カテゴリ:詩、俳句、短歌、川柳、都都逸等
この季節好きな食べ物を一つあげよと言われれば、迷わず"とうもろこし"と答えたい。 子供のころ家の畑(といっても猫の額ほどの家庭菜園)で、祖母が必ずとうもろこしを植えていた。それが実をつけるのは、夏休みに入るころであったろうか? 学校が休みになるのと、とうもろこしが食べられるのと、7月は一年で一番楽しみな月だったような気がします。 まったくお盆の前に「盆と正月が一緒くたにやって来る」ように感じたものです。(笑! それが最近は農作物が一年中出回るようになり、季節感がまったく薄れてしまいました。今の子供たちは何を楽しみに7月を迎えるのだろう? 知り合いの方から、初物のとうもろこしをいただきました。早速茹でて食べることに。 近頃のとうもろこしは品種改良が進んで、粒も大きく揃っていて、しかも甘くて柔らかいですね。私の祖母の畑で採れたとうもろこしは、粒は小さく色も不揃いで固かった。虫食いの跡もたくさんあった。 私が中学1年のとき亡くなった祖母は、やはりこのように塩ゆでにして私たち幼い兄弟にとうもろこしを与えてくれたのでした。祖母はとうもろこしを房から一粒二粒指で掘り起こして口に入れては、その年のとうもろこしの出来を探るのが常でしたが、決まってそれ以上食べようとはせず手にしたとうもろこしを半分に折って、それぞれを私たちに与えてくれたのでした。 ところでとうもろこしって、茹で上がりのアツアツを房ごとかぶりついてこそ美味しいもの。一粒ずつ実を掘り起こして口に入れたところで、何を食べているのかわからないですよね。 今私もあの時の祖母の年齢に近づいてようやくその訳がわかりました。祖母は歯の具合が悪くて房ごとかぶりつくことが出来なかったのだと。 もろこしの固さに祖母の偲ばるる お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年07月18日 04時38分56秒
[詩、俳句、短歌、川柳、都都逸等] カテゴリの最新記事
|
|