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カテゴリ:ニュース
京都大学などで起きた、入試問題投稿事件。
容疑者の予備校生が逮捕されたが、この事件の背景は何か。 この件については、すでに以下の記事で書いた。 入試問題流失、19歳の浪人逮捕 京大など入試問題がネット流失 行方不明となっていた件の予備校生が無事でよかった。 思い詰めて自殺でもしていたら、取り返しがつかなかった。 この件ではいろいろなことが考えられる。 まずは読売の社説から読んでみよう。 予備校生逮捕 入試不正解明し対策に生かせ(3月4日付・読売社説) 以下の文章に注目したい。 「今回のようなネットを駆使した不正は想定外」 (太字部分、上記読売社説から引用) もしこの件が想定外だとしたら。 読売の論説委員と大学は想像力が欠如している。 社説の後半、04年に韓国で起きた集団カンニング事件に言及。 韓国で6年以上前に起きたことが、日本で起きないのか? 確かに韓国はITが進んでいる。 だが、隣国で起きたことが日本で起きない保証はない。 「ハイテクカンニング」韓国、中国はもっと凄いぞ!(J-CASTニュース) 読売は「日本だけが特別」とでも思っているのだろうか。 私にはこの点が不思議で仕方ない。 韓国では事件の後、試験会場での携帯とデジカメ持込が禁止となった。 ところが日本では、韓国ほど厳しくはない。 つまり、似た状況にありながら対策を採ってこなかった。 それが日本の現状だ。 日韓を「似た状況」と書いたが、それは携帯を使った不正でのこと。 受験戦争という面では、韓国のほうが厳しいといえる面はもちろんある。 大学の門前で後輩たちが受験生を激励する。 門には「くっつく」という意味で飴がベタベタとつけられる。 試験に遅れそうになった受験生を、警察がパトカーで送迎。 大学の近くでは大きな音を立てないよう協力。 など日本では考えられない状況がある。 しかし何度も書くが、携帯電話を不正に使えるという点は同じ。 便利な道具は、犯罪者にとっても便利。 今私たちがいる社会は、今日にも核兵器で世界が滅亡しかねない。 可能か不可能かということなら、何があっても不思議ではない。 しかも過去に起きていることならなおさらだ。 そして人は一度手にした道具を簡単には手放せない。 それが今回の事件の背景。 同じく読売の「編集手帳」も、この件について書いている。 3月4日付 編集手帳 結びの一文が気になった。 彼に向けようとする指弾の指に、なぜか力が入らない。 (太字部分、「編集手帳」から引用) 新聞は「社会の木鐸」だと言われている。 読売はそうでないかもしれないが、そう思っている人はいる。 今回の事件。 「入学選抜の信頼性、公平性を根底から揺るがした行為」なのは明らか。 ならば、再発防止のためにも指弾すべきだ。 その上で、可能ならこの予備校生に再度の受験を薦める。 それが新聞にできることではないか。 やったことは悪い。 それをはっきりと書いた上で将来について語る。 まさに「罪を憎んで人を憎まず」。 新聞にはそうあって欲しい。 これは私だけが願っていることだろうか。 一部には「たかがカンニング」という意見もネットでは見られる。 多くの受験生が必死で勉強したその結果をないがしろにする行為。 それを「たかが・・・」と言ってしまっていいものなのかどうか。 私には賛成しかねる。 もうひとつ重要な点。 それは、この件での逮捕が必要であったか。 結露から書くと、私は必要だったと考える。 もしこの件を軽視したら、模倣犯が続出する。 そして不成功に関する大学側の対応も違ってくる。 さらに、件の予備校生は自殺も考えられる状況にあった。 警察に身柄を確保されるというのは重いこと。 だが警察は確保した人の自殺を防ぐ手段をよく知っている。 予備校生の安全を考えるなら、警察に逮捕させるのは最善の手段だ。 *********************** 関連記事 京大の入試問題漏洩の背景がネットの闇と若者の劣化という筋書きに絶句する この件について書かれた記事。 カンニングでの逮捕について、行き過ぎではないかとと書いている。 カンニングの件の影でもっと大事なことを見逃してないか? これも、この件について書かれた記事。 「そもそも、もう知識を問う入試問題なんて時代遅れ」だという。 こうも書いている。
確かに答えがひとつではないことは現実社会に多い。 だからこそ、答えを見つけるための知識が必要なのではないか。 大学受験で問われているのはまさにその知識だと思う。 今の入試というシステムが万全とは私も思っていない。 だが、基礎的な知識という面では必要ではないかとも考える。 なるほど、この件ではいろんな意見があるものだ。 他のブログ記事を読むのは参考になる。 *********************** ※トラックバックは管理人が承認した後に表示されます。 バナーにクリック願います。 ***トラックバックはテーマに関係するもののみどうぞ。 その場合リンクは必要とはしません。 意見があればメッセージでどうぞ。 ただし荒らしと挨拶できない人はお断りです。 今のところメッセージは全て読んでいます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.03.04 20:24:23
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