諾書を書かない。 加えて、瑞人の担当医師がかなり問題あり。 そんな中、瑞人の父親が殺される。 ミステリー小説として「犯人は誰か」という問題はどうでもいい。 「チーム・バチスタの栄光」でコンビとなった田口と白鳥が再び登場。 だが、私の感想としてはテーマが散漫で面白みが欠ける。 疑問なのは、大学付属病院で末期の肝硬変患者にアルコールを処方すること。 田口がいかに窓際医師であったとしても、これは実際に行われているのか? 救いは猫田看護師長のキャラクター。 「眠り猫」が目を開けると「千里眼」になる。 彼女のような存在が、日本の医療を救っているのかもしれない。 藤原看護師が認めただけのことはある。 次にこのシリーズを読むなら「ジェネラル・ルージュの凱旋」になる。 「ナイチンゲールの沈黙」にも出てきた救急救命の速水がどうなるのか。 機会があれば読んでみたい。 「ナイチンゲールの沈黙」に続く「螺鈿迷宮」は既に読んでしまった。 この作品については以下の記事に書いた。 「螺鈿迷宮」海堂尊 正直に感想を書くと、「螺鈿迷宮」は面白くなかった。 看護師の浜田小夜が桜宮病院の養女となったエピソード。 これは「螺鈿迷宮」につながっている。 ネットで書評を読むと、両作品はかなり不人気なのがわかる。 だが、「ジェネラル・ルージュの凱旋」は面白いらしい。 その評判が正しいのかどうか。 それは自分自身で確かめるしかない。 追記 「ナイチンゲールの沈黙」の中で語られる「共感覚」。 これで思い出すのが詩人、アルチュール・ランボーの「母音」。 ここで説明するには字数に制限があるので、以下のページを読んでほしい。 母音の色(ランボーの詩に寄せて) ↑文字を色に感じるのは、まさに共感覚。 私のような凡人にはこのように感じることが難しい。 バナーにクリック願います。 ***トラックバックはテーマに関係するもののみどうぞ。 その場合リンクは必要とはしません。 意見があればメッセージでどうぞ。 ただし荒らしと挨拶できない人はお断りです。 今のところメッセージは全て読んでいます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.01.22 16:53:55
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