『古典の愉しみ』ドナルド・キーン:宝島社文庫
第1章 日本の美学徒然草を引用しながら、日本の美学の特色は暗示性、不均衡性、簡素、無常観にあると説く。もちろん日本人が明示的で、左右の均衡がとれていて、絢爛豪華で、永続性のあるものに美を見出さないというわけではないのだが、それに加えて、そうではないものにも美を感じるのが特色なのだという。いわれてみれば、西洋だけでなく、中国や韓国でも均衡がとれていて豪華なものを好む傾向がある。陶磁器や寺院のつくりなど、比べてみれば一目瞭然である。第2章 日本の詩第3章 日本の詩の有用性ここでは主に日本の定型詩について論じられている。短歌だけでなく長歌についても頁をさいてくれているのがうれしい。第4章 日本の小説第5章 日本の演劇対象になっている作家・作品は『日本の文学』とさして変わらないが、その後の研究の成果が存分に現れている章。偉そうに書いているが、不具など足元にも及ばない。【中古】 古典の愉しみ 宝島社文庫/ドナルド・キーン(著者),大庭みな子(訳者) 【中古】afb