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カテゴリ:映画
監督 橋口亮輔
少しあらすじ 小さな出版社で働く美人でしっかりものの妻翔子(木村多江)と女にだらしなく、靴修理のアルバイトをしている夫カナオ(リリー・フランキー)。 カナオは先輩の紹介で法廷画家の仕事を得て、さらに絵画教室の講師をつとめるようになる。子どもの誕生を間近にした幸せな夫婦だった。 しかし生まれたばかりの子どもが亡くなり、翔子はしだいに心を病んでくる。戸惑いながら妻を見守るカナオ。 ある台風の日、カナオが帰宅すると、翔子は真っ暗な部屋で吹き込む雨に打たれていた。取り乱しカナオを殴りつける翔子をカナオはしっかりと抱きしめる。 感想 物語は1993年からの約10年間。法廷画家であるカナオの仕事を通して連続幼女誘拐殺人事件や地下鉄サリン事件といった時代背景が描かれる。 93年と言えばバブルが崩壊したもののまだ余韻の残っていた時期。映画の中では不動産業の翔子の兄がはぶりいい。95年には阪神大震災とオウム真理教による地下鉄サリン事件が起き、何か大切なものが崩壊していく感覚を持つ。翔子は心を病み、兄もしだいに景気が悪くなっていく。 実は私が結婚したのが94年なので、時代背景とともにいろいろ思い合わせることがある。 ずっと一緒にいたくて結婚したのに、何となく一緒にいることに違和感を持ったり、わずらわしくなったり。いつも手をつないで歩いていたのに、いつの間にか少し距離をおいて歩くようになったり。子どもが生まれると、夫婦ではなくてお父さんとお母さんになってしまったり・・・。 夫婦って何だろう? たまに二人っきりになった時、何となく心が安らぐこと。 二人で並んだ姿が絵になること。 そんな関係であったら良いなと考えさせられました。 幸福感いっぱいの妊婦、心を病んでいく姿、新たな仕事に打ち込む姿、その変化を木村多江がすばらしい演技で見せてくれる。飄々として、感情を表に出さないカナオ役はリリー・フランキーしかあり得ないと感じる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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