抗がん剤の副作用で体調は最悪だったが、昨年のクリスマスイブ、8日ぶりに退院した。1月4日の特別番組が迫っていた。「体調が戻るか不安だったが、母が『絶対大丈夫!』と励ましてくれました」
直前に調子が戻り、4か月ぶりの放送に間に合った。やせたのが目立たないよう、スタイリストがおなかに腹巻きを入れてくれた。生放送を無事終えて帰宅すると、両親が玄関で待っていた。3人で「よかった」と抱き合って泣いた。
3月末から毎週月曜という限定だが、夜の番組にキャスターとして復帰した。「平日5日のうち、1回しか出来ないと考えるより、1回出来ると思うようにしています。回数より、長い期間出続けられることが大事だと考えています」
療養のため、7月下旬から番組を休んでいる。通院しながら、再び復帰する日を目指している。
闘病を通し、家族の大切さがわかった。「私も家庭を作りたい。受け入れてくれる人がいれば、ですが」
フリーだったので数年、健康診断を受けていなかった。「若いから、自分の健康を過信していた。人に伝える仕事をしているので、病気にならないとわからないことも伝えていきたい。それが、私が病気になった意味だと思っています」
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報道番組キャスター 黒木 奈々(くろき なな)さん 32
この連載が始まったのは、8月6日。療養のために休むようになったのが、7月下旬とあります。取材は恐らく7月上旬。休む前。「何とか復帰して頑張っている。」という記事にしたかったのでしょう。
ところが番組を休まれ、今年9月19日に亡くなられました。何とこの最後の記事の2日後です。連載が終わるまでは、頑張らないといけないと思われたのかもしれませんね。
再発防止のため抗がん剤治療はする必要があったのでしょうか。
私は粒子線治療を受けました。再発予防のため普通は抗がん剤治療をするそうです。でも、粒子線治療の副作用で腎不全になるリスクが高いので、それを助長するような抗がん剤治療は、むしろしないほうがよいとの判断でやっていません。
黒木奈々さんは、抗がん剤治療でかえって余命が短くなってということはないでしょうか。
心からご冥福をお祈りいたします。
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