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淀風庵の酒詩歌日記
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淀風庵の日記 [全1278件]

2012年6月3日楽天プロフィール Add to Google XML

  町田康と織田作のテーマ共通性
[ 織田作之助 ]  

 ●町田康と織田作のテーマ共通性 

 世相や時代感覚を、それを映し出すに相応しい人物を通して描く。
特に、登場する主人公は「迷走けつまずき落後人生」をおくる。こういうテーマ性において町田は織田作と共通性がある。(淀)

 織田作『世相』にある「思えば私にとって人生とは流転であり、淀の水車のくりかえす如くくり返される哀しさを人間の相と見て、その相をくりかえしくりかえし書き続けて来た私もまた淀の水車の哀しさだった。」の記述がごときコンセプトが町田にも感じられるのである。
 
 織田作自身が以下のように作中で、人間を描くことを通して世相を描くべきだと述べている。
 「再び階段を登って行ったとき、新吉は人間への郷愁にしびれるようになっていた。そして、「世相」などという言葉は、人間が人間を忘れるために作られた便利な言葉に過ぎないと思った。なぜ人間を書こうともせずに、「世相」を書こうとしたのか、新吉ははげしい悔いを感じながら、しかしふと道が開けた明るい想いをゆすぶりながら、やがて帰りの電車に揺られていた」(織田作『郷愁』)

 そもそも町田の『夫婦茶碗』は、題名からしても内容からみても、織田作の『夫婦善哉』から発想した現代版と類推できるのである。 
筒井康隆はこの『夫婦茶碗』の解説文において、「下降志向、狂気への指向」とテーマを要約しているが、これすなわち世相を反映させたテーマであるとみてよい。

 町田の『きれぎれ』についての池澤夏樹の解説に、「成り上がった大衆として
の中流階級への強い嫌悪感」「主人公の思惑と現実との間に次々に生じるズレ。
限りなく増殖する失敗談」と、テーマを要約している。

 「社会に適応できない無能な若い男の起死回生の試みがすべて外れ、話は高速で、しかし脱力的に、思いも掛けぬ方へ展開し、やがて唐突に終わる」(同上)
また、町田『人生の聖』には「打ちのめされ這い上がる」(192P)や「心をねじまげて現実を乗り切る」(124P)という主人公が描かれている。
  
 織田作の主人公もみても、『夫婦善哉』の柳吉、『六白金星』の楢雄、『世相』の横堀など社会へ真っ当に適応できない男が描かれることが多い。(続く)


最終更新日時 2012年6月3日 10時31分19秒
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2012年6月2日

  台湾の経営者と旧交を温め 
[ アジアンドリーム ]  

 昨夜は京都駅前に宿泊していた、台湾の広告代理店副社長兼ネットサーベイ会社社長T氏と再会。10年ほど前に台北で会って以来である。T氏は20数年前、当時提携していた東京の広告代理店のマーケティング局に研修のため2年ほど在籍し、知己となった。
 
 現在は教授を退官して京に住む、元同僚のIさんともども駅ビル1階の居酒屋で会食、T氏は日本酒の熱燗と冷に付き合ってくれ、そんな雰囲気のなかで東京にいるかつてのマーケ仲間に携帯での話を交えて、過去、現在の話題は尽きなかった。私にとっては、仕事よりも彼と歌舞伎町で遊んだことが思い出だ。

 まだ60歳前でバリバリの経営者であるT氏は、上海ほか中国の4支店と、台北を精力的に行き来しているが、台湾系企業が中国で現地人を90%雇用して事業を行なうという、両国の鷹揚な感覚がピンとこない。

 せっかくくれた台湾茶、悪いことに電車に置き忘れた。後味がちょっとだが、いずれ上海に伺いたいものだ。


最終更新日時 2012年6月2日 23時5分36秒
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  町田康と織田作の文体共通性
[ 織田作之助 ]  

 ●町田康と織田作の文体共通性

◎町田の小説は、1~4に掲げる織田作の文体と基本的に合致する。

1.「ずっと連綿体の、早いスピードで会話文もみんな地の文に入れていくような、織田作独特のやり方」(藤沢桓夫『回想の大阪文学』1983年刊、93P)

「……」と彼は言った、などという月並みな文章と織田作自身が否定的である。(織田作『神経』より)
 
 西鶴の連俳的な早いテンポ、パンクロックのような乱れ打ちのようなリズム?に共通性がありそうだ。(淀風庵)

2.「小説というものは、文章であるけれど、必ずしも行儀の良い文章、ちゃんと形の整った文章が最高点の文章であるわけではありません。…その人なりのくせ、その人だけのくせみたいものがある方が魅力的です。」(同94P)

