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2007年06月18日
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カテゴリ:
■気になる本  - アルジャジーラ - 
---------------------------------------------------------

 1993年10月28日、カタールのドーハで行われた
日本代表とイラク代表のサッカーのワールドカップアジア
地区最終予選試合において、試合終了間際のロスタイムに
イラク代表チームの同点ゴールが入り、日本の予選敗退が
決まったことは、いまでも記憶に残っております。

 この結果、韓国代表が本大会出場を決めました。
日本では、「ドーハの悲劇」(夕刊フジが最初に言った?)
と言われていますが、韓国では、「ドーハの奇跡」と
いっているそうです。

 そして、男子サッカーの北京五輪最終予選の組み合わせ
抽選会で、C組の日本は、カタール、サウジアラビア、
ベトナムの4チームで争うことになりました。
 何か、見えない縁を感じます。


 さて、アルジャジーラ という中東の衛星放送局を
ご存じでしょう。私は、この放送局の認識を改めないと
いけないと思いました。

 今までは、イラク寄り、そしてテロ支援グループの
一員ではないかと思っていたのです。

 ところが、ドーハに本拠があるアルジャジーラは、
イラクからも米英からも偏向している と非難されて
いたのですから驚きです。


 このドーハがあるカタールという国。
面積は、11,427平方キロメートル(秋田県よりも
やや狭い面積に相当)で、地形がアラビア半島から
ペルシャ湾に突き出した小さな半島です。
 小指の第一間接までの骨のようなものがアラビア半島
に突き刺さっているようなものです。

 大陸を通じて南西側にはサウジアラビア、南東側に
アラブ首長国連邦があります。また、北西の海上の島
には、バーレーンがあります。

 人口は、約74万4千人(2005年/カタール計画評議会)
ですから、福島県の大きな市の2つ分の人口くらいしか
ありません。ですが、人口の半分は16歳未満です。
しかも、人口の半分以上が、パキスタン、インド、エジプト
などの移民労働者です。

 首都は勿論ドーハです。かつてカタールは、バーレーンの
ハリファ家の支配下にありました。1868年に現在の
サーニ家がイギリスの助けをかりて支配権を確立し、その後
1916年にイギリスと保護協定を締結して、イギリスの
保護下に入り、1971年9月3日に独立をはたしています。

 カタールは、もともと天然真珠産業が経済の中心で
あったのですが、1930年代、日本の安価な淡水養殖真珠
の出現で真珠市場が崩壊し、経済的打撃をうけました。

 1939年には、油田が発見され、イランとの間の沖合
には、天然ガス田、ノースフィールド・ガス田が発見され
1990年代に、ガス液化技術と輸送技術が確立し、
やっとガス田開発に著手できたのです。

 現在、ロシア、イランに次いで、世界第三位の天然ガス
埋蔵量を有する国になっています。つまり、国も国民も
裕福である ということです。

 民族は、アラブ人が中心で、アラビア語が国語です。
そして宗教は、イスラム教。

 政治体制は、首長制。元首は
シェイク・ハマド・ビン・ハリーファ・アール・サーニ 氏。
父である元首長
シェイク・ハリーハァ・ビン・ハマド・アール・サーニを
無血クーデターにより追放、長男である現在の元首が実権を
掌握したのです。

 そして、首長の狙いは、「カタールをペルシャ湾岸地域の
重要拠点となる豊かで安全な中立国」にあると著者は、
いいます。

 なぜ、こんな長い前置きがあるかといえば、これから
この本を紹介するにあたって、是非とも知っておかなければ
ならない前提知識だからです。

 アラビア語で、「島」や「半島」を意味する
「アルジャジーラ」。
 この名前が、放送局だ ということを知ったのは、ごく
最近のことです。2003年のイラク戦争でしょうか。


 いま、「アルジャジーラ 報道の戦争 すべてを敵に
回したテレビ局の果てしなき闘い」(ヒュー・マイルズ 著、
河野純治 訳、光文社、2005年8月)を読みました。


 アラブ諸国の報道組織は、所属する国の権力に従順で
国または国王の不利になる情報は、一切報道しなかった
らしいのです。

 1996年11月1日、アルジャジーラは放送を開始
しました。その直前、首長と編集局は、「アルジャジーラは
首長の介入をうけない独立した放送局として運営され、
万一その独立が損なわれた場合には、編集局スタッフ
全員が辞職する」というで合意していたのです。

 当時、サウジアラビア資本で、ロンドンに本社をおく
中東放送センター(MBC)は、ニュースと時事番組で
人気のチャンネルだったそうですが、サウジ政府の
都合の悪い情報は報道しなかったようです。

 1998年、カタール首長は情報省の廃止を決定し、新聞、
テレビ、ラジオの検閲を撤廃し、国家の介入をうけない
独立した機関になりました。勿論、憲法にも報道の
自由が謳われています。(後日、アメリカから報道の
規制を要求されたのに、憲法をたてに拒んだのです)

 1990年代初頭、サウジのファハド国王のいとこが
衛星テレビ会社を始め、BBCワールドサービスの
アラビア語ニュースを放送しはじめた。しかし、放送
内容をめぐって争いになり、結局放送を止めました。

