相模湖の風

　蒸し暑い日が続いている。机の上の温度計は10時15分で既に30度。湿度は８３パーセントを示している。不快指数度の計算によると83パーセントになる。パソコンの前に座っていてもじっと汗がにじみ出てくる。東京の暑さに耐え切れず、相模湖へ引っ越してきてのはできるだけ自然に暮らしたいからだった。しかし、数日前からのの蒸し暑さに扇風機だけでは我慢できずに、とうとうエアコンのドライを使っている。やせ我慢をせず、少しでも快適に機嫌よく暮らした方がいいと、自分勝手な理屈をつけて…。東京の暮らしでは外出する時以外は、24時間エアコンのつけっぱなしの状況だ。それに比べれば、朝夕は自然の風に恵まれるだけでも上等である。
　なんとか体も暑さに適応しつつあるが、これから先のことを考えるとやっぱりいい加減にはすごせない。「夏痩せ」などという、耳と心に魅力的な言葉もあり、ダイエット効果も捨てがたいが、この年になると夏痩せをして体と心が弱るのはちょっとまずい。痩せるのは大歓迎だが、体力と気力が衰えて日々の暮らしが楽しめないのでは元も子もない。ちょっとした気分の落ち込みが、鬱状態を呼び込むらしい（私には無縁のことですが）から…。
　いつものことながら、夏の心構えである。まず、料理の手抜きをしないこと。暑いからできるだけガスを使わないようにしているという人もいるが、私は暑い時こそ手を抜かずにいろいろ作ることにしている。野菜はサッと油通しをするが、調味料は酸味を効かせてさっぱりと仕上る。料理をする時は一気にまとめて下準備を知っておいたり、冷めてもいいものは作っておく。日曜日のランチは総勢8名。子ども中心のメニューで四食ごはん（ご飯の上にひき肉の甘辛煮とほぐした焼き鮭、茹でたインゲン、シラスをのせて。定番の卵はアレルギーがいるため使えない）。前日作っておいた夏野菜のラタトウユと真竹と練り物の煮付け、きゅうりとわかめとシラスの酢の物。フランクフルトソーセージ。そして、嫁のリクエストでザーサイスープを作った。この暑い時に熱いスープ。にわかに信じられないが、これがめちゃくちゃ美味しいのである。みんなで大汗をかきながら「これで夏バテはなし」といいながら食べた。