みかん栽培、5月の手入れ
さつきまつ花たちばなの香をかげば
昔の人の袖の香ぞする よみ人しらず 『古今集』139
1、5月は風薫る季節で、みかんの花が咲き、その香りがただよう時期です。
「みかんの花が咲いている、思い出の道...♪」
みかんの花咲く景色には、郷愁を感じさせてくれるものがあります。
神奈川県西部・真鶴町にあるみかん園でのことですが。
みかんの花は、その年によって、開花の時に多少の差があります。
今年は、5月1日が開花の始まりでした。
その花の様子です。
その後、開花は進んで、5月4日には4分咲きといったところ、
あと少しすると満開か…、と思っていました。
しかし、
゛花の色は移りにけりな・・・゛、
後から分かることですが、すでに5月8日には開花のピークを越しつつありました。
花の後には、「玉にぬく」幼果がついているのですが。
みかんの花の時期は短い、せいぜい10日間といったところです。
2、この5月は、晩柑の収穫がありました。
当方では、甘夏と日向夏の収穫がおいしくなっていました。
3、みかんの花の時期を過ぎると、いよいよみかんの手入れ作業です。
みかんの花には花粉を求めて、ミツバチだけでなく、訪花害虫もやってきます。
花の散るころには、最初の薬剤散布を実施しています。
ケシキスイ、ミカンハモクリガ、黒点病など、
この時期には、病害虫の駆除を実施しています。
4、また春は、三寒四温、陽気が一段とあたたかくなりますが。
そうした中、春雨の時期ともなると、若草の生え出してくる季節です。
みかん園も雑草が強力な力で繁茂しだします。
5月は除草と施肥で汗かき作業、難行苦行の時でもあります。
この時期に、雑草の根が張らないうちに、草取作業をして。
それから夏肥を施肥するようにしています。
幼果と春枝の生育をはかるためのものですが。
みかんの手入れとは、この草取りが一番の苦労なんです。
5、しかし5月は、春ならでわの恵みもあります。
夏も近ずく八十八夜・・・、この時期は新茶の季節です。
みかん園でも、その周りで、
ささやかですが、新茶と野ブキが採れます。