ドイツ 地域の菓子 ムッチェルンMutscheln

ドイツのロイトリンゲンとムッチェルンという焼き菓子。
Mutscheln

風俗にかかわるお菓子は,地域ごとにちょっとずつ変わっていることも結構ある。
今日は、Reutlingen(ロイトリンゲン)という,なぜか100万長者がたくさん住んでいる都市に伝わる素朴な焼き菓子の話。

公現の祝日に焼いて食べるお菓子も、ほかの風俗にまつわるものと同様,
地域によってちょっとずつ違う。

ドイツにも、ドライケューニッヒスクーヘンDreik?nigskuchenというのがありまする。

有名なのは、フランスの、
陶器や本物の豆、時には豆の代わりに人形などを入れて焼くケーキ。
好まめや人形に当たった人は、
その日一日、王冠をかぶって(かぶらなくても良いのか?)
王様になれる。

いいなあ。

うちの近くでは、
ロイトリンゲン Reutlingenという
南西ドイツ、州都シュトゥットガルトから半時間ばかり南東に下った都市に、
公現の祝日の後の木曜日に食べる、
ムッチェルンMutschelnというパン菓子があるのよ。
これは、大体パン屋で買うもので、
最近、うちの街でも買えるようになってきた。

公現の祝日後の木曜日をムッチェルンの日とはいうものの、
ムッチェルン自体がどう、というのではなく、
ムッチェルンを賭けたり、さいころ遊びをしながらムッチェルンを食べるという、
ムッチェルンをダシに、ちょっとした集いの場を設ける機会といえましょう。

この日をロイトリンゲンでは何百年も前から
「ムッチェルンの日」と呼び、
ロイトリンゲン人の祝日として、夜はいろんな飲み屋やレストランで
ムッチェルンを魚やネタにして、さいころを転がしまくって遊ぶのだとか。
ついでに、お酒の方もかなり飲まれるらしい。

ムッチェルンは、ミュルベタイクM?rbeteigと呼ばれる、
ちょっとクッキー生地に近い生地でつくられた白パン。
この生地は、イースト生地に似ているところがあって、
甘みがちょっとあって、その日に食べないと、
次の日はぱさぱさになってしまうのよ。

形は、小山っぽい丸型に三つ編みをした生地を一巻きくるりと巻き付け、
8個の足(ギザギザ)をつける。
何となく、太陽みたいな感じ?

小さいのは3ユーロくらいから、
大人が手で抱えるようなムッチェルンは20ユーロ以上する。
ドイツ人の懐具合や、そのほかのパンの値段と比べると、少々お高め
(と、ドイツ人もいっている)。

遊びのネタだから、ちょっと高くても許されるんだろうね。

ドイツ帝国直属都市だったロイトリンゲンでは、既に何百年も前から
ムッチェルンをネタに賭が行われていたらしい。
ただし、当時は、飲み屋やレストランで行われることは少なくて、
どっちかといえばパン焼き場で行われていたみたいなんだけど。


ムッチェルンのゲーム

ムッチェルシュピールと呼ばれるゲームにはいくつかあるんだけど
どれもさいころを使うのね。
1個とか、3個とか、「丁と半」みたいに、
ベッヒャー(Becher)と呼ばれる皮のコップみたいなものに投げ入れて、
でた数字を争うらしい。

例えば、「夜番が塔から吹き下ろす」というゲームでは、
さいころを二つベッヒャーに投げ入れて、
三つめのサイコロをベッヒャーの上に置き、
ゲームをする人がそれを吹き下ろすというもの。
吹き下ろしたサイコロを含めた全部の眼を数えるか、
コップの中のサイコロの目の数に、
吹き下ろしたサイコロの眼の数を掛け合わせるというパターンがある。
参加者それぞれが試みて、
合計数が一番少なかった人に減点ポイントが行くそうな。

そのほか、ゲームには変わった名前の付いているものがいくつかあるのよ。
「裸のルイーゼちゃん」は何となく分かるとして(そうなのか?)
「長い鴨のうんこ」とか「寂しいケジラミ」とか。
・・・・何でだろう・・・。

後は、「7が食らう」
これは、ヴルストザラートと呼ばれるサラダ・・・
細く切った大量のソーセージをこれまた大量のマヨネーズでちょぼ程度の千切りの野菜やチーズとあえたサラダ
(いかにも高カロリーなので、私は余り食べない)・・・を用意して、
順番に2つサイコロを振りながら、合計7以上の眼が出た人は、
次に7以上の眼が出るまで、好きなだけこのサラダをパクつくことができるというゲーム。
繰り返して7がでないと、よだれが垂れそうだな。

さて、ムッチェルンの作り方を手に入れたら、
またそれをネタに書きまする。


・・・さて、今日はムッチェルンの日。
というか、ムッチェルンで遊ぶ日なんですけど
私は図書館に来ています。
昨日、医者に行った帰り道、
ムッチェルンを買って、帰りました。
一人でも食べられるようなムッチェルンは、
1,6ユーロ。220円くらいだったよ。
ただし、三つ編みの部分は省略して、
細くのばした生地をくるりと巻き付けてあるのみ。
写真を撮ったので、後で貼り付けまする。
そのお店の、真ん中の大きさというのは
両手を広げたくらいの大きさで、
ちゃんと三つ編みがしてあった。
でも、これを一人で食べるわけには・・・というわけで、
小さいのを一つ買って帰ったの。

家に着いたら、おなかがぺこぺこだったので、
写真を撮るのもそこそこに
ムッチェルンを食べてしまった。

ほんのり甘いような生地で、
何もなしで食べるのはちょっと辛かったので、
ちょうど終わりそうだったオレンジの花の蜂蜜をつけて食べました。
おいしかった。

飲み物が、
ココアとか牛乳系だったら、
そのままでも食べられたかなぁ。

で、昨日のご飯はそれでおなかがいっぱいになってしまったので終わり。







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