3.「彼は(織田作)東京から思想がない、とかいわれてくさされたわけなんです。それで、健全とか健康とか一流とか重厚とか“芸術性”に対抗意識をもつようになり、逆に軽佻浮薄だと居直っていくわけです。」(杉山平一談、96P)

4.「織田君は抽象に走らない。観念の文学を嫌った。店屋の名前を書き連ね、細かい金額までびっしり書き込んでいく。名前好き、数字好き。井原西鶴を意識する以前から、織田君には西鶴と通じ合う文学気質があったと、私は見ています。」((『大阪人』2006年6月号より、杉山平一文)
 
 「織田君は宇野さん(浩二)が手掛けた語りの文学の地盤を固めた。野坂昭如さん、町田康さんらが受け継いでいく。語りの世界も大阪の持ち味ですね」(『大阪人』2006年6月号より、杉山平一文)という見解に至るのである。

 さらに、大谷晃一は『織田作之助作品集』第3巻の解説において、「彼が夢見たように、いまは私小説信仰はすたれ、彼の大阪のしゃべくり風の文体が、野坂昭如氏や町田康氏らによって受けつがれ、生きつがれ、輝いているのである。」と述べている。

●町田康の文体について
 (ウィキペディアより)
 独自の文体、語法、話法を確立。スラップスティックな笑いに象徴される物語や、描写におけるナンセンスと馬鹿馬鹿しさの徹底ぶりは、上方落語を源流とし、前述のロックミュージック、時代劇、河内音頭などの影響があるとされる。またプロットは嘉村礒多や近松秋江等の第二次大戦以前の破滅的な私小説や、織田作之助、太宰治などの新戯作派の系譜を受け継ぐと評される。
 (プロット:物語を作るときの設計図・構想のことを指す。物語のあらすじ、登場人物の設定や相関図、事件、小道具、世界観などがプロットに含まれる。
スラップスティック:どたばたギャグ)

 1.「遊び感覚の充満する冗文体」~冗漫・冗長・冗談・冗語・冗句・ジョーク~

 町田の作品全体を通して、笑いを誘う態度と言葉に溢れており、一言でいえば「冗文体」である。
 初めまごつくが、何やこれと思いながら、巻き込まれて納得してしまう。これは浮遊感やインボルブ感といえようか。(淀風庵)

 2.連綿語り文体で雄弁にして饒舌

 文体的には、饒舌しゃべくり体、物語の早い展開テンポとリズム感が似通っているように思える。これを「いらちっぽい」テンポと感じる大阪の読者も多かろう。 (登場人物の死さえ一言であっけなく片付ける)

 町田自身が次のように語っている。
 「僕は小説で大切なのは、音楽のノイズ(雑音)にあたる部分をカットしないことだと思います」「世の中の新聞や雑誌に載るニュースや記事は、理路整然としている。でも、それを根底から問い詰め、排除されたものをとらえ直すことで小説は始まる。パンクとは疑うことです」(第140回芥川賞を受賞した津村記久子と町田康による、読売新聞2月11日(朝刊)の対談)

 一方、宇野浩二は織田作を評して、「あなたの小説は、すらすらと、読め、よみながら、せかせかと追いたてられるような気のすするところはあるけれど、読み出したら、むちゅうで、しまいまで読みとおしてしまう、が、読んでしまってから、いつも、たいてい巧みな嘘をつかれた、というような気がする」と述べている。

 「せかせか追い立てられるような感じで、しまいまで読んでしまい、嘘をつかれた気がする」のは、町田の小説と同じ感覚ではなかろうか。(淀)

 小説については、従来、2つの流派が考えられた。(中村明『作家の文体』)
 1)流麗派―和歌的文章―谷崎潤一郎
 2)簡潔派―俳句的文章―志賀直哉
 これに、
 3)饒舌派―西鶴、織田作之助(市井的戯作的草紙的説話的?)を加えることができ、町田の文体もこの饒舌派に属しよう。(淀)
  
 3.「パンク的支離滅裂的文章」
 へらへらコミック的、ファンキー的、支離滅裂的会話派である。
 
 「しかし、なあ、はっきりいうぜ、おい、貴様の二人の娘、特に清子のほうはなあ、てめぇがどこの誰だか全然しらないんだよ。なあ、おい、はっきりしろよ、馬鹿野郎、って、自分は、液晶画面に映った坂本清十郎に話しかけていた」(『人間の屑』210P)

 4.抽象に流れずすべてが具体的
 『きれぎれ』解説の池澤夏樹氏によると、抽象に流れず、すべてが具体的としている。
 この点は、杉山平一が織田作について、『大阪人』(2006年6月号「文士オダサク読本」)で語っていることと合致する。「織田君は抽象に走らない。観念の文学を嫌った。店屋の名前を書き連ね、細かい金額までびっしり書き込んでいく。」

