ひとりごと♪

「文化の日」の今日は、
正倉院展（奈良国立博物館）と、神話展（奈良県立美術館）へ。



まずは、正倉院展。


夕方に行ったので、入場待ち１５分でＯＫ。
（昼間は、もっと行列が伸びるそうです）

しかし、昨年同様（2008/11/10ブログ）、
入場してからが大変でした。


どの展示物も激混み。


多くの人が律義に順番に並んで鑑賞しているなか、
私は空いているところを狙って、あちらこちらと移動鑑賞。
チビの私が効率よく鑑賞をするには、このスタイルが一番。


今年は、現天皇御即位２０年を記念しているからか、
例年以上に、いい作品が展示されているように感じました。



以下、印象に残った展示物を。


・緑牙撥鏤把鞘御刀子

全長18.7ｃｍ。小さな小さな展示物。
聖武天皇御遺愛の宝物だったとか。象牙。
保存状態もすばらしくよく、
鮮やかな紺色に、お花や鳥などが彫り込まれ、
デザイン性にかなり富んだ作品。



・楽毅論

光明皇后の真筆と伝えられる書。
行く前から楽しみにしていた展示物でしたので、
じっくりと拝見させて頂きました。

書に残された皇后の「字」は、
一つ一つの線がきっちり丁寧に書かれ、
書道のお手本のような感じを受けました。
枠からはみ出すことなく、どちらかというと堅い感じ。
（所々、バランスを崩した字があったのはご愛嬌？）
また、どの字も太くしっかりと書かれていて、全体から
男性っぽい印象を受けました。

筆跡診断？鑑定？に関しては、私、全くわかりませんが、
光明皇后は、それまでの伝統を破って、
人臣初の皇后となった方ですので、
色々な意味で、強い方だったんだろうなぁと
字を見て感じました。



・漆背金銀平脱八角鏡

黒漆地に金銀の薄板で、鳳凰や草花などを、
バランス良く全体に散らして描いた作品。
上品な落ち着きが感じられて、かなりオサレ。
隣に展示されていた平螺鈿背円鏡よりもずっと私好み。



・紫檀木画槽琵琶

琵琶背面の華やかな文様は、
何度見ても、見飽きることはないだろうなと
思わせるくらいにステキでした。

全体のバランス、色使い、
描かれた文様の可愛さ（特に鳥の顔）。

今回の展覧会リーフレットのトップ写真に
選ばれるのも納得の美しさでした。



・琵琶袋残欠

残欠ではありましたが、青地に唐花文様が華やかに
織り込まれて、なんて贅沢な美しさだろうと
溜息がでました。
今も昔も、また国が違えども、美しいと思う感性・感覚って
変わらないんだなぁと思った作品でした。



・子日目利箒

儀式用とはいえ、箒ひとつをとっても
なんて贅沢なんでしょか。

持ち手の部分に革を巻き、その上に金糸もグルグルに重ね巻き。
枝の所々にはガラス玉をはめ、
実用する気全く無し？！




・沈香木画箱

これも、びっくりする位、センスのよい作品でした。
あまりの華麗さに“うわっ”と小さな叫び声？をあげてしまいました。

ビャクダン材、シタン材・沈香といった、
高級素材を使用しているということよりも
私の心をとらえて離さなかったのは、そのデザインでした。
薄板をモザイク調に並べただけの柄なのですが
その組み合わせが、びっくりする位美しい。

本当に美しいものは、華美に飾りつけなくても
輝いて見えるんだってことを私に教えてくれた作品でした。




正倉院展　～１１／１２まで

奈良国立博物館　ＨＰ




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続いて、神話展を簡単に。



こちら、平城遷都１３００年祭プレ展示ということで
開催された特別展でしたが、

う～ん。。。。

私が神話に興味がないこともあってか、
インパクトに欠ける展覧会だったように思いました。



ただ、河鍋暁斎と、その娘・河鍋暁翠の
両「天の岩戸　天宇受売命の踊り・手力男命岩戸開き」を
見比べできたのは、ラッキーでした。

暁翠の方が、女性らしく、色を多く使って
描いていました。




本多錦吉郎「羽衣天女」は、兵庫県立美術館の常設展？で
よく展示されているので、
“またまたお会いしましたね”って感じで
思わず絵に挨拶しそうになってしまいました（笑）




山本芳翠「浦島図」は、
先日行った“道教展”で観たばかりの作品。
この絵に描かれた浦島太郎の顔が
フリーダ・カーロが描く絵のような感じがするのは
私だけでしょうか？



などなど。


「神話展」　～１２／２４まで

奈良県立美術館　ＨＰ