『キュリー夫人 天才科学者の愛と情熱』
天才というと奇矯な人、という印象がある。極端に言えば、天才=発達障碍者ではないか、と思っている。キュリー夫人は果たして天才だろうか、と思っていたが、この伝記映画を観る限り、自己主張が強く、自分を曲げず、わが道を行く人で、性格的にも天才の範疇に入れていいのでないか、と思う。彼女は不遇だった。女性だったから。ポーランド人だったから。信仰を捨てたカトリック教徒だったから。夫亡き後、妻子持ちの男性と恋愛関係になったから。こうした生き方は、今なら多少、風向きが違うかもしれない。だが百年前の世界は、今よりずっと保守的だった。加えてあの頑固な性格も災いした。彼女を救ったのはピエールとの出会いだった。彼はマリーの良き理解者であり、共同研究社だった。ぶつかり合うこともあったけれども、ピエールが馬車に轢かれて亡くなってしまったとき、もっとも気落ちしたのは彼女だった。もっとも、皮肉なことに、夫が死んでしまったから、彼女は自分の名前でノーベル賞を二度も獲ることができた、と言えなくもない。何しろ最初のメダルは、共同研究にもかかわらず、ピエール一人に与えられたものだったから。女性にノーベル賞が与えられた前例はなかった。マリーが前例を作ったのだ。最後に、この映画の特徴は、単なる伝記映画にとどまらず、二人が発見した放射能の可能性と未来について、すでに私たちが知っている歴史的事実と併せて垣間見せてくれることだ。病院嫌いのマリーは、X線とレントゲンの医学的利用の効用を説き、ピエールは癌の放射線治療の可能性を示唆した。一方で、ヒロシマ、核実験、そしてチェルノブイリと、おぞましい現実も突きつけてくる。これから先、科学は人間を幸せにできるだろうか?キュリー夫人 (おもしろくてやくにたつ子どもの伝記) [ 伊東信(1928-) ]小学館版 学習まんが人物館 キュリー夫人 [ 竹内 均 ]【中古】 キュリー夫人 輝く二つのノーベル賞 / ドーリー, 武部 本一郎, 桶谷 繁雄 / 講談社 [新書]【メール便送料無料】【あす楽対応】【中古】 キュリー夫人 ラジウムを発見、人々の幸せに役立てたポーランドの科 / ビバリー バーチ, 乾 侑美子 / 偕成社 [単行本]【ネコポス発送】【中古】 キュリー夫人 岩波少年文庫2076/エリナー・ドーリー(著者),光吉夏弥(訳者) 【中古】afb【中古】キュリー夫人 [DVD]