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カテゴリ:映画
監督 成島出
少しあらすじ 1989年、ある地方都市。市民病院に赴任した外科医の当麻(堤真一)は次々と困難なオペを成功させる。 病院のずさんな医療に失望していた看護師の中村(夏川結衣)は、当麻のオペに参加するうちに、仕事への情熱を取り戻す。 しかし大学病院から派遣され、無難に仕事をこなすことしか頭にない医師たちは当麻を嫌う。 ある日、市民病院の強化に力を入れていた市長が倒れる。救う方法は肝臓移植しかないという状況で、脳死状態になった息子の臓器を移植に使って欲しいと武井(余貴美子)から懇願される。日本では脳死臓器移植は違法である。 当麻は悩んだ末、移植に取り組むことを決意する。 感想 物語は勧善懲悪で何のひねりもない。 当麻は、やや変わった音楽の趣味を除けば、完全無欠の天才外科医であるし、臓器移植の是非も、誰が見ても「止むを得ない」と言える状況での決断である。 敵役は、医者でありながらタバコをスパスパ(そう言えば、20年前は嫌煙権なんて言わなかったような気がする)、夜はクラブで酒、などというわかりやすい悪人。 しかし、その真っ当なところが実に良い。 地方病院のずさんな医療。 人格的にも技術的にも優秀な医者の登場。 その影響を受けて成長するスタッフ。 反発する旧来の勢力・・・云々 予想通りの展開なのに泣かされるのである。 原作は6巻の長編。 読んだわけではないが、当然大幅にカットされているだろうし、その結果の「わかりやすさ」なのだろう。それは成功している。 堤真一の抑え気味の演技が作品に説得力を与えている。これが一番のポイント。 一方で大きな感情の起伏を表現する夏川結衣も見事。たぶん彼女の代表作になるだろう。 仕事への情熱を取り戻していく姿がとても美しい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.06.05 19:05:58
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