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カテゴリ:映画
監督 トラン・アン・ユン
少しあらすじ ワタナベ(松山ケンイチ)は唯一の親友であるキズキ(高良健吾)を自殺で失い、知り合いの誰もいない東京で大学生活を始める。そんなある日、キズキの恋人だった直子(菊地凛子)と偶然再会する。二人は頻繁に会うようになるが、心を病んだ直子は施設に入院してしまう。一方、ワタナベは大学で出会った緑(水原希子)にも惹(ひ)かれていく。 感想 原作は村上春樹の作品の中で最も人気の高いものだが、何しろ文庫で2巻の長編である。映画化するためには相当な改編が必要だろう。この製作者はストーリーそのものは生かした上で大幅に短縮し、映像と音楽で見せるという判断をしたのだと思われる。 肝心の映像は、好きな人は好きかも知れないが、特に新しさを感じるものではなかった。BGMも変にうるさく感じてしまった。 心の闇を抱えた直子を菊池凜子はうまく表現している。ただ、どう割り引いても20才前後の年齢には見えないのが残念。日本の若手女優の層はかなり厚いので、他に誰かいるだろうという気はする。 また菊池凜子の責任ではないのだが、彼女の好演のおかげで他の役者の存在感が薄く、彼女一人だけが目立ってしまっている感もある。 水原希子は美人だが、緑という女性の魅力を表現できていない。霧島れいかもレイコの一面しか演じられていない。 松山ケンイチは悪くはないのだが、もっとドライな方が作品のイメージに合うのではないだろうか。 作品そのものも全体的にウエットなイメージである。原作は叙情的だが、表現はきわめてドライである。もちろん映画化する際にそれを改編しても構わないのだが、レイコから抱くことを求められたワタナベが逡巡する場面はかなり違和感があった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.12.12 21:22:15
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