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つれづれなるままに―日本一学歴の高い掃除夫だった不具のブログ―

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2004.11.25
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カテゴリ:その他読書日記
『我輩は漱石である』井上ひさし:集英社
漱石作品の贋作は多い。その名もずばり『贋作 我輩は猫である』のほか、『彼岸先生』は『こころ』のパロディだし、 『続明暗』なんてのもある(作者はそれぞれ別です)。本戯曲も、そのタイトルから察せられるように『猫』のパロディなのだけれど、同時に『坊ちゃん』『三四郎』『こころ』など有名な漱石作品のパロディでもある。

いわゆる修善寺の大患で、漱石は30分ほど意識を失い、生死の淵をさまよう。それが舞台のプロローグで、以下四幕ほど漱石のみた「夢」という形で小川三四郎やおっさん(坊ちゃんのなれの果て)、マドンナなどが登場するドタバタ喜劇が展開される。エピローグは、漱石が意識を取り戻し、彼方の空を見上げる場面で終わる。

大変面白いのだけれども、もう読み返すことはないだろう。処分。


『宇宙船ピュルスの人々』K・H・シェール:創元推理文庫
珍しいドイツSF…と思ったら、訳者は『ペリー・ローダンシリーズ』で有名な松谷健二さん。

…西欧、ソ連、中国を中心とするブロックが地球を飛び出し、宇宙に植民した。皮肉にもその後地球では世界が統一され、人種・民族間の対立はなくなった。その余波は植民星にも伝わっていくが、頑固に人種にこだわる星々もあった。かくて地球人類の星々は、<同盟>軍と<連合>軍の対立をめぐって、宇宙規模で戦争が繰り広げられていた…ってか。
時代?一応、29世紀なんだけど…星間戦争って、同時代的にいうとこれはもう、冷戦のパロディなんだよね。

んでもって、この状態を解決するために、地球人類よりももっと優れたミュータントと登場させ、「外敵に対抗するために、今は内輪もめしてる場合じゃない」と結ぶ主人公。まあ、その「外からの脅威」がはったりだってことが小説のオチなんだけど、どうせかますならホーガンの『創世記機械』くらいやってほしかったな。折角登場してくる日本人が、物語の途中で死んじゃうのも不満。処分。


『悪魔のハンマー』ラリー・ニーヴン&ジェリィ・パーネル:ハヤカワ文庫SF
上下本で二冊。これを読むと『ディープ・インパクト』がいかにご都合主義的かが良く分かる。というか、エンターテイメント・スペクタクルとしてはああするよりほかないのだろうけれど。

話の展開はかなりヘビーだ。まずはのんびりと…巨大彗星が地球に接近、衝突するかもしれない、衝突するだろう、衝突!…までのプロセス…そして…どさくさにまぎれて米・中・ソから核ミサイルが発射されたデイ・アフターの混乱状態まで…が上巻。下巻は打って変わって、破滅後の「再建」に至る道筋が描かれる。

多分、地球破滅後の世界のリアリティという意味では、ジョージ・R・スチュアートの『大地よ永遠に』の方が上だろう。人々は二度と電気を手にすることはなく、狩猟採集・農業生活に逆戻りするだろう…それでもこの本の特に後半部分に流れる、妙に社会主義くさい、にもかかわらずハインライン的な意志の貫徹精神には、胸を打たれるものがある。主要登場人物、約50人。一種の群集劇とでも呼べばいいのだろうか。世界中が新潟になった地球。政府も国も崩壊してしまった世界。

SFにしては珍しく、全米でベストセラーになったそうだが、さもありなん。1977年の作品にもかかわらず、60年代以降のSF作品に見られる凝りに凝ったニュー・ウェーブ調の文体がみられず、「巨大彗星が地球にぶつかる」という設定を除けば、あとは普通小説として読めるからだ。

ただ上下二冊で900頁以上と分厚いので、めんどくさい読者はさいとう・たかをさんの『ブレイクダウン』でもコンビニで立ち読みされた方が時間の節約になるかもしれない?
この手の小説は一度読めばたくさん。処分。


『この中古車を買え!』別冊宝島:宝島社
1995年刊行。どうしてこんな本が今頃出てきたのか謎だ。





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Last updated  2005.02.25 19:44:37
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