神との契約
昨日のコメントを拝見すると、皆さんがキリスト教に意外と興味をお持ちになっているなと感じました。キリスト教は、カトリック教徒だけでも10億人で、ほかにギリシャ正教やプロテスタント諸派があります。キリスト教の基はユダヤ教であり、イスラム教もユダヤ教を基礎にしているキリスト教の兄弟宗教です。この三宗教の信者を合わせると、世界の人口の半分になります。三宗教を信奉していない大国は、日本・インド・チャイナだけです。又、ヨーロッパから来た民主主義は、キリスト教を基礎にしています。ところが日本では、キリスト教徒は全人口の1%未満です。イスラム教やユダヤ教は皆無です。日本人が外国人と交渉をして負けてばかりいるのは、この三宗教に関する無知が大きな原因だと私は思っています。そこで今日は、バチカン4を書くつもりだったのですが予定を変更して、私なりのキリスト教理解を要約し、ブログを見に来ていただいた方々と情報を共有したいと考えました。ユダヤ人は弱小民族ですが、彼らの神であるヤハウェ(エホバ)の命令を守っていれば、強大になり世界の中心になれると考えました。これがユダヤ教です。ユダヤ教の中心となる教理は、「神との契約」です。契約とは、人と人がするものだと日本人は思っていますが、一神教を信奉する民族ではもともとは神と人とがするものです。神と人は対等ではありませんから、神の提示した内容に人が条件をつけることは出来ません。神を信じれば契約が成立し、神は信者を保護します。信じなければ契約は成立せず、人はひどいめに遭います。ユダヤ人と神との契約内容を説明したものが「旧約聖書」です。ユダヤ人が政治的に成功するには、神に対して何をすればいいのかを書いています。イエスが現れて、人に対して新しい契約を提示しました。その内容を説明しているのが「新約聖書」です。新約聖書は、より精神的な内容になっています。又、政治的な成功を目的にしていません。契約内容の変更も神しかできませんから、イエスが人間では都合が悪いのですが、イエスが人間であったことは否定できません。そこで三位一体説により、イエスを神としました。父(ヤハウェ)と子(イエス)と聖霊は同じだという主張です。一つの民族を偏愛し現世の繁栄を約束する旧契約に対して、人類全体を平等に扱い永遠の生命を保証したのが新契約です。ユダヤ教から見れば、イエスは従来の契約を否定した異端者です。だから死刑にしたのです。キリスト教も、神と人との契約が基本です。神と契約した信者を神は保護しますが、契約していない異教徒は無視します。異教徒は最後の審判のときにバッテンが付きます。日本人は「同じ人間だから理解し合える」と勝手に考えていますが、キリスト教徒からすれば、自分達と異教徒たる日本人は同じではありません。日本人は、キリスト教は道徳を説いていると思っていますが、全然違います。神と契約を結びその内容を守れと言っているのです。契約を結ぶには、先ずは相手を信じなければなりません。イエスをマホメットに置き換えたのがイスラム教です。教義は大体同じです。一夫多妻とか断食とか具体的な行動指針が違うだけです。従って、キリスト教が分かればイスラム教もなんとなく分かります。チャイナの儒教も、天と人との契約でありこれらの三宗教と若干ですが共通点があります。皇帝とローマ法王は役割が似ています。使徒信条はキリスト教徒の心得を説いたものですが、要約を下記します。1、神が全能で天地を創ったことを信じなさい2、神の一人子であるイエス・キリストを信じなさい イエスは処女マリアから生まれ、死刑になり、三日目に復活した。 天にいて神の右に座っている。そして死者を裁いている3、罪が許されること・死者は復活すること・命が永遠であることを信じなさい要するに「信じなさい」と言っています。道徳的に行動しなさいとは言っていません。神との契約を守ることが道徳的にも正しいことだと考えるわけです。以上ですが、難しいことを書いて申し訳ありません。