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標高約700メートルの川井峠は、国道438号線で繋がる 神山町上分と美馬市木屋平の境界地点にあり、川井トンネルから 木屋平側に少し下った斜面に約20本の枝垂れ桜が咲きます。 やわらかな淡紅色の桜の花は、周辺の山の緑に映えて本当に美しく、 この季節、峠からは剣山など雪を被った山並みを綺麗に望むことが出来ます。 「藍の風」短歌集より 「川井峠」の春 峠路に立ちて山脈見はるかす枝垂れ桜の花匂う下 足元の定まらぬまま仰ぎ見る枝垂れ桜の宙の華やぎ 「あれが剣山、一の森」と指す指先に白き残雪 「藍の風」ミニエッセイより 「俳句の命」 榎本其角またの姓を宝井というから 昔ラジオで聴いた赤穂浪士の講談などに出てくる人物であろう。 「鐘ひとつ売れぬ日はなし江戸の春」の句は落語で聞きおぼえたようだ。 芭蕉の弟子で師の死後才におぼれて洒落が過ぎ脱線したというが、 そこに江戸庶民にうける魅力があったのだろう。 「切られたる夢は誠か蚤の跡」はふざけた句だが、芭蕉の評が面白い。 曰く「彼は定家の郷なり。さしてもなきことを ことごとしく言い連ね侍る」と。耳が痛い。 句の生命というものは不思議なものである。 我々の句が後世に残る見込みは殆どない。 まして、咄し家のネタになるほどのスターにはなれまい。 CMに顔を出す俳人はいるけれど。 昭和五六年 「俳句とエッセイ」 五月号に掲載 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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