先週土曜日のNHK追跡A to Zでも取り上げられていたが、製薬業界には2010年問題が重大な問題として認識されている。これは、医薬品業界において2010年前後に大型医薬品の特許が一斉に切れ、各メーカーの収益に重大な影響をもたらすと懸念されている問題である。
医薬品は特許制度によって保護されており、各社が特許申請し、認められた範囲の構造の化合物は、一定期間(通常20年)の間他社が勝手に製造・販売してはならないとされている。しかしこの期間が経過した後は、他社が同じ構造の薬を販売することが許されるようになる。こうした後発医薬品(ジェネリック医薬品)は、臨床試験の巨大なコストの負担がないため、先発品に比べて安く販売できる。
1990年代前後は大型医薬品(ブロックバスター)の開発が多く、これらが医薬品メーカーの収益を支えてきた。しかしこれらの医薬は2010年前後に特許切れし、これらがジェネリックに置き換われば、開発企業の収益が激減する。国内メーカーでは、2009~2011 年に米国で特許切れを迎えるブロックバスター品は大手4 社で5 製品あるが、これらの2007 年度の売上依存度(医療用医薬品の売上構成比)は30%近くに達している。米国では特許切れ品の売上げ減少率が1 年目で80%程度に達するものもあり、政府がジェネリック使用促進に注力している欧州や日本でも影響を受ける可能性が大きい。
わが国でも2007 年に17% 強だったジェネリックの数量シェアを2012年度までに30% 以上にするという目標を政府が掲げ、処方箋様式の変更や調剤薬局への保険点数付与などジェネリックの使用促進策を導入している。これに対して、新薬メーカーを中心とした業界団体( 日薬連、製薬協) では新しい薬価制度の提案を行い、特許切れ後の薬価大幅引下げを容認する代わりに画期的新薬について特許期間中の薬価維持を求めている。但し、これらの動きは国内依存度が高く新薬開発力の低い新薬メーカーにとっては死活問題となり、2012 年を前にして国内メーカーの再編につながる可能性がある。
日本では、新薬がなかなか承認されないドラッグ・ラグ」の問題や、売上げが拡大するほど薬価引下げ幅が大きくなる「市場拡大再算定ルール」など、国内マーケット固有の問題もある。
新薬が出来るまでは、下図のようなプロセスをたどり、平薬として承認されて利用されるようになるまでには一般的に9年から17年の歳月がかかります。(平均12年くらいと言われている)研究開発費も数十億円~数百億円に上ります。見方を変えれば、現在、候補物質を探索している研究員は、10年後、20年後の未来の薬を生み出すために研究を続けているとも言えます。

新薬開発には如何に金が掛かるか?また研究開発費に比例して売り上げランキングが決まる。従って今後、海外メーカーとの提携・合併なくしては日本の製薬メーカの生き残りは難しい。
参照:
http://www.garbagenews.net/archives/750077.html
http://www.garbagenews.net/archives/761297.html