カテゴリ:読書
横山秀夫「真相」を読んだ。
(この記事は一部ネタばれを含む) 横山秀夫と言えば、「半落ち」や「第三の時効」で知られている。 この本は横山得意の短編集。 だが、警察内部の管理職を描いているわけではない。 「過去の犯罪歴」が大きなテーマと言っていい。 「真相」 殺された息子の犯人が10年ぶりに見つかった。 だが、息子は殺される前、本屋で万引きしていたという。 愕然とする父親だが、それ以上に深い事情が隠されていた。 「18番ホール」 将来を嘱望されていた県庁職員だった主人公。 だが出身の村で村長選挙に出ることになった。 彼にはこの選挙で勝たねばならない事情があった。 「不眠」 リストラされた中年男。 失業保険をもらいながら、1日1万円で睡眠実験のアルバイトをする。 そんな中、近くで起きた殺人事件。 「花輪の海」 大学時代、空手部に所属していた主人公。 合宿中に起きた事故が、彼を悩まし続ける。 相撲界での集団リンチ事件を思い出させる内容。 「他人の家」 過去に強盗事件を起こした主人公。 その情報がネットに出てしまう。 そのためか妻と住むアパートまで追い出されそうになる。 近所に住む老人が、そんな夫婦を救うべくある提案をするのだが・・・・ これらの話は「動機」に収録された「逆転の夏」を思い出す内容。 前科者と呼ばれる人の心理描写が横山流に描かれている。 暗いけれど読ませる。読んで損はない。 そんなミステリーを横山は発表し続けている。 バナーにクリック願います。 ***トラックバックはテーマに関係するもののみどうぞ。 その場合リンクは必要とはしません。 意見があればメッセージでどうぞ。 ただし荒らしと挨拶できない人はお断りです。 今のところメッセージは全て読んでいます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.02.24 12:56:07
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