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テーマ:最近観た映画。(38969)
カテゴリ:映画の話
「目玉焼きが美味しそうに見えないなぁ(ジブリなのに…)」 「人間の歩き方がギクシャクしてるなぁ(ジブリなのに…)」 …と、最初のうちは妙にアラばかり目に付きました。 その上、高校生の純愛!熱く燃え上がる学園の青春!出生の秘密もアリ!と、「ベタ」な要素のオンパレード(少女漫画が原作なので、当然といえば当然なのですが)。 私の好みから言えば、ジブリの映画じゃなかったら、あらすじを見ただけで拒否反応…と思われるところです。ところが。 いつの間にか、主人公の若者達に強く惹きつけられていき、まっすぐ映画に向かい合っていました。 描かれる恋の甘い切なさに、自分の胸がキュンキュン締め付けられる音が聞こえてくるようで(笑) 手嶌葵嬢の歌う主題歌「さよならの夏」が流れるエンディングには、目頭が熱くなってしまいました。 故郷の横浜が舞台になっていたことも、私の思い入れを強くした理由の一つだと思います。 さすがに生まれる6年前の話なので、描かれる情景は自分の記憶とは重ならないけれど、山下公園のあたりは今も変わらない印象。昔の桜木町駅も懐かしかった! 私が、映画の主人公達と同じ高校生だった頃は、みなとみらい地区の開発プロジェクトがスタートした時期。 海を見下ろす校舎の窓から、ベイブリッジが出来ていく様子を日々眺めていたものでした。 澱んだ潮風に、錆びた鉄の匂いが混じってくる、子どもの頃に見ていた横浜港。 その頃は、あの戦争がなければ違う生き方をしていた、そういう大人の存在も間近だった…と、映画と重ねて色々なことを思い出しました。 主人公の海と俊。清く正しく美しい若者達が安っぽく見えないのは、その存在感の明るさが、時代の影の部分と背中合わせであることが伝わってくるから? それでも、無条件に希望を信じて進んでいく、未来に心を開いた姿がまぶしかったです。 もう十代の少女には戻れないけれど(笑)こんな風に生きなければ人生もったいないよね、と素直に思ってしまった。 「上を向いて歩こう」というコピーに込められた、作り手のメッセージ。この時期に出会えてよかった、と思えた作品です。心洗われる90分でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.08.03 02:21:07
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