 以上にプラスして、「大阪弁の抽象性、あいまいさ、かるさ」が加算されよう。(淀)


最終更新日時 2012年6月2日 11時55分18秒
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2012年5月30日

  「酔客万来」にみる中島らも、高田渡
[ 酒本 ]  

 2007年に単行本は刊行されているもので、本書は古本で買って読む。

 すでに2004年に事故で脳内血腫で亡くなっている作家の中島らも(享年52)と2005年に心不全で亡くなったフォークシンガーの高田渡享年56)、ならびに競馬評論家の井崎脩五郎、プロレスラーの蝶野正洋、漫画家かのみうらじゅんの5人へのインタビュー記録である。

 酔客といった生やさしい連中ではない。気違い酒の面々の実相が、インタビューが進む、すなわち飲酒が進むにつれて明らかになる。

 らも、初め寡黙だったが、冷酒4杯目あたりからエンジンがかかり、インタビュアーに乗せられて、大小便の失禁の話へ。だが、肝機能障害で、『せんべろ探偵が行く』の頃のような乱痴気ぶりや精彩に欠けている。アルコール中毒への闘病を描いた『今夜すべてのバーで』の後に摂生を余儀なくされているのだ。

 井崎もほぼ毎日のように一升酒で、下痢のしっぱなし、軟便友の会の会長という。銚子が次々倒されるにつれ、調子にのってびろうな失敗談が次々。
 こんな 乱痴気な評論家だったとは知らなかったが、昔、競馬をやってた頃に、彼の予想馬券は買わないようにしていたのは、正解だったのだ。
 
 蝶野は新日本プロレス時代の、先輩レスラー達の、旅館を破壊するほどのはちゃめちゃな酒バトルと乱闘騒ぎを披露している。

 いちばん面白かったのが、ゲロ、失禁、脱糞、頻尿なんのその、話題がユーモラスにぽんぽんと多岐に跳ねる高田渡であった。作家の話も出て、「太宰治と飲んでても、おいしくないと思う」「坂口安吾と、悶々とする中で飲んだほうが、たぶんおもしろいと思う」、そして「志賀直哉、あんないちいち理屈をこねるジジイとは飲みたくない」。島尾敏雄や山頭火の話にも及んでお開きとなる。

 高田渡は詩人、石原吉郎の「酒が飲みたい夜」に曲を付けて歌っているが、あらためて聞いてみたくなった。


最終更新日時 2012年5月31日 0時11分51秒
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2012年5月29日

  森見登美彦「恋文の技術」とおっぱい 
[ 笑いすごそう ]  

 携帯、メールの時代に、書簡のやり取りが当人と相手をひっかえ取りかえ繰り返される。

 まず、テーマが奇妙である。恋文代行業のベンチャー企業を起こそうと夢想する大学の研究生が主人公で、作者の森見に相手を口説き落とす絶対的恋文の真髄を明かせと迫るところが当作品の奇妙な構図だ。

 そして書簡の文面に関しては、その度に喜怒哀楽の変調が目立ち、感情に従って語句が優しかったり厳しくなるので、このバラエティに富んだ筆致が見ものである。

 もうひとつの特出?は、「おっぱい」へのあくなき妄想。友を諭すようでありながら、当人が「おっぱい」自家中毒だから、ええかげんにせいよと思いつつ、読者を愉しませる。

 「おっぱいおっぱいと連呼して、君は恥ずかしくないのか。」
 「おっぱい絶対主義は克服されなければならない」
 「いつまでもおっぱいにこだわっていては、立派な大人にはなれやせん」

 「おっぱいそれぞれ、人生それぞれ」…


最終更新日時 2012年5月29日 19時2分18秒
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2012年5月27日

  詩人・杉山平一先生に黙祷
[ 織田作之助 ]  

 オダサク倶楽部の顧問格であった詩人の杉山平一さんが、19日に97歳で逝去された。

 西宮で行なわれた21日の通夜には高橋さんが、22日の本葬には井村代表、三島先生、北沢先生と田辺さんが参列した。

 そして、昨日催された倶楽部のシネマさろんにおいては、冒頭に杉山先生へのご冥福を祈り、感謝の念で黙祷を捧げた。2001年、2003年ののオダサク映画祭にも協力いただいた。

 先生は大阪の北野中学を卒業、松江高校時代に三高の織田作と知り合い、互いの高校の文芸誌を交換し、親交があった。東大の文学部美術史学科に在学中には詩人の三好達治に認められ、同人誌「四季」に参加、卒業後、昭和10年に東京で織田作等によって発刊された文芸誌「海風」の同人として交友が深まった。

 昭和15年に、この「海風」に掲載された織田作の『俗臭』が芥川賞候補作品となり、『夫婦善哉』が改造社主催の文学賞を獲得している。

 杉山先生は昭和18年発表の詩集「夜学生」で高く評価され、その後、映画評論でも活躍、著書も多い。今年3月、詩集「希望」で現代詩人賞に選ばれ、6月2日の授賞式に出席される予定であった

