朝日新聞2014年8月22日の記事です。
写真:ビンジーさん(左)と再会したKさん=2013年12月、東京都内。
(掲載を控えさせていただきました。)
抗がん剤治療と腫瘍(しゅよう)の切除。東京都の会社員Kさん(27)は半年余りかかった胚(はい)細胞腫瘍の治療を終え、昨年6月に退院した。大阪府高槻市の実家で、リハビリに励もうと思った矢先、異変に気づいた。しゃ精障害だった。
手術前にリスクはあると説明を受けていた。可能性は低いと聞いていたので、まさか自分の身に降りかかるとは思わなかった。腹部のリンパ節の腫瘍を切除する手術で、しゃ精神経がダメージを受けたらしい。国立がん研究センター中央病院(東京都中央区)の泌尿器科医に「しばらく様子を見てみましょう」と言われた。
がんを告知されたときよりもショックを受けた。男性としてのアイデンティティーを奪われたと思った。「もう治らないのか」。抗がん剤治療の前に精子は残したが、「子どもをつくるのは難しいのではないか」と不安だった。
役に立つ情報はなかなか見つからない。そんな中、同じ手術で夫が射 精障害になった2人の女性のブログを見つけた。メッセージを送ると、「夫は3カ月後に回復しました」「参考になる学会のアドレスを送ります」と返事が来た。
情報はありがたく、仲間がいることも心強かった。同時に、あらかじめこの手術について情報を集めておけばよかったと思った。別の医療機関で「セカンド・オピニオン」を聴いておけばよかったと悔やんだ。
そんなことを思い、悶々(もんもん)としていたころ、がん患者によるフォーラムが年末、東京都内で開かれることをフェイスブックで知った。がん治療の経験を語り、患者同士がつながる催しだった。講演者を募っており、夏に講演者向けの勉強会を開くという。
発信者は、入院中に若手がん患者の会「STAND UP!!」のパンフレットをくれたビンジー・ゴンザルボさん(41)。フォーラムを支援する米国の財団の取り組みを、日本に導入した人だった。フェイスブックには「若い人に語って欲しい」と記されていた。
がん患者は情報を求めている。仲間を必要としている。「自分の体験がだれかの役に立つかもしれない」。Kさんはフォーラムで講演したいと思い、申し込むことを決めた。
(原文はご本名で書かれているようですが、ここでは頭文字表記にさせていただきました。写真も掲載を控えさせていただきました。)
私はそこまでできていませんが、癌患者どうし直接コミュニケーションができる場は大切だと思います。
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