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2021/06/02
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テーマ:京都。(6067)
カテゴリ:若冲と応挙
【2021年6月2日(水)】

 昨日は朝歯医者に行きました。左上奥歯の治療継続の予定でしたが、前回治療開始の後、鎮痛剤を服用するほどの痛みが3日間続き、その後も、振動が伝わりると痛みが少しあるので、薬を詰め替えるに留まりました。その帰りにホームセンターに寄って、買い物してきて、庭の散水ホースに手を加えました。午後から在宅で会の重要な用事でしたが、準備は完了していたので、そんな時間もとれました。

 今日は、そのフォローで終日費やしましたが、何とか約束した時間に約束のものを間に合わせることができました。


「奇想の画家 若冲と応挙」の第18回目「その他の若冲の絵」です。

◆第2章 伊藤若冲(続き)

2-12 その他の若冲の絵

 前々回と前回は、「動植綵絵」だけに焦点を当てて述べてきました。若冲は「動植綵絵」以外にも、同じような細密彩色画を多く描いていますが、これから先は、細密彩色画以外の絵を紹介していきたいと思います。

 若冲は、斬新的な技巧を多く試した画家でもあります。その一つが「枡目描き」という技巧で、無数の小さな枡目1つ1つに絵具を塗っていくという一種のモザイク画です。デジタル画の原点といってもいいかもしれません。若冲は西陣織から着想を得たのではないかといわれています。

 図Aに「白象群獣図」とその部分拡大を示します。枡目1つをベタっと同じ色で塗るのではなく、枡目の中で暗色と明色を塗り分け諧調表現をしています。また、輪郭線は枡目の中を通っているので、デジタル的でありながら、輪郭はスムーズに描かれています。この絵はモノクロ調ですが、「樹下鳥獣図屏風」(静岡県立美術館蔵)や「鳥獣花木図屏風」(プライス・コレクション)と題する極彩色の枡目描きの絵も残っています。ただし、前者は枡目内の描き方の稚拙さから、若冲の下絵に基づいて弟子たちが描いたものではないかという説があり、後者は動物の描き方の凡庸さから、前者の完全な模倣作品ではないかとの説があります。





 若冲は墨画も多く残しており、その画風は多種多様です。

 図Bの「菊花図」には「筋目描き」という技法が使われています。「筋目描き」は、墨の滲み(にじみ)と滲みがぶつかると、境目が白くなる性質を利用した技法で、邪道とも言われたりしますが、若冲は積極的に利用して、この作品では菊の花びらの質感を見事に表現しています。





 
 下図の図Cは当然ながら若冲の絵ではありません。点描画の創始者といわれるフランスの画家、ジョルジュ・スーラによる「サーカス・サイドショー」という作品です。スーラは日本でいえば明治時代の画家です。





 ところが、若冲はスーラが生まれるずっと前に、墨画ではありますが、点描画を描いているのです。図Dの「石灯籠図屏風」がそうです。スーラと違って、点の密集具合で濃淡を表わす方法です。若冲は風景画をほとんど描きませんでしたので、その点でも特異な作品です。またこの絵では、近景(灯籠など)と遠景(山)が明確に分けて描かれ、遠景は暈されています。応挙を意識したのかもしれません。複雑に屈曲した松の枝ぶりや、お化けのようなユーモラスな燈籠を配するなど若冲らしさも健在です。






 若冲ならではのユニークな墨画も残しています。右図の「果蔬涅槃図」です。いわゆる釈迦涅槃図ですが、釈迦は大根で表され、嘆き悲しんでその回りに集まる弟子や、鳥獣も果物や野菜で表され、沙羅双樹が玉ねぎの葉で表されています。青物問屋の主人だった若冲ならではの作品です。これ以外に、野菜や果物が多く登場する絵としては、彩色画では「菜虫譜(さいちゅうふ)」(佐野市立吉澤記念美術館蔵)、墨絵では「蔬菜図押絵貼屏風」(個人蔵)がよく知られています。


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最終更新日  2021/06/05 01:01:20 AM
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