みかん栽培、5月のまとめ
5月は、みかんの花と香りの季節でした。
5月、まずは、待ちに待った甘夏の季節です。
甘夏は、果実とつぼみが同時に見れるという不思議さをもっています。
(5月5日)
甘夏は、いろいろな柑橘の種類の中でも、一番遅く果実が収穫されます。
8月末のスダチに始まって、中心の12月のウンシュウミカン、
それから、さまざま種類の柑橘類を楽しんできましたが、
そのしんがりが甘夏です。
甘夏の収穫の時には、その時点で、次期の花のつぼみがすでにふくらみ出しています。
5月はみかんの花の季節ですが。
今年のゴールデンウィークは、その6日には花のつぼみが広がりました。
去年や、例年だと、その時点では、花が満開になっていたのですが、
今年は、例年に比べて、開花が10日くらい遅くなっていました。
(5月6日)
去年は、原発事故、震災とか、日本社会にはいろいろありましたが、
その被害を、今に引きずり続けていますが。
それでも、自然の力というは大したものです。
日本の四季の変化は、多少の差はあっても、今年も見事に示してくれます。
みかんの花の開花も、その一つです。
(5月12日)
すべての苦労をいやす力を持っているが、花の開花です。
ミツバチたちも、あちこち飛び回って、一生懸命に蜜を集めていました。
ミツバチというのは、自然にみかんの受粉をさせてくれる、ありがたい益虫です。
みかんと、人と、ミツバチは、共存共栄の関係です。
5月19日には、みかんの花は満開になり、青空によく映えていました。
(5月19日)
「みかんの花が咲いている・・・♪」
心ない身にも、歌が浮かんできます。
みかんの花が咲くと、花の香りが、あたり一帯にただよいだします。
みかんの花の香りは、万葉人が衣にたきこんでいたくらいに、よい香りです。
写真では届けられないので、残念なんですが。
こうした5月の様子は、さわやかな風薫る-「はなたちばな」の季節なんですが、
しかし、同時にこの時期は、
いっせいに雑草が繁茂してくる季節でもあります。
(5月16日)
それこそ、ひと雨ごとに、ぐんぐんと繁茂してきます。
みかん栽培に限らず、おおよそ農家の作物栽培は、
雑草との競争で、雑草をいかに抑えるか、これが最大の問題です。
しかし安易に除草剤に頼るなんてことはしません。
(5月23日)
当方は、鎌一本が、労働手段です。
おかげで、刈った草は有機肥料になりますし、
刈り取った草の下にはミミズが繁殖して、土壌改良をすすめてくれます。
そのミミズを狙って、ムクドリなどの野鳥が集まってきます。
みかん園は、野鳥たちの楽園でもあります。
そして、5月の下旬には、みかんの花は散っていきます。
(5月23日)
『万葉集』には、花の散る様子を歌った歌がたくさんありますが、
これを見れば、納得です。
みかんの花といえば、おおよそ花が咲かなければ、みかんの実はできません。
みかんの花のつき具合は、秋のみかんの出来具合を占う、一つの指標となります。
今年は、見事に花をたくさんつけた木も、中にはありますが、
どうやら今年は、全体としてみると裏年のようです。
全体として、花の数が少ない。
それも仕方ありません。
みかんも頑張った年の後には、休みの年がくる。
表年と裏年が、交互に繰り返しているんですね、
「隔年結果」といわれる現象です。
みかんの木も、やはり休みの年が必要なんですね。
といったことで、
5月は、みかん園が、花と香りで、最も美しくなる季節でした。