透析患者にとっての夏!
毎日異常な暑さ、水分制限のある透析患者さんには一段とつらい夏だろうと思う。お父さんが透析をしているという女性と話した。お父さんは減塩薄味の食事をおいしくないと嫌がって不機嫌になるという。お母さんは厳格に制限を守った食事を作ればいいのか、それともお父さんの好きなものを食べさせて毎日を機嫌よく暮らしてもらったらいいのか悩むらしい。事実好きなものが食べられないストレスで死んだほうがましだという人も見てきた。生きる希望までなくすほどの厳しい制限は続けられない。水分の制限を厳格に守りすぎて熱中症になり救急車で運ばれた人も知っている。どの程度制限を守るか、周りの家族も守らせるか難しいところ。私は透析の時一番つらかったのは水分制限だった。でも夏場は飲まないと熱中症になる。だから夏場は制限を緩めた。冬場は水分を食事の時のお茶だけにすることも可能だったけど夏は無理だと思った。私は一日500㏄と言われていたけどこれでは食事の時のお茶だけしかのめないことになる。コーヒーや紅茶を楽しむことは不可能だ。でもたまには今日はいい日というのを作って友達とお茶をして楽しい時間も作った。そういう日もないと長い透析生活を乗り切れない。カリウム制限のために果物や野菜も制限がある。果物が大好きという人はどうしても果物を食べたいと思って先生にカリウムを体内に取り入れにくくする薬を出してもらっていた。薬というよりそれは恐ろしくまずいゼリーだった。私はこのセメントみたいな味のゼリー(セメントを食べたことはないけどもし食べたとしたらこんなアジではないかと思えるゼリー)は食べたくないと思ってこれを食べるくらいなら果物は食べないでおこうと思った。カリウムが上がりにくい体質の人はイチゴを一パック食べてもどうもない人はどうもない。人により上がりやすいもの、上がりにくいものがあり、食事制限の内容が微妙に違う。長年安定して透析をしている人は自分の気を付けるものをよく知って時には厳しく時には緩めながらうまく自分をコントロールしている。透析を30年40年続けて、趣味や友達との楽しい時間も時々持って人生を楽しみながらやっている。いったん透析になると移植以外に透析から離脱する道はない。だから透析にならないように心がけるのが大事だと思う。腎機能がよくないと言われた人は透析にならなくていいようにその段階から気を付けるべきだと思う。高血圧を放置せず、ちゃんと塩分制限を守り、気を付けて行けば少し悪い腎機能を維持したまま透析に入らないで行く事も可能だと思う。後、風邪や肺炎など高熱が出る病気は腎機能にダメージを与える。熱が出たら無理をしないで休むとかちゃんと熱を下げるべく病院に行くとか。今透析になっていな人は自分は大丈夫と自分の腎機能を過信しないで自分の腎臓を大事にしてほしい。今透析になっていない人は一生透析をしないでいいように,なってしまった人はそれ以上悪くならないように。酷暑の夏。皆さん自分の腎臓をいたわってあげてくださいね。