 織田作については、「西鶴的な世界の小説を書ける人でした」「西鶴同様に記述が羅列的」「物をして語らしめる精神だが、単に実利主義的なものではない」「映画が好きで非常に面白い人」などと評価している。

 杉山先生と織田作の間で取り交わされた書簡の一部は『織田作之助全集』(講談社版8巻)に収録されている。また、『回想の大阪文学』や『大阪人』における先生の織田作関係の書も読ませていただいた。

 私自身は先生とは面識はなかったが、織田作家家計簿はどの研究レポートを先生に2月20日に突然お送りした。これをご覧いただいたかどうか残念ながら分からない。



最終更新日時 2012年5月28日 22時56分59秒
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  織田作文学トリビア・16「小玉武『洋酒天国』とその時代」
[ 織田作之助 ]  

  織田作文学トリビア第16回
★小玉武「『洋酒天国』とその時代」

・小玉武さんについて

 1938年、東京生まれ。神戸、横浜で育つ。早稲田大学卒業後、37年に寿屋(現サントリー)入社、宣伝部で広告制作、『洋酒天国』編集を担当。広報部長、文化事業部長、TBSブリタニカ出版局長を歴任。『サントリークォータリー』創刊、14年間編集長。

・『洋酒天国』の時代

 『洋酒天国』はサントリー(旧寿屋)の開高健、山口瞳、柳原良平(アンクルトリスの画)など錚々たるメンバーが制作に関わった雑誌で、主にトリスバーでノベルティとして配布され、顧客吸引に役立つPR誌であった。

 戦後が終わろうかとする昭和31年の4月から、39年の2月までの61号を数え、発行部数はピーク時には20万部を超えた、洋酒やモダンカルチャの通でありたい読者の人気雑誌であった。

 31年といえば、まだ学生時代であったので、トリスバーでの飲酒経験はなかったが、就職してから1、2回先輩に連れられて飲んだことがあるし、『洋酒天国』という洒落た雑誌もそれこそちらっと見た記憶がある。
 しかし、なにぶん薄給、酒屋の立ち飲みがせいぜいであったので、別世界のようなスタンドは腰も気持も落ち着かず、一杯程度ハイボールを飲んだのではなかったかと思う。スタンドバーや『洋酒天国』にみる大人のモダンな社交的な世界には、私のような田舎者は付いて行けなかったのだ。

 新入社員のとき(昭和37年)からこの編集に関わった小玉武は、詳細な文献をもとに、制作者や本誌に執筆した作家、画家、評論家などのことを、まとめている。具体的には、植草甚一、淀川長治、薩摩治郎八、埴谷雄高、山本周五郎などの章を設けている。

 開高、山口という芥川賞作家ほか有能な先輩に指導を受け、当時のモダン派の先端をゆく著名人から刺激を受けたことは、小玉にとって僥倖であったし、その感動が本書を書かしめたと思われる。

・織田作の紹介と織田作賞

 本書の冒頭に、昭和21年11月、当時の寿屋(現サントリー)に入社したばかりの佐治敬三が家庭夫人向け暮らしの啓蒙誌「ホームサイエンス」を創刊したことが紹介されている。設立したばかりの財団法人食品化学研究所を発行元として出版事業に乗り出したのだ。佐伯自らが編集に関わり、後に開高夫人となる牧羊子が編集部の一員として活躍を始めることになる。
 サントリーの経営陣や人脈には大正時代からの阪神モダニズムの影響が濃厚で、本誌もその水脈が流れていると小玉は述べている。

 さて、この創刊号に、「現代の女性を語る」の記事が掲載されており、この座談会には藤沢桓夫、長沖一、阿部知二、宇井無愁等とともに登場するのが、流行作家として注目されていた織田作之助であることが前書に書かれていた。寿屋が大阪に本社があったことにもよるが、大阪出身の作家連を中心に阿部知二が加わっているのが興味を引く。

 座談会のサブタイトルが「戦争が招いた教養のギャップをどう埋めるか、如何にして若者の時代をつくるか」とあり、織田も強い女性の登場を感じとった発言をしているが、現代のような男性と同等の強い女性の出現は想像できなかったであろう。

 この創刊号が出て2ヵ月後に織田作は東京で、読売新聞連載の『土曜夫人』を書いている途中に他界しているから、この小説と座談会記事は、織田作の戦後、新時代の女性観を知るには貴重な記録となった。 

 小玉は本書によって、2007年に第24回織田作之助賞を受賞しており、この座談会の紹介が受賞に一層相応しく花を添える結果となった。


最終更新日時 2012年5月27日 18時16分38秒
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