朝日新聞「患者を生きる」2014年10月11日の記事です。
境界悪性の卵巣腫瘍(しゅよう)が分かり、2013年春から抗がん剤治療を始めたタレントの麻美ゆまさん(27)。回数を重ね、副作用の強さや出方も分かってきた。
落ち込みがちだった時期を経て、目標を持ち、自分の時間を楽しもうと思った。地元の友達に会ったり花火大会に出かけたり、ギターを練習したり……。8年前、アだルトビデオ女優としてデビューして、こんなにゆったりと過ごしたことはない。「ずっと走り続けてきたのかな」
子宮と卵巣を摘出し、子どもを産めなくなった。子どものいる友達と会うのは複雑だったが、「産めないからこそ、子どもと一緒に遊ぼう」と思うようになった。
6月、ツイッターで卵巣に腫瘍があったことを明かした。復帰したとき、応援してくれたファンに「大したことはありませんでした」とは言えないと思ったからだ。
思わぬ中傷を受けた。
「セッくスのしすぎ」「自業自得だ」。怠けず、真剣にやってきた仕事。職業への偏見を悲しく感じた。女性特有の病気をすべて性こういと結びつける風潮はないだろうか。医師に尋ねると、「卵巣腫瘍とセッくスは関係ない」と言われた。病気に対する誤解や偏見があると思った。病名を隠す女性がいることも知った。卵巣腫瘍について正しいことを知ってもらいたい、と思った。
8月、治療を終えた。腫瘍マーカーの値も画像診断も問題はない。だが、腫瘍は良性ではないので、再発や、悪性に転じる可能性もある。経過観察に入った。
年末から少しずつ仕事を再開した。まずはファンクラブのイベントから。アだルトビデオへの復帰を願う声も届く。「でも、おなかに傷もできたし、体力も必要。もうできないかな」。闘病経験を語る講演などへの出演が舞い込むようになった。
「リ スタート」。闘病と人生をつづった自叙伝を今年5月に出した。タイトルにこだわった。「リセットだと、これまでの私がなかったことになる。過去を含めて、再出発したい」
病気をしても、私は変わらない。これまでと違う形でも、私の仕事は元気や笑顔を届けること。そんな風に思っている。
写真:自叙伝を出し、握手会に臨んだ=5月、東京都内
(禁止用語で引っ掛かった言葉について、片仮名を平仮名に変えたり、漢字を平仮名に変えたりしています。)
「回数を重ね、副作用の強さや出方も分かってきた。」「自分の時間を楽しもうと思った。」「ずっと走り続けてきたのかな」
この部分、私も同じ気持ちでした。今までとにかく走り続けてきました。一生懸命働くというのも輝かしいけど、もういいんじゃないか、先がどうなるかも分からないし、時間に追いまくられずに生きていきたいと思うようになりました。
次第に病気が治っても、前の仕事には戻らないと考えるようになりました。ある意味、病気に感謝している自分があります。
彼女も破綻には至らず、経過観察に入ることができたようです。彼女は元の職業に戻りましたが、病気を経験したことで、今までとはまた違う形でみんなに元気を与えていけるのではないかと思います。
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