密葬密葬についての Q & A Q 密葬とは A 言葉としての密葬とは、 ひそかに葬ること、内々で行う葬式、と定義される。 Q 密葬とは秘密に葬るのか A 密葬とは、 その字のごとく密かに内々に葬儀や火葬をすること、 他人に公開せず ごく身内で行う葬儀のこと、 死亡通知する範囲をごく近い血縁者に限定して見送る葬式のこと、 「一般の会葬者からの弔問を受ける告別式」の無い葬式のこと、 で、 死亡通知する範囲は主催者の希望によりますが、 仲の良かった友達や本人と関係の深かった人も呼べますし、 僧侶など宗教者を招くことも有ります。 身内だけで儀礼的な式は省略してシンプルに行なうもので、 病院から自宅に遺体を移送し、一晩家族が付き添い、翌日火葬します。 Q 密葬では葬儀と告別式をどう行なうか A 葬儀とは、故人を供養し見送る儀式で近親者(遺族・親族)によって営まれる葬送儀礼です。 告別式とは、故人と親交のあった方を呼んでお別れをする式典のことです。 現在は葬儀と告別式を続けて行い、合せて「お葬式」と呼んでいます。 家族葬は、葬儀と告別式を近親者だけで行うものです。 密葬は、近親者だけで葬儀と火葬を先に済ませ、告別式を別に行うものです。 Q 密葬と本葬はセットになっているのか A 密葬とは近親者だけで火葬までの儀式を済ますことであり、 日を改めて対外的にもう一度行う祭儀を本葬と言います。 密葬後にお別れ会や偲ぶ会、社葬など 正式な本葬を行うケースと密葬だけのケースがあります。 【セットになっているケース】 ・年末年始に死亡し近親者だけで密葬し松が取れてから皆さんに案内し本葬をするケース ・農村部で農繁期に死亡し葬儀の手伝いをお願いしては悪いととりあえず密葬にし 仕事に少しゆとりができた時に本葬をするケース ・準備期間が多大にかかる団体葬や社葬などの前の仮の葬儀というケース ・会社の経営者が死亡して社葬にするときは多方面に案内したり運営の準備に時間が必要なため、 死亡直後は近親者で密葬をし、1~2ヵ月後に本葬として社葬をするケース ・喪主になる人が遠方にいるなど葬儀に間に合わないというケース ・レストランセレモニーやホテルでのお別れ会に先だって密葬をするケース ・遺体の保存状況を考慮しての葬儀に先立っての火葬というケース ・海や山の遭難で現地葬にしたり外国での客死のようなケース ・家族が、死亡直後の葬儀が負担となる場合、とりあえず密葬にしておき、 後日、知人、友人、関係者に連絡してお別れ会をするケース 【密葬だけのケース】 ・故人が遺言などで身内だけの葬儀を望んでいたケース ・故人の価値観や遺志を尊重し密葬のみとするケース ・本葬を行うことなく近親者での密葬だけで終わりにするケース Q 密葬のメリットは何でしょう A ・家族だけで静かに送る事により時間的精神的余裕をお別れに集中出来る。 ・遺族や本当に親しい人だけで故人のそばで思い出話をして過ごすことが出来る。 ・大きな式場でなくとも葬儀が出来る。 ・親族10人ほどなら自宅葬が出来る。 ・返礼品・食事代などの葬儀における接待費の圧縮が出来る。 ・弔問客との応対は葬儀後の落着いた時に出来る。 Q 【密葬だけのケース】でのデメリット(リスク)は何でしょう A ・故人の遺志や家族の主張により一方的に他の方に対してお別れの機会を奪ってしまう。 ・葬儀そのものが大きな意味を持つと考える親戚などが異論を唱える。 ・故人の兄弟が「簡単に兄の葬儀を済ますな」ということを言い、親族同士で後々までもめる。 ・一般的葬儀と異なる変則的葬儀であり変わり者などと思われる。 ・悔いを残さぬよう家族の意思統一が肝要。 Q 密葬で困った事例は A ・親戚に嫌な顔をされた。 ・線香をあげさせてくださいという人が毎日来て日常生活が犠牲になった。 ・本人しか知らない友人にお別れをする場を提供できなかった。 ・お宅にはお香典を頂いているから申し訳なくてなどと気遣いをさせてしまった。 ・故人が意外に交友が広く遺族がそれに気付かなかった。 ・後から聞きつけた故人の友達が次々お参りに来て「最後のお別れをしたかった」と言われた。 ・後から「なんで知らせてくれなかった」「最後に顔を見たかった」と非難された。 Q 密葬とする理由は A 「近所に知られたくないから・・」 「経済的にもあまり費用もかけられないので・・」 「身内以外は呼びたくありません・・」 「会社関係や知人には知らせたくないので・・」 「派手にしたくないので・・」 Q 密葬の手順 A 1 病院から自宅あるいは遺体保管所への搬送 2 納棺や役所手続き(死亡診断書を提出し火葬許可書を取得)など 3 死後24時間以降に火葬・拾骨 * 死亡時刻より24時間を経過しないと火葬は行えないと法律で決められている。 Q 密葬に必用なもの A 1 棺 2 骨壷 3 遺影(選択) 4 位牌(選択) 5 納棺花・出棺花(選択) 自宅では枕飾りを用意してお線香を上げたり、 坊さんを呼び読経をお願いしたり戒名をいただいたりも出来る。 Q 荼毘式って何 A 荼毘式とは火葬のみで通夜や告別式を行わないこと。 * 荼毘(だび:火葬でお骨にすること) Q 火葬式って何 A 葬儀は執り行わなく火葬だけを行い、 茶毘に伏す事を中心に故人を見送る葬送の事を言う。 「茶毘に伏す」とは、火葬だけしかせずに送り出すという意味。 荼毘に付すだけの簡易密葬でも、 故人の尊厳を無視しているわけでなく、 親鸞も遺体は鴨川の魚の餌にでもしてくれと言った。 Q 直葬とは A 葬儀を行うことには法的な義務はないので葬儀をしないことも可能。 葬儀をしない場合も、亡くなった場所からの搬送、納棺、安置、 死亡診断書の提出と火葬埋葬許可書の取得、火葬が必要ですから、 葬儀社への依頼が必要になり費用もかかります。 この場合、身内だけで火葬に臨みますが、 火葬時に僧侶にお経をあげていただくこともできます。 このような葬儀を直葬と呼ぶこともあります。 Q 骨葬とは A 一般には葬儀の後に火葬を行いますが、火葬の後で葬儀を行う地域もあり、 これを骨葬と呼びます。 密葬で火葬を行い、本葬は骨葬として行うこともあります。 Q 密葬と家族葬はどう違う? A 密葬は、本葬の前の家族だけによる葬儀という意味でしたが、 今では儀式なしの火葬だけという意味に変化しております。 近親者のみで行う本葬無しの密葬を、 やさしいネーミングである家族葬と呼んでいるのです。 Q 密葬と無宗教葬の違いは A 密葬と無宗教葬は別なものです。 火葬のみであっても宗教者を呼ぶ事も可能で、戒名などを付けていただく事も可能です。 宗教儀礼を伴うかどうかではなく、 一般の人に通知しないで、あるいは知らせても参加は遠慮してもらって、 故人と本当に親しかった人だけで送るのが密葬です。 Q 密葬へ香典や弔電は A 密葬は家族と親族だけで行うもので 他人がかかわるのは避けるべきです。 密葬は特殊な希望が組み合わさる場合があります。 ・密葬+儀式無し=通夜とか告別式は省き火葬だけ ・密葬+香典辞退=香典不要、受取らない ・密葬+供花辞退=花も受取らない ただし、親族同然の親しさのある故人の友人などの場合は、 密葬であっても香典や弔問・弔電は可でしょう。 ただの近所づきあいとか仕事上だけでの付き合いという場合は遠慮すべきでしょう。 親しい友人の身内が亡くなった場合などや近所で親しくしていたというような場合には、 全てが終わってから、お悔やみをいい、「香典を渡したいのだが」と直接訊ねるのが無難です。 Q 密葬の場合の通知は A 密葬にする場合、まず第一に死亡のことは外に知らせず、 火葬まで終わったあと後日あらためて通知を出します。 