 このときのスタッフが、しかも優秀なスタッフが
アルジャジーラに入社したのです。約120名。

 そして、中東における紛争や戦争がアルジャジーラを
成長させていくのです。放送内容が、特定の国によっては
報道してほしくない事柄なので、結局、四面楚歌の
状態になったり、その国の支局が廃止されたりと
ある意味、苦難の道でもあったのです。

 著者は、アルジャジーラは、報道の中立を貫いている
といいます。随所に、アルジャジーラの上層部のコメント
がでてきます。

 例えば、ジハード・バッルートは、
「アラブ世界から批判がでてくるのはわかる。なにしろ
アラブの人々は、それまで政府発の情報を一方的に
与えられるばかりで、言ってみれば何十年も暗闇で
暮らしていたようなものだから、真の報道がどういう
ものなのか、まるでわかっていなかったんだ。しかし、
欧米からの批判には参ったよ。アラブ人なんかに
まともなニュース番組ができるわけがないと思って
いたんだろう。まったく腹立たしいかぎりだ。」
と、述べています。

 アルジャジーラで人気の番組は、「モア・ザン・
ワン・オビニオン」(一つ以上の意見、「反対意見」)
というものです。
 これは、対立する2つの代表に討論して
もらう番組ですが、場合によっては罵声、罵り合い、
はたまた、放送中に退席してしまう というなんとも
凄まじい討論らしいのです。

 そして、この番組への苦情も凄かったらしいです。
その苦情にも、アルジャジーラの基本方針である
「いかなる勢力、いかなる国家からも独立した放送局
であることであり、報道内容は、ニュース価値がある
こと、正確であること、客観的であること、という
基準で報道している。」と明言しているのです。

 また、不定期のドキュメンタリー「トップシークレット」
(最高機密)は、論争の的となっている諸問題について、
徹底的な調査報道を行うものです。

 毎週土曜日に放送される「オープン・ダイアローグ」
(開かれた対話)は、十数人の一般市民がゲストと
対決するという形式の討論番組です。

 そして毎週月曜日に放送される「オンリー・フォー・
ウィメン」(女性専科)は、女性に関する問題を取り上げる
90分番組で、司会はルナ・シベルというシリア人女性
です。


 第二次大戦ではニュース雑誌のタイムが部数を伸ばし
1991年の湾岸戦争ではCNNが注目をあび、
アフガン戦争や2003年のアメリカのイラク侵略戦争
(アルジャジーラは、こういう戦争名で呼んでいて、
アメリカから名称変更報道について要求がきましたが、
拒否しています。)では、アルジャジーラが注目され
ました。

 イラク侵略戦争のとき、バクダットにいたメディアは
アルジャジーラの記者しかいなかったのです。だから
他の報道機関は、アルジャジーラから映像を購入する
しかなかったのです。あのCNNにしても。そして、
日本のNHKも。

 この報道で、アメリカがプレス発表した嘘が、
暴かれてしまい、アメリカからの偏向報道との非難を
受けました。どちらが偏向報道をしているか、または
国家が強要してきたか、その後の情勢や報告が示して
います。

 アルジャジーラは、いまでも赤字です。日本のNHKが
映像を購入してくれるおかげで、だいぶよくなって
きているようではありますが、赤字です。

 不足分は、元首がだしているようです。金をだすが
口はださない ということです。日本とは違いますね。


 放送局は、いろいろな意味で、いろんな介入があります。
国家が介入してきたり、アメリカのように戦争地域に、
従軍報道記者を連れていくことや、広告掲載を見返りに
恣意的に報道内容の方向を打ち出してきます。

 はたして、日本のメディアは、アルジャジーラのように
活動している局はあるのでしょうか。

 アルジャジーラは、24時間、世界に向けて放送をして
いますが、欧米のテレビ番組とかわらず、1時間半毎に、
ニュース映像が流され、最新のニュースが続きます。これが
365日休みなく続いているのです。欧米との違いは
CMの少なさだそうです。1時間に1度もCMが流れ
ないときもあるそうです。(うらやましいですね、NHK
でさえも、自社CMというか予告CMを流していますから)

 もっとも、サウジとの情報の争いが続いているため、
アラブ企業の広告が、サウジの影響で来なくなっている
とのことです。

 日本語のアルジャジーラがあればいいのに と思う
気持ちになりました。NHKを解約しても見たいものです。
(NHKは、BS衛星放送だけの契約はできないの?、
夜10時からの海外ニュースは、見るに値しますが、
編集のしすぎで、時間が短くてもの足りません。)

 一時、ディベート(debate)がはやりました。
企業でも学校でも。
 このディベートとは、ある議題に対して肯定・否定の
2つの立場に分かれ、それぞれの論点を分析・検証し、
論証を行い、聴衆や審判員等の説得を通じてより説得的な
論を展開するという形態の議論です。

 その延長上が討論でしょうか。日本の放送局でも
討論番組が流れますが、専門家でもない人達がでてきて
(有名かどうかはわかりませんが、なぜか芸能人が多い
ですね)、もっと具体的に、そして論理的に話してよ と
思うこともあります。

 アルジャジーラの反対意見の番組を日本語で
見てみたいものです。

(6月18日)


アルジャジーラ報道の戦争
著者:ヒュー・マイルズ /河野純治(1962ー)
出版社:光文社






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最終更新日  2007年06月18日 09時41分08秒
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