テーマ:癌(3513)
カテゴリ:癌治療情報
朝日新聞「患者を生きる」2014年12月9日の記事です。
東京都江東区のがん研有明病院。泌尿器科病棟に勤務する看護師のYSさん(27)は、車いすを右足でこぎ、電子カルテの入ったパソコンや薬剤を載せたカートを両手で押しながら、病棟を自在に行き来していた。 病室では立ち上がり、患者に尋ねながら寝具の位置をなおす。検温、血圧測定、点滴の準備。てきぱきと仕事を進める。ベッドの柵や壁を伝い、右足を軸に動く。 看護師だった母が肺がんの祖父を自宅で看護し、みとったのが高校生の時。技術や専門性にあこがれ、自分もそんな存在になりたい、と思った。 看護大学に進み、2人に1人ががんになる時代だと知る。「がん患者さんの看護をしたい。将来は緩和ケアの現場で働きたい」。夢を抱いて、2009年4月、新卒で同病院に就職した。 泌尿器科病棟に配属された。機器をうまく使えなかったり、術後の患者の氷枕を替えなかったり。先輩にたびたび注意された。症状の重い患者を担当し、つらい気持ちになった。 経験を重ね、病棟で戦力になりつつあった10月下旬。未明に自宅で、胃の辺りがねじれるような激痛に見舞われた。 近くの大学病院に駆け込み、検査入院した。エックス線撮影の結果、骨盤の左前部に腫瘍(しゅよう)が見つかった。整形外科の医師から、骨のがんである「骨肉腫」と告げられた。頭が真っ白になった。 がん研有明病院に勤めていると伝えると、医師は「そちらで治療した方がいいのでは」と勧めた。骨肉腫治療の実績が多く、国内外から患者が集まることで知られていたからだ。 「自分の病院に入院するなんて」。気乗りがしなかったが、周囲の強い勧めに従った。 がん研有明病院の整形外科は、勤務する泌尿器科病棟と同じ階にあった。 見慣れた景色の中で、医療を受ける違和感。患者を支える側の看護師なのに、自分が患者になってしまった。ベッド横の名札、患者用のリストバンド、点滴ラベル……。自分の名前を見るたびに、現実を認めざるを得なかった。看護師であることを奪われたようで、悲しかった。 写真:車いすを右足でこぎ、カートを押して病室へ向かうYSさん=東京都江東区のがん研有明病院 (患者さんのお名前はイニシャル表記に変えさせていただきました。写真も掲載を控えさせていただきました。) 新しいシリーズです。「骨肉腫」。 私が罹った(罹っている)「脂肪肉腫」(軟部腫瘍の一つ)などとともに、「骨・軟部腫瘍」の類です。「骨肉腫」の患者さんは、若い人が多いのが特徴です。 27歳の癌専門病院に勤務する看護師さん。まさか看護する立場の自分がこの年齢で癌にかかるとは夢にも思わなったのではないでしょうか。 よろしかったらぽちっとお願いします。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018/05/21 07:41:58 AM
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