予定外の参列者のために、落ち着いてお別れできるどころか、 結局普通の葬儀と変わらなかった、むしろ式場は混乱し、 また参列を断った人達に申し訳なかった、なんて事になりかねません。 葬儀日程の連絡は参列予定者のみに限定し、 勤務先にも「家族だけで送りますので、弔問はお控え下さい。」 と伝えておきます。 香典や供花を辞退する場合は、最初の連絡の際に、はっきり伝えます。 密葬後、死亡通知状、あいさつ状を郵送し、内々で密葬を行ったことを伝えます。 密葬が故人の希望であった場合はその旨をあいさつ状に書き添えておくと良いでしょう。 密葬が終わるまでは、不幸があった事を一般の人には通知しないのですが、 自宅で行なう場合は、近所には知られてしまうものですから、近所の人には出来れば早めに連絡して、 密葬である事と、弔問を控えていただきたい旨を伝えておきましょう。 Q 密葬後の社会的な連絡をどうするか A 密葬と知らせを受けて弔問を遠慮した方、 不幸を知らずに密葬の後に知人からその事実を知った方は まず遺族にお悔やみの連絡をされるでしょうし、 遺骨、遺影に手を合わせに伺いたいとの申し出があるかも知れません。 葬儀の後、一般の人への社会的な連絡として、 「近親者にて相すませました」という訃報ハガキで主たる人にはお知らせをして、 密葬が故人の希望であったことなど、密葬に至った事情をお伝えすることが良いでしょう。 Q 密葬の場合の新聞掲載は A 家族、親族のみで葬儀をする場合には、新聞掲載はひかえ、 葬儀後「葬儀は行われた」として掲載するのがよいでしょう。 その場合にはその後、知人などが自宅に弔問することが想定されます。 Q 密葬の場合の親戚への連絡は A 親戚への連絡の際も、親戚の方が気をまわして知人などに連絡してしまわないように、 密葬にて葬儀を行う旨をきちんと伝えましょう。 Q 寝台車は A 寝台車は陸運局から許可をもらった業者が営業しており、 料金も決められているので、葬儀料金と一体になっているとは限らない。 遺族の個人車両にて搬送することも可能だが、死亡診断書を所持しておいた方が良い。 Q 火葬場で骨上げの時どうして竹の箸と木の箸を使うのですか。 又、箸渡しの意味は何でしょう。 A 遺族による拾骨は日本独特の儀礼と言われています。 拾骨は、昔は箸で遺骨を順に次の人に渡していく形でしたが、 今は2人一組で遺骨を拾う形になっています。 拾骨の際、竹の箸と木の箸を使いワザと揃えないのは、 ごく近い身内にとって故人の死は驚きであり大きな悲しみとなる出来事であり、 箸が揃っているかどうかも分からないくらい気が動転しているということを表しているのでしょう。 箸渡しは箸と橋の音から、三途の川の橋渡しという思いから来ていると言われています。 皆で送ってあげようという気持ちの現れでしょう。 Q 自治会の役員をしており、 家族での密葬が執り行われたことの報告を受けました。 町内の方々に、その旨お知らせください、とのことですが、 密葬の場合の挨拶文を、どのように書けばよいでしょうか。 A 近年、近親者だけで葬儀(密葬)を行い、葬儀後にお知らせするケースが少なくありません。 次のようなのはいかがでしょう。 - 訃 報 - (密葬後の例) ○丁目の○○様が○月○日○○歳にてご逝去されました。 なお、すでにご葬儀は近親者のみで執り行われました。 心からご冥福をお祈り申し上げます。 ご遺族はご香典、ご供花、ご供物につきましては固く辞退されております。 - 訃 報 - (密葬前の例) ○丁目の○○様が○月○日○○歳にてご逝去されました。 心からご冥福をお祈り申し上げます。 なお、ご遺族は、故人の意思で葬儀を近親者のみにて行い、 弔問、ご香典、ご供花、ご供物につきましては固く辞退されるとのこと、 併せてご連絡申し上げます。 |