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2009.03.31
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カテゴリ:洋画・ホラー
ミスト

2008年5月公開
監督:フランク・ダラボン
制作費:1800万ドル


『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』に続く、原作スティーヴン・キング、監督フランク・ダラボンのコンビによる、ホラー映画。
主演は、『パニッシャー』のトーマス・ジェーン。
狂信者ミセス・カーモディ役に、マーシャ・ゲイ・ハーデン。


[簡単なあらすじ]
妻と幼い息子と共に湖畔に建てた家に暮らす、画家のデヴィッド・ドレイトン(トーマス・ジェーン)。
ところが、ある夜、突如として起こった強烈な嵐によって、窓ガラスが割られてしまう。
翌朝、庭に出て惨状を確かめていると、湖の上には、不気味な濃い霧が漂っていた……。

息子のビリー、隣人のノートンを車に乗せ、スーパーへと買い出しに向かったデヴィッド。
しかし、凄まじい速度で押し寄せてきた濃い霧によってスーパーは包み込まれてしまい、同様に嵐の被害を受けてやってきていた客たちと共に、スーパー内に閉じ込められてしまう。

シャッターの外に出た店員が、謎の巨大な触手に連れ去られるのを目撃し、事態の異様さを再確認するデヴィッドとスーパーの副店長オリー。
次第に、混乱の様相を呈していくスーパー内の人々。
やがて、この状況こそ神のくだした罰であると訴える女性が、不安のために精神の均衡を崩しかけた人々を扇動し始めて――。



重い、あまりにも重過ぎる映画です……。
初めに断っておくと、興味本位で観ることだけは避けた方がいいです。
私は興味本位で観てしまい、おそろしい精神ダメージを受けました……(苦笑)

元々スティーヴン・キング好きなので、原作となった中編小説の「霧」も読んでいるんですが、映画化に際し「前代未聞の問題作」「衝撃のラスト15分」と謳われたように、原作には無かったラストシーンが加わり、より深く、より残酷な物語へとパワーアップしていました。
決して『ショーシャンク』や『グリーンマイル』のような、感動作を期待してはいけません。
これでもか! というほどの重いホラーなのです。


霧の中には恐ろしい化け物が……

ジャケットにはありませんが、この映画には化け物が出てきます。
制作費の少なさから、若干チープな作りではありますが、霧の中には、“人間を襲い、命を奪おう”とする正真正銘の化け物が潜んでいます。
後半登場する巨大な個体などは、悪魔と見紛うほどの恐ろしさです。
しかし、この映画の中で、真に恐ろしいのは、皮肉にも自分と同じ人間なのです。
「ミスト」ほど、人間の、怖さ、愚かさ、残酷さを描き出した映画は思いつきません。

普段は善良な人々も……

追い詰められた人間が、なにをするのか分からないのは、ニュースや新聞で日々報道される実際の事件を見ても分かるとおり。
さらに悪いことに(?)、スーパー内には狂信的な信仰を持ち、日頃から世間に対して鬱憤を募らせていた女性が居合わせていて、不安な心を紛らわすために何かすがりつくものを求めていた人々を扇動してしまいます。

自分の言葉に酔いしれ、ほとんど正気を失っている彼女の、あきらかに矛盾を含んだ言動にも従ってしまう人々。
極限状態に追い込まれた人間の弱さというものをまざまざと見せつけられ、見ている側の心にも重いものが……。
宗教は決して悪いものではないはず。
しかし、このように狂った主張を続ける人がいるのもまた事実。


しかも、この映画はこの程度では終わりません。
さらに追い打ちをかけるように続くのが、賛否両論を呼んだ結末。
衝撃の15分」。

人生の中で、選んだ選択肢のすべてが正解であるはずがない。
当然の論理にも関わらず、叩きつけられたエンディングには、気落ちせずにはいられません。
現実的だからこそ、余計に痛いのかも知れませんね……。

わざわざお金を払ってまで、好き好んで嫌な思いをする必要はない、という意見の方がまともだと思います。
わずかでもそう思う人は、本当に観ない方がいいです。


しかしながら、この映画の後味が悪ければ悪いほど、『ショーシャンク』や『グリーンマイル』が傑作とあがめられていることに対する、キング自身からの痛烈なアンチテーゼなんだと感じずにはいられません。
キングとダラボンにとっては、「ミスト」こそ人間の内面をすべて描き出した真のヒューマンドラマなんだと主張したいところなのでしょう。

なにせ、原作ではまだかすかな希望を残していたラストシーンを、映画化に際して曖昧なものにはしたくないと、新たに提示しなおしたダラボン。
さらには、それを絶賛したというキング。
この二人は相当なものですねぇ……(笑)


オバサン怖すぎるよ~

ミセス・カーモディ役のマーシャ・ゲイ・ハーデンがとにかく恐ろしくおぞましく、強烈なインパクトを残します。

しかし、デヴィッドとビリーの支えになってくれる美しい女性、アマンダ・ダンフリー役のローリー・ホールデンも、負けてはいません。
実は彼女、原作小説「霧」をモデルに作られたゲームである、『サイレントヒル』の映画版にも出演していました。
これで、霧系ホラー映画は2作目ということに。

気丈な役が似合うローリー・ホールデン

『サイレントヒル』でも、恐ろしい死に方をする羽目になった彼女。
なにか、霧に因縁でもあるのでしょうか……(笑)



 **********


ミスト


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「マジェスティック」

「グリーンマイル」


トーマス・ジェーン出演作品の記事はコチラ

「パニッシャー」


スティーヴン・キング原作映画の記事はコチラ

「スタンド・バイ・ミー」

「グリーンマイル」





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最終更新日  2009.06.10 11:04:45
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