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2016/05/03

【がん情報】子宮がん　短歌のはげまし：４　いつか、だれか救う歌に

テーマ：癌(3513)

カテゴリ：癌治療情報

朝日新聞「患者を生きる」の記事を引用し、私の意見・感想・気づきなどを述べさせていただいています。

≪2016年2月12日の記事≫　

　２００９年５月に子宮体がんの手術を受けた東京都町田市の歌人、ＯＦさん（６４）は退院から３日後、足のむくみに気付いた。リンパ節の切除によって起きる「リンパ浮腫」だった。

　リビングの床に右足を「く」の字に曲げたまま座り、３０分ほど読書をしていたら、右足の感覚が鈍くなって、ももが太くなっていた。慌ててさすってみたが、変わらなかった。ベッドに入ると、窓から満月が見えた。

　《悲しくて見上げるたびに古代母（こだいぼ）のやうなる月にみつめ返さる》

　翌朝、病院で主治医に「軽い浮腫です。同じ姿勢で長時間過ごさないように」と言われた。

　ＯＦさんはインターネットなどで対処法を探した。専用のストッキングによる圧迫療法や、特殊なマッサージを１年ほど試してみたが、あまり効果はなかった。

　１０年８月、東京大学病院形成外科の光嶋勲（こうしまいさお）教授を訪ねた。診断の結果、足首や足の付け根などで、リンパ管と静脈とをつなぎ合わせる手術を受けることになった。皮下組織にたまったリンパ液が、リンパ管を通って静脈に流れ込み、むくみが軽減されるという。１０月の手術では、複数の手術用顕微鏡を使い、直径０・５ミリほどのリンパ管と静脈を縫い合わせた。

　１週間後に退院すると、「太ももに糸が絡まっているような」違和感が薄れ、むくみも少しずつ軽くなっていった。

　最初に診察を受けるきっかけとなった歌の作者、河野裕子さんは乳がんで１０年８月に亡くなった。１０月に開かれた偲（しの）ぶ会は、安静期間中のために出席できなかった。かわりに歌をつくった。

　《たいせつな人失ひし夏過ぎてどつと波打つ大すすき原》

　ＯＦさんはいま、がんの手術から７年たった。体調は手術前と変わらない。「短歌とがんは相性がいい」とよく考える。作者は闘病時の思いを端的に表現でき、読者はその３１文字の中から作者の心象風景に思いをめぐらす。

　「がんを体験した歌人だからこそ、伝えられる新境地がきっとあると思います」

　河野さんの歌に助けられたように、いつか、自分の歌もだれかを救うことがあるかもしれない。

＞リンパ節の切除によって起きる「リンパ浮腫」だった。

＞複数の手術用顕微鏡を使い、直径０・５ミリほどのリンパ管と静脈を縫い合わせた。

　色んな医療技術が発達しているのですね。

　私の受けた後腹膜悪性腫瘍の粒子線治療の副作用で最も重篤なのが、腎不全。すでに片方しか腎臓がないので、透析になります。治療終了後ほぼ１年。毎月血液検査をしていますが、少しずつクレアチニンが高くなっています。どこかで値が落ち着いてくれることを期待するばかりです。

　もう一つ負担がある副作用が、照射部近辺の痛みとそれによる他の部位の不具合。粒子線治療が終わって２ヵ月くらいの去年７月に左手が痛かったり、左肩が凝ったりしました。左手を上げるのが苦痛になりました。照射部の血流が悪くなったことによる周辺への影響ではないかと思います。

　そうこうしているうちに11月頃に、照射とは反対側の腹部の筋肉も痛くなり、ベッドから起き上がるのも苦しくなりました。その時期は、脈拍も血圧も高くなりました。

　１ヵ月くらいで痛みは治まりましたが、半年経過したこの４月頃から、照射部がジーンと感じる度合いが増え、去年痛くなった腹部に今度は皮膚のヒリヒリ感を感じるようになりました。体を動かすのを躊躇することがあり、生活に少し支障が出ています。

　これからも再発のリスクに怯え、副作用に悩みながら生活していくことになるのだと思います。

　しかし、粒子線治療で、腎臓を温存して透析を避けることで、普通の生活ができていることは間違った選択ではなかったと思っています。

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