朝日新聞「患者を生きる」2014年10月10日の記事です。
タレントの麻美ゆまさん(27)は2013年2月、卵巣の境界悪性腫瘍(しゅよう)のため、左右の卵巣と子宮の摘出手術を受けた。3月中旬、1回目の抗がん剤治療に臨んだ。
2種類の抗がん剤を点滴する。悪性の卵巣腫瘍で標準的な治療だ。月に1回入院し、計6回。8月まで続く予定だった。
「こんなにつらいの……」。吐き気や手足のしびれ、脱毛。副作用は事前に医師から説明されていた。だが想像を上回った。投薬直後から寒気に鳥肌。気持ちも悪い。翌日からは、体の痛みや手のしびれも出始めて、何もする気がしなくなった。
めざすイベントが近づく。4月初めに千葉県で開かれる、アイドルグループ「恵比寿マスカッツ」の解散コンサート。「何としてもステージに立ちたい」。一時はリーダーも務めた麻美さんは、コンサートを目標に、つらい治療と向き合ってきた。体力をつけたいが、体がついていかない。
4月に入ると、髪の毛が抜け始めた。最初はハラハラと。続いてバサバサと。コンサート開催のころは脱毛の勢いがすさまじく、髪はうっすらと残るだけになった。
4月7日、ウイッグ(かつら)を着けて、ほかのメンバーとともに千葉・舞浜の舞台に飛び出した。恵比寿マスカッツの「卒業式」。病気療養を宣言してから、ファンに姿を見せるのは初めてだった。しかもサプライズの出演。「おかえりーっ」。驚き、喜ぶ2千人のファンの声が、雄たけびのように押し寄せてくるのを感じた。
シングル9曲を歌い、踊り、卒業証書を受けた。体力に自信はなかった。でも不思議と、しんどくなかった。「よく5時間も立てたな」。気力だけだった。感謝の気持ちと達成感で満ちあふれた。
コンサートの後も治療は続いた。数日後には2回目の抗がん剤治療が始まった。
収入はほぼゼロになり、復帰後の仕事も保障されていない。家賃の安い部屋に引っ越すことにした。抗がん剤の副作用に加え、卵巣を摘出した影響で、急に体が熱くなったり、夜中に何度も目が覚めたり。更年期症状が出る中での転居だった。生活も、体も、自分だけが変わっていく。つらく、耐える時間が長かった。
写真:ウイッグを着け、解散コンサートに立った=2013年4月、千葉県。
私も抗癌剤治療を受けました。片方しか腎臓がないので、標準の60%の量からスタートということもあったでしょうが、副作用は比較的軽かったです。昨日書いたように、髪の毛も全部抜けるほどではありませんでした。
食欲のほうは抗癌剤投与開始して2~3日後には、食事も見たくないと思うくらいになりましたが、味付けが薄く美味しくない病院食の影響も大きく、カップヌードルやお茶漬けなら結構美味しく食べれらました。退院するころには食欲も戻り、体力も問題なかったので、次のクールまでは普通に生活ができました。
ただ白血球が正常値下限より低くなったのと、治療を最優先するためとで、長期に休職したうえで。自宅療養と入院を繰り返しました。
経済的には、ある程度蓄えもあり、健康保険の傷病手当金で給与の3分の2はお金が入ってきたので、彼女ほど深刻にならずにすみ、そういう選択が可能だったという側面もあります。もともとリストラで早期退職したとき、そのまま仕事しなくて引退してもいいと思っていたくらいなので、仕事にどうしても戻りたいという気持ちもありませんでした。
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